ホンダ・ロードパルが1976年に発売されて以降メーカー各社が様々なスクーターを送り出し、空前のスクーターブームが巻き起こることとなった1980年代。
スクーターブームはホンダとヤマハが販売合戦を繰り広げたHY戦争へと発展し、車両販売価格はみるみる下落。1万円から5万円ほどで買えた中古スクーターは若い世代の足バイクとしてドンピシャで、男性だけでなく女性も大いにスクーターライフを楽しみ、日本全国に浸透していった。
原動機付自転車のヘルメット着用義務化が1986年7月から始まると、週1ペースで新車がリリースされていた80年代前半のような勢いはなくなっていったものの、ホンダとヤマハ、そしてスズキが覇権をかけて争う構図に変わりはなかったのである。
【関連写真32点】「メットイン」時代到来で新車ラッシュがまだまだ続いた80年代後半の50ccスクーター
今回はそんなスクーターブームに登場した車両のなかから、1988年から1989年までに販売された50ccスクーターを紹介していこう。
1988年:ホンダ・ヤマハ・スズキの三つどもえ状態が続く
TECH21カラーのチャンプRSや、ANDFやエアロフェンダーを採用したレーシーなスズキ・Hi-Rが販売されるなどの新車攻勢が続いていた1987年。
続く1988は1月にホンダのニューモデル発売で幕を開けた。メットインだけでなく6.4psエンジンやテレスコタイプのフロントフォーク、3.00-10タイヤを装備するディオが12万6000円で発売されたのだ。
しかも同日、DJ・1Rを6.8psへパワーアップさせるとともに、油圧式ダンパー内蔵テレスコタイプフロントフォーク、デュアルヘッドライト、サイドエアダクトを装備するDJ・1RRを発売している。こちらは13万6000円だった。
続く3月にはヤマハがチャンプにメットインスペースを設けたチャンプCXを追加発売する。ディオの登場に刺激されたことは間違いないだろう。
ところがホンダは突き放すかのように3月29日、2台の新型車を発売する。
1台はイブパックスの後継車パックスクラブで、軽快なスタイルはそのままに5.5psエンジンを採用。
続く1台はリードだ。今回のモデルチェンジでメットインを採用するとともに、90ccモデル同様のフロント・ディスクブレーキを装備した。価格は19万5000円だった。
ホンダ怒涛のニューモデルラッシュだが、ヤマハはここで意表をつくモデルを発売する。それが4月に発売されたBW’Sだ。スクーターにオフロードイメージを盛り込み、ワイドタイヤやデュアルヘッドライトを装備する本格派。価格は14万9000円だった。
また12月には、ヤマハがジョグに派生車種を追加。
2月に発売した80ccエンジン搭載のジョグスポーツと同じロゴを採用して、サスペンションをハードに設定したジョグスポーティを発売している。
1989年:ホンダの新車攻勢と、ヤマハの個性的車両投入で活況に
1980年代最後となる1989年は、またしてもホンダが怒涛の新車ラッシュを繰り広げる。前年に新発売したばかりのディオに、新カラーリングを採用するディオSPが1月17日に追加設定されたのだ。
さらにこの翌日、ホンダは大径ディスクブレーキやテレスコピックフォークを採用する本格スポーツスクーターのジーダッシュ(G’)を新発売した。
1140mmのショートホイールベースやヒップアップしたシート形状、大型アルミブレーキレバーなど、ハイの一人勝ちだったスクーターレースでの活躍が期待されたモデルだった。価格は14万3000円。
こうなるとヤマハも黙っていない。2月になると人気を誇ったジョグをモデルチェンジして3代目ニュージョグへ進化させた。
エポックはXLサイズのフルフェイスでも収納可能なメットイン機構、シートより後に配置された給油口、6.8psになった前傾シリンダーのエンジンなど。価格は13万9000円だった。
さらに7月まで待つことになったが、ニュージョグにもTECH21仕様のカラーリングが施された特別仕様車が限定で販売された。
ライバルのモデルチェンジに歩調を合わせるように、3月になるとホンダはタクトをモデルチェンジさせる。
やはり定番になりつつあったメットイン機構を採用するとともに、6psエンジンやチューブレスタイヤ、大径ディスクブレーキなどを採用。世界初の電動式オートスタンドも話題になった。価格は15万4000円。
なお同年9月には、スタンドアップ機能を外したタクト ベーシックを価格14万2000円にて発売している。
さらにその翌月、ホンダは小型メットインスクーターのパルに、新設計の無段変速機SVマチックを採用するモデルチェンジを実施。スリムなボディにフォークカバーを装備するなど、軽度の接触の際ダメージを負いにくいよう配慮されていた。価格は10万9000円。
ここでスズキはメットイン機構を備えながら675mmという低いシート高を実現したセピアを新発売する。従来のアドレスからフロントフォークを変更して低価格にしたモデルで、広告キャラクターには井森美幸を起用した。価格は12万9000円。
これを最後に1989年のニューモデルは鳴りを潜めるが、最後の最後12月にホンダがディオをモデルチェンジさせる。シリンダーを新設定するとともに排気効率を向上させた新型マフラーと組み合わせ6.8psを発生する新エンジンを搭載したのだ。前後にチューブレスタイヤを採用して価格は12万9000円だった。
1980年代前半はHY戦争に端を発した新車ラッシュだった。
HY戦争が終結した後の80年代後半だが、前半の勢いはまったく衰えることがなかった。だが、この頃から50ccスクーターは徐々に販売台数を減少させていくのである。
(text:増田 満/まとめ:モーサイWEB編集部)
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みんなのコメント
平日は通勤、休日はお山に。頑張ってもらったなぁ。