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「リアルなシーンを味わうために」ヒュンダイ・ソナタ GLS-Lパッケージ(2006)

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「リアルなシーンを味わうために」ヒュンダイ・ソナタ GLS-Lパッケージ(2006)

運営元:外車王SOKEN
著者 :TUNA

魅惑的な深紅のアルファロメオ「8C」オーナー、田中 洋一さんへインタビュー

最近、長期出張していた友人がアメリカの西海岸から帰ってきた。



「向こうの道に慣れるとゆったりしたクルマが欲しくなったよ~」と、話を弾ませる彼の愛車は日本製のコンパクトミニバン。日本の道路においてあれ以上良いクルマはないんじゃないか?と思いつつ、米国のゆったりしたハイウェイの画像を眺めながら思い出話に花が咲く。



そんななか、“もし自分がアメリカに住んでいたら...?”と、今のところはありそうもないライフプランを考える。もちろん無意味だが妄想は止まらない。そんななか、ふと以前行ったミシガンの光景を思い出す。アメリカ車、日本車、ヨーロッパ車...。



いやいや、あのとき筆者の目についてずっと気になっていたのは韓国車の存在だ。コンパクトセダンからラージSUVまで。日本の”USDM”シーンでは少し珍しい。でもリアルな光景のなかでときどき気になった、そんな存在だ。



■日本市場へと殴り込みをかけたNFソナタ

今回紹介するのはヒュンダイ・ソナタ GLS-Lパッケージ(2006)。



最近ではEVのアイオニック5や燃料電池車のネッソが日本へと導入され、その躍進を期待してしまう。



最近ではブランドが”ヒョンデ”表記だが、今回はソナタが導入されていた当時に倣って”ヒュンダイ”表記とさせていただこう。



ソナタは1985年にデビューしたミドルサイズのセダン。
1970年代、フォードのノックダウン生産していたヒュンダイ。
初代は欧州フォードのコーティナMk4のシャーシをベースに、オリジナルボディと三菱製エンジンを搭載した「ステラ」の上級グレードとして誕生した。
2代目以降も三菱自動車のエンジンやディアマンテのシャーシをベースとしたソナタIIなど、日本車とも縁が深い。



韓国のモータリゼーションの発展と共に中核を担いながら進化してきたソナタだが、今回紹介するのは歴代5代目のNFソナタ。



NFソナタは2006年に発売。韓国だけでなく北米でもカムリやアコードとセールス的に戦ったモデルだ。日本ではダイムラー・クライスラー、三菱自動車、ヒュンダイの三社が合同となって開発した2.4L 直4のシータエンジンが搭載されていた。



日本国内でのセールスはあまり多くなく、街中で出会うのは今となっては稀である。



しかし、実直なつくりは好印象でドライバーズシートに乗り込んで感じるのは、ミディアムクラスの確かなゆったり感だ。



オーナーはBadamuさん。初めて渡米したときに街で見たクルマたちの印象に、大変な刺激を受けたことが今のカーライフの始まりとなっているという。
しかし選んだのはアメリカ車でも、USDMな日本車でもなくヒュンダイ。エキゾチックさすら感じる選択肢をとったオーナー氏の生態を少しだけ紐解いてみよう。



■物心ついた頃からセダンが好き!進化していく愛車へのイメージ像

物心ついたころには、もうクルマ好きだったというBadamuさん。
自他ともに認めるマニアックな視点は幼少期のエピソードからも伺える。



「幼いころは家の近所にあったクルマの解体屋を眺めるのが好きでした。そこにはまだ乗れそうなクルマが積んであり、ライトなどの部品が外れた状態は怖い表情になったりするんだなぁ...と、子供ながらに眺めていた記憶があります。幼心に特に好きだったのは黒い大きな4ドアセダンで、リアスポイラーがついたベンツの190Eやセドリックやクラウンといった車種がお気に入りで3インチのミニカー集めにも入れ込みました」



幼いころからクルマへの視点が鋭かったBadamuさん。中学生時代は鉄道にはまり、高校生以降はミニバンなど...クルマ好きになった頃の原風景から現在に至るまで、独自の観察眼はさらに磨きがかかっていったとか。



「初めて購入したのは2代目のAZワゴンでした。当初はステアリングやホイールを純正流用したりして楽しむ程度だったのですが、その頃初めて渡米する機会が訪れ、旅行先でクルマへの憧れ方が大きく変わりました」



元々クルマ好きだったBadamuさんだが、渡航先で見た海外のリアルなシーンや風景に強い影響を受けていく。



「アメリカの街中で見たカムリやシビックなど、何気ない日本のクルマがとってもカッコよく見えたんです。その後ヨーロッパに行ったときも同じで、日本仕様と大きな変更点がなさそうに見えるマイクラ(マーチ)やヤリス(ヴィッツ)も不思議な雰囲気をまとっているのがとても魅力的に感じられて海外仕様車に惹かれていきました...。」



海外でのインスピレーションを原点に、愛車への接し方も徐々に変化が訪れる。
AZ-ワゴンから満を持して購入したのはV36のスカイライン。6年程の所有期間のなか、内外装共にUSDM仕様へとカスタムを行った。



次に購入したVWジェッタは日本に正規導入されていない6代目で北米仕様。
その後譲り受けたカムリから再びV36スカイラインへと...元来好きだったセダン系車種と北米趣向が愛車に施されるカスタムで表現されていく。



そんななかでも、Badamuさんが入れ込むのが北米仕様を目指して製作するヒュンダイだ。
現在、この記事で紹介しているソナタの他にXGも所有。一時期は更に部品取り用のXGをもう一台同時に持っていたというから、その思い入れは並々ならぬものだ。



■クルマをきっかけに広がる行動範囲

Badamuさんがソナタを所有してから約2年。
灯火類、マイルメーター、ホームリンク、ステアリングスイッチなど北米仕様の部品が取り付けられている。それぞれの部品はebayで取り寄せ、自ら作業して取り付けているものも多い。中華製のディスプレイオーディオなど、サードパーティ製のパーツも取り込むことでクルマの雰囲気を高めながら使い勝手にもこだわる。



「古い年式のクルマですが、アメリカで売っているものは意外と安価ではないものが多いです。実用車として使われている個体もまだ多いので、同クラスの日本車とさほど変わらない値段で取引されているようですね」



今後はバンパー類などにも手を入れる予定で完成度は更に高めていく予定だとか。
”若い前オーナーさんが入れた”というエスペリアのダウンサスのエピソードまで、すこし妖しい雰囲気すら感じられてカッコいい。



「一概に”アメリカ”や”海外”といってもキラキラした雰囲気ではなく、もっと普通のありふれた日常の風景が好きなんです。最近はクルマをきっかけに海外の人が集まっている料理屋さん...例えば、パキスタン料理などを食べに行くのにハマっています。そこが日本だったとしても、ソナタで行くと少し違う異国情緒を感じられるんです。そんな風に好きな場所へと好きなクルマで行くことができるのが本当に楽しいんですよね!」



かつて見た海外の原体験を、そのまま吸って吐くかのようなBadamuさんとソナタ。
そこが海外か日本かは問わず、シーンのなかに身を投じてしまえばそれがきっとリアルの姿なのだ。



そして数多の興味が更に新しい知識を呼び寄せていく。
一度ハマると、とことん追求するタイプだというBadamuさん。
その探求心はまだまだ尽きることはなさそうだ。しかしそこには”レアだから”ではなく、純粋なカッコよさや楽しさを求める姿勢に共感せざるを得ない。



これからもBadamuさんワールドを全開に、見たことのない風景を拡げていただきたいと感じるインタビューとなった。



[ライター・撮影/TUNA]



 

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みんなのコメント

9件
  • ヨン様人気にあやかって輸入されたが鳴かず飛ばず。
    日本の消費者もそこまでバカではない。
  • この代のソナタの内外装のデザインは真っ当で本当にいいと思う。もっとも、売れていたのは格上のグレンジャーだったけど。国産車にもここまで衒いのないセダンはなかなかなかった。

    そして、この後の代からおかしくなっていく。衒いのなさを引き継いだのは、Cセグメントのi30系だった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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