当時を懐かしむ大人によって価格は上昇中
21世紀に楽しみたいモダン・クラシックとして、ヴォグゾール(オペル)・カリブラは適任。すべてに触媒が装備されており、直列4気筒ターボエンジンでも燃費は感心するほど優れていた。それでいて、多くのドライバーを満足させるだけのパワーを発揮する。
【画像】ヴォグゾール(オペル)・カリブラ 同時期のスポーツモデル E30 M3とVWコラードも 全55枚
操縦性が冴えない場合は、ダンパーのヘタリが原因かもしれない。走行中や段差を越えた時のゴツゴツという異音は、サスペンション・スプリングの破損や、ジョイント類の劣化が疑われる。
近年は当時を懐かしむ大人たちによって、注目度が再上昇中。英国では、長期間放置されたカリブラも、整備を受けて路上へ復活してきている。長く乗られていなかった場合は特に、メンテナンス記録や電気系統なども含めて、注意深い確認が必要となる。
過去5年以内にタイミングベルト交換が実施されていなければ、早々に済ませたい。同時に、テンショナーとウオーターポンプの交換も実施する。直列4気筒の16バルブとV型6気筒は、ヘッドガスケットが弱点でもある。
4気筒ターボエンジンのカリブラでは、四輪駆動システムの警告灯が正常に点灯/消灯するか確かめたい。トランスファーボックスと6速MTは弱点の1つで、修理は安く済まないだろう。
また四輪駆動のカリブラは、均一にタイヤを減らすことが重要。定期的なローテーションは不可欠だ。もし1本がパンクしたら、4本まとめて交換する必要がある。
V型6気筒エンジンのカリブラの場合は、トラクション・コントロールが故障しがち。急加速を試みて、正常に介入するか確かめたい。
後期型の方がボディは錆びにくい
カリブラは、ドイツ西部のオペル・リュッセルスハイム工場で生産が開始された。VIN番号の中央に「1」が振られている。1991年からはフィンランド南西部のウーシカウプンキ工場でも生産が始まり、VIN番号の中央に「9」が割り当てられている。
1992年には、2台のコンバーチブルが試作されている。だが、量産には至らなかった。
フェイスリフトを受けた後期のカリブラでは、ボディに亜鉛メッキが施され、前期型より錆びにくい。そのため、現在生き残っている例の多くは後期型となっている。
今回ご紹介するヴォグゾール(オペル)・カリブラは、クリス・ブルッカー氏がオーナーとなる前期型のSE2。空気力学の専門家が関与した流麗なボディを、ソーラー・イエローの塗装がひときわ際立たせている。
カリブラはモデルを通じて様々なトリムオプションが提供されていた。維持に必要な修理用部品の入手は、年々難しくなってきているという。ファンクラブやSNS、インターネットの売買サイトなどを利用し、広範囲に探すことが前提となるだろう。
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
赤いヘッドカバーの付いたユニットは、モータースポーツでの活躍もあって、熱い支持を集めた。素晴らしいエンジンだからこそ、定期点検は怠りたくないところ。
16バルブ・ユニットはヘッドの亀裂、ヘッドガスケット周辺からのオイル漏れに注意したい。ターボシールも定期的に点検したいポイント。タイミングベルトは、約4万kmか5年以内での交換が求められている。
V6エンジンの場合、タイミングベルトは約6万4000km毎、補機ベルトは約9万6000km毎、テンショナーは約16万km毎での交換が必要。履歴が不明なら、早めに交換したい。タイミングベルトと一緒に、ウオーターポンプの交換も忘れずに。
トランスミッションと四輪駆動システム
カリブラのMTはゲトラグ社製。ターボには6速が奢られている。シフトフィールに違和感がないか、クラッチの摩耗状態やフルードの劣化具合を確かめる。
トランスファーボックスが弱点。定期的にタイヤをローテーションして均一に摩耗させることで、メカニズムへの負担を軽くできる。
ボディ
ターボのカリブラを除いて、サビに悩まされることは少ないという。それでも、リアのホイールアーチやフェンダーパネル、フロントフェンダー下部とインナーフェンダー、樹脂製ボディトリムの裏側、ボンネットの両端、サンルーフ周辺などは状態を確かめたい。
少々確認しにくいが、サスペンション・マウント付近と荷室のフロア、サイドシルと車内フロア、ジャッキアップポイント、ステアリングラック・マウント、リアブレーキのバックプレート、燃料やブレーキのパイプ類もチェックポイント。
雨水等を流す、フロントガラス付け根部分に開けられたドレインホールを確認する。詰まると水が流れなくなり、バルクヘッドなどが錆びてしまう。サンルーフ用とテールゲート用にも、2つづつドレインホールがある。
インテリア
シートのサイドサポートは擦り減りやすい。天井の内張りとドアパネルは、湿気や温度変化で剥がれたり傷んでくる。
サスペンションとブレーキ
ダンパーのヘタリは想定の範囲内。ロアアーム・ジョイントは、車高が落され大径ホイールを履いているカリブラでは痛みやすい。足まわりの点検と同時に、ブレーキのチェックも忘れずに。
ヴォグゾール(オペル)・カリブラのまとめ
残念なことに、カリブラは部品不足に悩まされている。英国には、得意とする専門ショップも存在しないようだ。しかし近年、モダン・クラシックとして価値が急上昇しており、部品の再生産も一部で始まっている。
過去のオペルのスポーツモデルを見ても、カリブラの人気が下がることはないだろう。四輪駆動のメカニズムを除いて、基本的には信頼性が高く長く乗れる。
英国の中古車市場を探すと、状態の良いカリブラも出てくる。トリムグレードは多彩だから、お好みのカリブラを見つけるのも面白いだろう。
良いトコロ
素晴らしい見た目に、優れた価格価値。英国では限定仕様も多く登場し、同じカリブラと出会うことはまれ。オーナー自身も、正確にグレードを把握していない場合もあるようだ。掘り出し物が見つかるかもしれない。
良くないトコロ
修理部品の入手が難しい状態にあり、低コストでの維持は難しいだろう。廃車置場に放置されている例も、少なくないようだ。
ヴォグゾール(オペル)・カリブラ(1990~1998年/英国仕様)のスペック
英国価格:1万6740~2万2215ポンド(1994年時)
生産台数:23万8164台
全長:4492mm
全幅:1688mm
全高:1320mm
最高速度:202-241km/h
0-97km/h加速:6.2~9.5秒
燃費:8.9-12.4km/L
CO2排出量:−
車両重量:1205-1405kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc自然吸気・ターボ/V型6気筒2498cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:116ps/5200rpm-204ps/5600rpm
最大トルク:17.2kg-m/2600rpm-28.5kg-m/2400rpm
ギアボックス:5速・6速マニュアル/4速オートマティック
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DTM用レースカーの4WDシステムは、エンジンをなるべく後ろに寄せるために、エンジン両側からチェーンの入ったアームを前に出して前輪を駆動するといった、とんでもないシステム