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シボレー・カマロ vs フォード・マスタングGT V8マッスルカー対決 前編

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シボレー・カマロ vs フォード・マスタングGT V8マッスルカー対決 前編

もくじ

前編
ー 大排気量という「正義」
ー 古典のなかの新しさ
ー マッスルカーの「光と影」
ー 番外編 最も有名なマスタングとカマロ

中古のフォード・マスタング 故障や注意点、おいしいモデルとは 中古車購入ガイド

後編
ー カマロ「プレミアム」名乗れる
ー 走りにみる、両者のちがい
ー いつもの環境で光るのは…
ー V8のキャラ、どう違う?
ー 番外編:お互いのヒストリー

大排気量という「正義」

フォード・マスタングにシボレー・カマロと言えば、何といってもそのエンジンルームに収まる偉大な大排気量の自然吸気V8エンジンである。

米国で生産され、いまや英国への上陸も果たしたこの2台の古典的マッスルカーを乗り比べようではないか。

どちらもかつて「排気量に勝るものなし!」と叫ぶ男にお似合いのモデルだ。カウボーイハットを被り、ライ・ウィスキーを愛する男たちにとって、当時はそれが正義だった。

速いクルマが欲しければ、大排気量エンジンが必要な時代だったのだ。

しかし、スマートフォンとデジタル通貨の時代には、この考えには首を傾げざるを得ない。つまり、速いクルマを作るにはもっと違うやり方がたくさんあるということだ。

ハイブリッドやターボ、それにもしかしたら軽量素材を使うことで、より排気量拡大の恩恵を受けることができるかもしれない。

しかし、未だ排気量に勝るものがないというのもひとつの真理。大排気量エンジンが奏でるサウンドは独特で、そのパワーデリバリーの強烈さに並ぶものなどない。

まさに自然吸気の6気筒や8気筒大排気量エンジンでのみ味わうことのできる強烈な体験である。

古典のなかの新しさ

まさに最高のエンジンだが、容赦なく強化される排気ガス規制のもとで、手の届きやすいパフォーマンスカーのセグメントから大排気量自然吸気エンジンは次々と姿を消しつつあり、いまやダウンサイジング・ターボにとって代わられようとしている。だが、全てではない。まだ古典的アメリカン・マッスルカーが残っている。

最新のフォード・マスタングはグローバルカーであり、つまりは右ハンドルも手に入るということだ。さらにリアには生気溢れるリジッド・サスペンションに代わり、ついに欧州モデル同様のマルチリンクが採用された。

一方、第6世代のカマロは前モデルに対して100kg近いダイエットが施されたうえに、マスタング同様、リアにはより洗練されたマルチリンクが奢られている。

しかし、いくつかの重要な意味でアメリカン・マッスルカーの伝統はこの21世紀においてもその最新モデルに引き継がれている。

なによりも両者とも徹底的に素晴らしく古典的なモデルだということだ。両モデルともにターボや電動モーターによるサポートなど歯牙にもかけず、その大排気量だけで巨大なパワーを発生させる素晴らしいV8エンジンを搭載している。

フォードの排気量は4951ccであり、シボレーに至ってはなんと6162ccだ。これで十分だろう。しかも、古典的なV8エンジンを搭載しつつも、それなりにモダナイズもされている。

ココからが重大なポイントである。

マッスルカーの「光と影」

ここからがポイント。では実際に英国においてこういったモデルを所有したいと思うだろうか?

これまでに比べれば、3万8095ポンド(584万円)のマスタングも、左ハンドル・モデルしかなく、3万9040ポンド(598万円)と少しだけ高価なカマロもお勧めするのは簡単だ。

今なら正規輸入モデルがサリー州にあるイアン・アラン・モータースで購入できる。もしこれまでにマッスルカーが欲しいと思ったことがあれば、まさに今がそのチャンスなのだ。

英国で1年間毎日カマロを運転しても、同じクルマを見かけることはないと断言できる。フォードがマスタングで、そして、ダッジがチャレンジャーでやったように、シボレーはこの最新のカマロでオリジナルの素晴らしさを再現することにも成功している。まさに最新式でありながら、カマロ以外の何物にも見えない。

大排気量V8エンジン以外にも、アメリカン・マッスルカーには常にひとつの特徴があった。インテリアの低い質感である。これはトレード・オフの関係であり、フロントに積まれた強力なV8エンジンにしては控えめなプライスタグを掲げる代わりに、プラスティックを多用したいい加減な組立品質を我慢する必要があったのだ。

そして、この特徴は残念ながらマスタングではそのままに受け継がれている。キャビン自体は運転に集中できる作りだが、使われている素材は平凡で、ダッシュボード・デザインは1960年代のオリジナル・マスタングの単なる模倣である。言ってしまえば全てが安っぽい。

一方のカマロはどうだろう?

後編につづく。そのまえに、番外編もご覧あれm。

番外編 最も有名なマスタングとカマロ

フォード・シェルビー・マスタングGT500 1967年

1967年、フォードは伝説的なチューナーであるキャロル・シェルビーと共にシェルビー・マスタングGT500を作り出した。7L V8エンジンを搭載したこのモデルは2048台が生産され、現在ではその価格は10万ポンド(1539万円)に達している。

シボレー・カマロZL-1 1969年

GT500同様、カマロZL-1には7L V8エンジンが搭載されていたが、比較的数多く生産されたフォードに比べ、こちらの販売台数はわずか69台に留まる。こんにちでの人気はすさまじく、70万ポンド(1億774万円)もの価格がついている。

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