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予選最速ターキントンとヒルのBMW勢が連勝。トヨタの元世界王者ロブ・ハフも2勝目飾る/BTCC

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予選最速ターキントンとヒルのBMW勢が連勝。トヨタの元世界王者ロブ・ハフも2勝目飾る/BTCC

 スコットランドへと越境し、8月9~11日の週末に争われたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権第7戦ノックヒルは、前戦クロフトでキャリア通算70勝の節目を飾ったコリン・ターキントン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)が、レース1で2戦連続のポール・トゥ・ウインを達成。続くレース2では、こちらも節目の通算250戦目を迎えたジェイク・ヒル(レーザー・ツールズ・レーシング・ウィズ・MBモータースポーツ/BMW 330e Mスポーツ)が、自らを祝う勝利を挙げてBMW陣営が連勝を飾ることに。

 そして最終ヒートで2022年王者トム・イングラム(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)の猛攻をしのぎ切った元世界王者ロブ・ハフ(TOYOTA GAZOO Racing UK/トヨタ・カローラGRスポーツ)が、シリーズ復帰イヤーで待望の2勝目を手にしている。

約20年ぶり復帰参戦で元世界王者ロブ・ハフが2回目の表彰台「夏休み明けで狙っていた」/BTCC

 チャリティの認知度向上と資金集めを目的とした特別カラーが施されたアライアンス・レーシングの4台のフォード・フォーカスSTが登場したノックヒルの週末は、その一角を担うダニエル・ロウボトム(NAPAレーシングUK/フォード・フォーカスST)のFP1、FP2最速で幕を開ける。

 しかし予選に突入すると“クイック・シックス”のシュートアウトを含め、3段階のセグメントすべてで先行したのがウエスト・サリー・レーシング(WSR)の“絶対エース”で、シーズン後半戦に復調傾向を示すターキントンが、キャリア通算30度目のポールポジションを獲得した。

「30回のポールポジションは素晴らしいし、良い数字だ。僕のBMWは本当に調子が良く、予選がニュータイヤを履く最初の機会だったけど、今日はうまくいったと思う」と手応えを語った4冠王者。

「最終結果を見ると僕がポールだが、セッション開始時の心構えはQ1を突破することだけだった。各セッションで少しずつ前進しおそらくコンマ数秒のゲインを見つけたが、それが重要だった。アーロン(テイラー・スミス)と僕の差がこんなに接近していた(0.035秒)とは知らなかった。明日はドライで、このチャンスを活かせるといいね」

 その言葉どおり、ソフトタイヤを使って電光石火のスタートを決めたターキントンは、そのまま抜け出して悠々のクルージングモードへ突入。背後ではそのアーロン-テイラー・スミス(エバンス・ハルショウ・パワー・マックス・レーシング/ヴォクスホール・アストラBTCC)とアダム・モーガン(チームBMW/BMW 330e Mスポーツ)、そしてジョシュ・クック(LKQユーロカーパーツ・ウィズ・シネティック/トヨタ・カローラGRスポーツ)らが表彰台スポットを激しく争う展開に。

 大半で断固たるディフェンスを見せたスミスだったが、17周目にモーガンのBMWにシケインで攻略された際、クックにも先行されポディウム圏内から陥落。さらにターン1のアウト側からモーガンを仕留めたクックが、前戦勝利の勢いを感じさせる2位を奪い獲った。

■ワールドチャンピオンの帰還

「6秒差で走っていれば、いつだって簡単に見える。でも本当は難しい状況なんだ。ただ今回は、背後で2位争いが繰り広げられているのを見て、遠くまで突き進むことに集中した。ここで表彰台の一番上に立ててうれしいよ」と見事なパフォーマンスで今季4勝目を飾ったターキントン。

 続くレース2では陣営内のタイトル候補が前戦勝者のデータも活用。グリッド5番手からスタートを切ったヒルは、ソフトタイヤに換装したアクアブルーのBMW 330e Mスポーツを華麗に操ると、序盤のうちにオーバーテイクショーを連発。エースのターキントンも仕留めて6勝目を挙げ、この時点で選手権首位に返り咲いた。

「まずは自分の仕事が完遂できたね」と安堵の表情を浮かべたヒル。

「レース1でミディアムを履いたマシンの素晴らしさに感銘を受けたが、ソフトに履き替えたレース2は、まさに飛ぶようなフィーリングだった。チームの全員に感謝したい。彼らは僕に無敵のBMWを与えてくれたんだ」

 迎えた最終レース3は恒例のリバースグリッドとなり、ここで最上位を得たハフのカローラが隊列を牽引する。前戦クロフトでは僚友クックとの激しいデッドヒートの末で2位に甘んじていた元世界王者は、今回も背後のイングラムによる猛烈なプレッシャーに耐え続ける展開に。

 何度もホイール・トゥ・ホイールで軽いコンタクトを繰り返す好バトルを繰り広げるなか、今回はクックとヒルが接触したことでシケインのタイヤスタックが吹き飛び、その回収でセーフティカーが出動する。しかしリスタートでもポジションを堅守したハフが、イングラム、トム・チルトン(ブリストル・ストリート・モータース・ウィズ・エクセラー8/ヒョンデi30ファストバック Nパフォーマンス)のヒョンデ艦隊を抑え切ってチェッカー。待望のシリーズ復帰2勝目を獲得した。

「厳しかったよ。これほど緊迫したレースは他にないし、BTCCならではだ。まさにツーリングカーレースだね」と続けた2012年のWTCC世界ツーリングカー選手権チャンピオンのハフ。

「リスタートではトム(・イングラム)に対し、少し不意を突けたと思う。ハイブリッドを賢く使って、最後まで充分に力を発揮できるようにしたんだ。夏休み以降、マシンは確実にパワーアップし、スタッフは素晴らしい仕事をしてくれた。全員が望んでいたトップクラスに戻してくれたことに感謝している」

 この2位表彰台でイングラムがポイントリーダーの座を奪還し、いよいよ終盤戦に突入するBTCCの2024年シーズン。続く第8戦は8月23~25日の週末にドニントンパークのGPレイアウトで争われる。

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