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トヨタ新「アルファード・ヴェルファイア」が最高だった! 成熟した「快適性&走行性」がスゴイ! シリーズ初“1000万円”超え「PHEV」の感想は?【試乗記】

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トヨタ新「アルファード・ヴェルファイア」が最高だった! 成熟した「快適性&走行性」がスゴイ! シリーズ初“1000万円”超え「PHEV」の感想は?【試乗記】

■シリーズ初の1000万円超えモデル、その真価とは

 2023年6月に登場した現行「アルファード/ヴェルファイア(以下:アルヴェル)」は、広い空間と欧州セダン並みの運動性能をテーマに、TNGAをフル活用して開発されました。
 
 その人気は日本のみならずアジア全体に広がり、注目度が高まっています。そんなアルヴェルに新たに追加されたのがPHEVモデルです。

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 チーフ・ブランディング・オフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏は、2023年9月のシン・センチュリー発表時に「ショーファーカーの選択肢を多様化させる」と述べており、アルヴェルPHEVはまさにその一環として登場しました。

 見た目は通常モデルと大きな違いはありませんが、エクステリアにはシルバースパッタリング塗装のアルミホイール(通常はスーパークロームメタリック塗装)や充電口(車両右側)、PHEVエンブレムが追加されています。また、インテリアにはウルトラスエード仕様のルーフライニングやEV/HEV切り替えスイッチ、メーター表示が施され、PHEVならではの特別感を演出しています。

 個人的にはシリーズ初の1000万円超えモデルである事を考えると、もう少し差別化があっても良かったのではないかと思う所も。とはいえ、走行性能や快適性能においては、見た目とは裏腹に通常モデルとは別格の仕上がりです。

 もう少し具体的に説明していきましょう。

 パワートレインは、2.5リッターハイブリッドE-Fourをベースに、出力密度の高いモーターと大容量化されたバッテリー(ニッケル水素からリチウムイオン:18.1kWh)、専用の制御システムを組み合わせたPHEVシステムを採用しています。これにより、システム出力は305psを実現しています。

 EVモードでの静かで滑らかな特性はもちろん、ショーファーカーの日常移動95%をカバーする73kmのEV航続距離も魅力ですが、実は驚いたのはHEVモードでした。発進時や再加速時に、通常のHEVモデルではエンジンが急に唸り始めてしまうシーンでも、PHEVではエンジン回転数が1000~2000rpmを維持したまま静かなままグイグイと加速。

 これは、モーターアシストの領域が広がり、エンジン回転数を抑えた制御が行われているためで、その加速フィーリングはトルクバンドが広い大排気量のNAエンジンに近い感覚です。

 さらに、アクセルを踏み込み込むとエンジンは主張しますが、インパネやドア周りに追加された遮音材やアクティブノイズコントロールの効果も相まってエンジンが遠くで回っているようなイメージです。欲を言えばダイナミックフォースエンジン特有の“濁音”が多めの音質が改善されると、より快適になるのかなと思いました。

 バッテリーは外部からの充電に対応しており、急速充電も可能です。さらに、他のトヨタPHEVと同様に、エンジンで発電して充電する「CHARGEモード」も搭載しています。ただし、発電中のエンジンノイズは依然として気になる部分があります。

 ちなみにダイナミックフォースエンジンは効率が高いため定常走行時だと燃費の悪化は最小限で、外部で充電するコストと燃費の悪化分を天秤にかけると意外とトントンと言う話も聞きます。実はトヨタも正確なデータを持っていないのでどこかのタイミングで検証してみようと考えています。個人的にはナビと連動してEV/HEVの切り替えを最適制御してくれるAUTOモードと連動できるといいかなと。

 燃費はWLTCモードでHEVモデル(16.5km/L)を上回る16.7km/Lですが、今回は短時間の試乗な上にEVモードでの走行も行なったため計測できませんでした。

■快適性とドライバーズカーとしての魅力は

 フットワークはショーファーニーズに合わせて快適性重視かと思いきや、ドライバーズカーとしての魅力も格段に向上しています。

 快適性は19インチを履きながらもアルファードの17インチ仕様を超えるレベルです。とにかくカドが無いまろやかな入力、しなやかでフリクションが抑えられた足の動き、時間をかけてゆっくり減衰させると言った“お作法”が、「シン・センチュリー」や「クラウンセダンFCEV」と同じ波長を感じさせます。

 快適性重視のセットアップで旋回時にはクルマの動きが大きくなるかと思いきや、実際にはダルな印象はなく、動きは「ゆっくり」なのに「正確」であることに驚かされます。もう少し言うと、ステアリングの切り始めから切り戻しまでのロールコントロールが絶妙で、まるでダンパーやスタビライザーが電子制御されているような錯覚すら受けたほどです。

 この印象を開発者に伝えると、床下の車両中央部にバッテリーを搭載による低重心化(HEVモデルに対してマイナス35mm)を活かし、専用のサスペンション(ショックアブソーバー減衰力をHEVモデルに対して低減)チューニングとEPS制御を実施に加えて、床下の空力改善(アンダーカバー範囲の拡大やマフラー形状の工夫)、アルミテープ(インパネ周り)が質感向上に貢献していると教えてくれました。

 ちなみにアルファードとヴェルファイアでセットアップは異なります。乗り比べると「滑らかさ」を重視したアルファード、一方薄皮を1枚抜いたような「ダイレクト感」重視のヴェルファイアと言う違いはありますが、HEVモデルよりもその差は小さめです。

 個人的には、19インチを履くヴェルファイアに対し、アルファードは若干タイヤに対して車体が負けている印象があり、走行性能の総合評価ではヴェルファイアが上回ると感じました。全体の走りの方向性はヴェルファイアがアルファードに寄った印象なので、ヴェルファイアのセットアップはもう一工夫欲しいなとも思い、例えばショーファーカーでありながらも「最強のハイウェイエクスプレス」としての完成度を目指せるのではないでしょうか。

 ちなみにブレーキもショーファーニーズ合わせて進化しており、前後の制動力配分の最適化でノーズダウンを抑制する「スムーズストップ制御」を新たに採用。普通はブレーキを踏むとクルマは前のめりの姿勢になりますが、アルヴェルPHEVは前荷重になるも基本はフラットな姿勢のまま減速。更に停止間際のブレーキ抜きを車両側でコントロールをしてくれるので、誰でも熟練ドライバーのようなスムーズなブレーキが可能となっています。

 トヨタの回生協調ブレーキでは、完全停止直前に踏力をわずかに抜くのがスムーズに止まるコツとされていましたが、スムーズストップ制御ではむしろ踏み切ったほうが上手に止まれます。現時点ではPHEV専用の機能ですが、これは他のモデルにも展開してほしい技術です。

※ ※ ※

 試乗の感想として、PHEV化によって「カーボンニュートラルへの貢献」だけでなく、「より快適な移動の幸せ」を実現したモデルに仕上がっていると感じました。

 ズバリ「最強かつ最高のアルヴェル」と言えるでしょう。

 価格はHEVモデル(E-Four)の183万円高でシリーズ唯一の1000万越えとなりますが、その価値は十分あると思っています。

 ちなみに月販基準台数は200台/月(全体は8600台/月)となっていますが、現行モデルのデビュー時のような争奪戦にならないように「安定した供給」を期待したい所です。

文:くるまのニュース 山本シンヤ
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みんなのコメント

9件
  • ケイちゃん
    結局車に何を求めるかなんだよね。そういう意味でいえばアルベルはアリだと思う。
    個人タクシーとかなら、絶対お客さん喜ぶと思う。
  • cam********
    まぁアジア圏内でしか通用しないだろ。
    欧米で使われてるミニバン見れば一目瞭然。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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