ロータス最後のガソリンエンジン車となるミドシップスポーツカー「エミーラ」が東京オートサロン2022で日本初公開され、スポーツカーファンの間で大きな話題となったことは記憶に新しい。先行して受注が開始されていたV6モデルに続き、直列4気筒モデルの正式オーダーが開始された。
エミーラの導入初期モデルとなる「ファーストエディション」の仕様や価格などの最新情報に加え、V6と直4モデルの違いについてもお伝えしよう。
最後のガソリン車ロータス「エミーラ」の4気筒モデルが受注開始へ
文/大音安弘、写真/エルシーアイ
■エンジン車のロータス最後を飾るエミーラに新仕様を追加
ロータスカーズ日本正規販売輸入総代理店であるエルシーアイは2022年4月22日、ロータス エミーラファーストエディションの受注開始を発表した。同モデルは、新型車であるエミーラに、さまざまなオプションパックを標準化した特別仕様車で、すでに先行して受注を受け付けているV6エンジン搭載モデルの「エミーラV6ファーストエディション」に続く、第2弾の直列4気筒モデル特別仕様車だ。
■侮れない新4気筒のパワートレーン
まずは先行するV6モデルと直列4気筒モデルの違いを説明しよう。V6エンジンは、ロータスがエキシージとエヴォーラで磨き上げてきたトヨタ製3.5L V6DOHCスーパーチャージャーエンジンを搭載。
最高出力408ps/6800rpmを発揮。最大トルクは、トランスミッションにより異なり、6速MTが420Nm、オプションの6速ATを選択すると、430Nmに。発生回転数は、ともに2700~6700rpmとなる。
対する新4気筒エンジンも、ただものではない。なんとメルセデスAMG製のM139エンジンを採用。メルセデスAMGのコンパクトモデル45シリーズのための特別な2L直列4気筒ターボエンジンだが、その特注バージョンなのだ。
注目のスペックは、最高出力365ps/7200rpm、最大トルク430Nm/3000~5500rpmを発揮する。特筆すべきは、トランスミッションで、ロータス初の8速DCTを搭載している。
もちろん、ギアシフト設定は、ロータス独自のもので、エキゾーストシステムなど、ロータスによるエミーラ専用のものが作り上げられている。
注目すべきは、V6と直4の性能差だろう。最高出力は、V6が圧倒的に大きいが、最大トルクは同等を示している。この場合、やはり、記録を比べるほうがわかりやすい。0-100km/h加速は、V6(MT)が4.3秒、V6(AT)が4.2秒だが、なんと直4(DCT)も4.2秒を記録。
最高速度については、V6が288km/hに対して、直4が283km/hと拮抗する。車両重量では、直4モデルのほうが、53kg軽いのも効果的なのだろう。ロータスがその魅力を知り尽くしたV6エンジンとAMGによる世界最強の2L直4エンジンは、好みで選んで問題なしといえそうだ。
直4モデルの心臓は、メルセデスAMG製に。イギリスとドイツのコラボは、かなり刺激的になりそうだ
■メカニズムや構造はまったく同じ
パワートレーン以外の基本的な構造は共通で、ロータスが得意とするオールアルミモノコックシャシーに、ボディはオールグラスファイバーボディ(GFRP)を組み合わせる。前後サスペンションは、ダブルウィッシュボーン式で、ビルシュタイン製ダンパーとアイバッハ製コイルスプリングを組み合わせる。
ブレーキシステムは、APレーシング製4ポッドアルミ合金キャリパーと2ピースクロスドリルドベンチレーテッドディスクのコンビで、フロント370mm、リア350mmのディスクサイズとなる。
タイヤサイズは、フロント245/35R20、リア295/30R20となる点も共通だ。但し、装備の一部は、ファーストエディションの特別仕様に起因するものだ。
■装備満載のファーストエディション
ファーストエディションの特別装備を紹介すると、まさにフル装備といった内容だ。本来、パッケージオプションである「ロータスドライバーズパック」、「ロータスデザインパック」、「ローワーブラックパック」「コンビニエンスパック」の4つも標準化されている。
これらには、20インチの超軽量Vスポーク鍛造アロイホイール、2 ピースハイパフォーマンスブレーキディスク、ロータスネーム⼊りブレーキキャリパー、サスペンションとタイヤのコンビネーション選択、フロントパーキングセンサー、バックカメラ、プライバシーティントガラスなどさまざまなアイテムが含まれている。
6タイプのボディカラーと7タイプのインテリア&シートのコーディネート、4タイプのブレーキキャリパーカラーの選択は、無償オプションとして提供されるのも、特別な計らいのひとつだ。
2シーターの最新鋭のコックピットも装備が充実。フルデジタルメーターなど最新機能も満載だ
■エミーラを手にするためには……
価格は、直4モデルの「エミーラ ファーストエディション」が1386万円となる。生産開始は、2023年1月以降を予定しているため、納期は最短でも1年近くとなる見込みだ。
ただし、エミーラを入手するためには、早めの動きが鉄則といえる。昨年末より受注を開始した「エミーラ V6ファーストエディション」は、予想をはるかに超える注文が世界中より飛び込んでいるという。
V6モデルの生産は、今年より開始されるが、いずれの仕様も早期注文がマストといえそうだ。また材料費の急激な高騰を受け、V6ファーストエディションの価格が1353万円から1452万円に改定された。現在の世界情勢を鑑みると、今後も価格への影響が懸念される。
多くのメーカーがEVシフトを掲げることもあり、最後のピュアエンジンスポーツカーを楽しみたい考える顧客も多く、さまざまなスポーツカーのニーズが高まっているのが現実だ。
国内だと日産GT-Rの2022年モデルの完売も、その一例といえよう。エミーラは、ロータスの新工場で生産される第一号車であり、モデルラインもエンジン車はエミーラに集約されたため、従来よりも生産規模は拡大している面もある。
しかし、それでもロータスが少量生産メーカーであることに変わりはない。手に入るうちが買い時というのが、今のスポーツカー事情なのだ。
ピュアエンジンのロータスはこれで最後。中古エリーゼも高騰しているため、エミーラへの関心もより高まる可能性がある
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みんなのコメント
だとするとトヨタ製V6のMTか。
今のエリーゼと2台持ちできるくらい仕事頑張ろう。