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技術的に劣る部分はない ハイファイ Xへ試乗 ツインモーターで599ps iXやEQS SUVが競合

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技術的に劣る部分はない ハイファイ Xへ試乗 ツインモーターで599ps iXやEQS SUVが競合

iXやEQS SUVに相当する大型の高級SUV

中国の新興技術企業、ヒューマン・ホライゾンズ社が擁するバッテリーEVブランドのハイファイが、いよいよ欧州で戦いを繰り広げる。今回試乗したハイファイXは、BMW iXやメルセデス・ベンツEQS SUVなどと同じクラスに属する、大型の高級SUVだ。

【画像】技術的に劣る部分はない ハイファイ XとZ 競合クラスのBEVと写真で比較 全135枚

このハイファイというブランドは、2019年に設立されたばかり。大型の4ドアサルーン、「Z」の方が登場は新しいものの、最先端のデジタル技術で未来のモビリティを牽引するというビジョンが、具現化されたモデルといえる。

同社によると、中国の自動車ユーザーは、搭載されるデジタル技術を重視する傾向があるという。またドイツの上級ブランドを含めて、既存メーカーは高級感や快適性と、デジタル技術とを融合させた驚きを提供できていないとも考えているらしい。

このハイファイ Xは、サルーンのZよりダイナミックでシンプルなスタイリングが特長。だが、プラットフォームとエアサスペンション、後輪操舵システムなどは共有している。

全長は5200mm、全幅が2062mmと大きいが、全高は1618mmと、このクラスのSUVとしては抑えられている。長く低く、ジャガー Iペイスを拡大したようなプロポーションといえる。このサイズを活かし、3列シート・レイアウトも用意される。

タッチモニター群が存在感を示す車内

2列シート・レイアウトでは、後席側はベンチタイプではなく、左右に独立したシートも指定できる。その場合は、ドアを開いた時に電気モーターでシートを外側へ動かし、乗降性を高められる。個別にリクライニングも可能だ。

リアドアは、ボディ後方にヒンジが付いたスーイサイド・スタイル。大きく開き、ドア上部のルーフも中央を軸に立ち上がるため、背を屈めることなく後席へ座れる。

インテリアは、ネットワーク化されたタッチモニター群が存在感を示す。ダッシュボード中央にメインのインフォテインメント用が据えられ、助手席側の正面にも1面あり、後席側にもタブレットサイズのモニターが左右へ用意されている。

運転席の正面にも、ワイドなメーター用モニターが鎮座している。今回の試乗時はインターネット通信が機能していなかったが、接続されれば、家電量販店のテレビ売り場のように感じるかもしれない。

インフォテインメント・システムは少々複雑。テスラのように、殆どの車載機能の操作系が、タッチモニターへ集約されている。ステアリングコラムやドアミラーの角度、エアコンの温度、リアドアの開閉といった操作も、モニターをタップすることになる。

走行中にモニターへ触れることは、基本的に難しい。一部の機能は、走行中に操作できなくなる。慣れるまでは、もどかしいかもしれない。

助手席側のモニターは、運転席から表示が見えにくく、運転中に気が散るということはないだろう。同乗者がいなければ、オフにもできる。

技術的に劣ると感じる部分はない

車内空間は、前席・後席ともに広い。3列目でも、平均的な身長の大人であれば問題なく座れるはず。フロントシートは快適で、調整域も充分。ドライビングポジションは、オフローダーのように背筋を起こすのではなく、サルーンに近い。

内装の質感は、アウディQ8やレンジローバーにはまったく及ばない。だが、ハイファイ初の量産車で、4年弱で設計から量産までこぎつけたことを踏まえれば、驚かずにはいられない。

運転席へ座って問題だと感じたのが、後方視界の悪さ。バックミラーに映る後方の様子はかなり狭い。駐車時などは、バックカメラが大いに活躍してくれる。

さて、一般道を走り出してすぐに、外界との隔離性の高さへ感心した。同時に、ボディの大きさや重さを感じさせない、洗練性も備わっている。

サスペンションやステアリングの印象も好ましく、技術的に劣る部分はないといっていい。車重が2580kgもある電動SUVだから、興奮するような運転体験は得られないものの、操縦しやすく扱いやすい。姿勢制御も良好で、快適に先を急げる。

試乗場所はドイツで、荒れた路面では若干落ち着きが乏しい場面も見られたが、目立った弱点は発見できなかった。アダプティブ・ダンパーが組まれれば、印象は更に改善できそうだ。

元JLRの技術者が関与 成功への確実な出発点

テスラが10年で達成した量産車の水準を踏まえると、ハイファイ Xの完成度の高さには唸らざるを得ない。溢れんばかりのデジタル技術が実装され、走りの質感は優れているとさえ表現できる。成功への確実な出発点になるように思う。

ハイファイを率いる技術者は、以前JLR(ジャガー・ランドローバー)で手腕を発揮した人物。その経験が、Xの開発にも活かされているようだ。

現状は、最新家電などへ強い関心を抱き、中国の新しいプレミアムブランドへ賛同できる、裕福な層だけが選ぶモデルかもしれない。しかし、携帯電話がスマートフォンへ進化したように、自動車はデジタルな移動手段として特長を強めていることも事実だ。

懐疑的に見る人は多いかもしれないが、バッテリーEVが進もうとしている道へ、ハイファイ Xは上手く同調できているように筆者は思う。スマートで快適で、従来とは異なる個性がある。共感できる人へは、大きな充足感を与えるのではないだろうか。

ハイファイ X(欧州仕様)のスペック

英国価格:10万ポンド(約1750万円/予想)
全長:5200mm
全幅:2062mm
全高:1618mm
最高速度:199km/h(リミッター)
0-100km/h加速:3.9秒
航続距離:463km
電費:−km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:2580kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:97kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:599ps
最大トルク:83.4kg-m
ギアボックス:シングルスピード/四輪駆動

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みんなのコメント

11件
  • 政治が拗れると保守部品とか送らないとかしてくるよ笑
    前科がたくさんあるし、現在形の話だけど、それでもイイ人は買えばいいんじゃないかな。
  • 賞味期限はいつまでアルか?。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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