来季からレッドブルにパワーユニットを供給することになったホンダ。今季はトロロッソとパートナーシップを組んでいるが、昨年までのマクラーレンとの3年はうまくいかなかった。
マクラーレンとホンダのコラボレーションは、1980年代後半~1990年前半の黄金コンビ復活ということもあり、大きな期待が寄せられていた。しかしこれは結局うまくいかず、最高位は5位だった。
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フランスGPの際に外国人記者団の取材に応じたホンダの山本雅史モータースポーツ部長は、マクラーレンとの3年について、次のように語った。
「マクラーレンとやったことは、我々にとっても良い勉強になりました」
そう山本部長は語る。
「(2015年に)F1に復帰しましたが、間が空いていた(ホンダは2008年を最後に一時F1を撤退。6年間にわたって、前線を退いていました。そのため、2014年から導入された現行のV6ターボ+ハイブリッドの”パワーユニット”時代に、1年遅れて参入することとなった)ために、分からないこともありました。マクラーレンと働くことで、それを学ぶことができました」
「トロロッソとは本当に良い形でコラボレーションできています。次のステップは、勝ちに行くということ。その中でレッドブルと組むという選択は、嬉しいですし、ハッピーだと思っています」
マクラーレンは今季からルノーと組んでいるが、それが決まった当初は、トップ争いもできるという期待を語っていた。しかし実際にシーズンが開幕してみれば、中団争いから抜け出すことができず、同じルノー製パワーユニットを使うレッドブルに差をつけられている。そればかりか徐々に失速傾向にあり、フランスGPでは2台揃って予選Q1敗退という結果だった。
これを受け、山本部長には外国人の記者から、鋭い質問が飛ぶ。「マクラーレンが苦労しているのを見て、嬉しいか?」と訊かれた山本部長は、次のように答えた。
「私は、あまり嬉しいとは思いません。レースは、難しいと思います。シャシー、パワーユニット、ドライバー、それからチームを運営するマネジメント……この4つが一緒になって、うまくレースを運ばなければいけません。それは難しいことだと思っています。色々なチームを見ていますが、それは我々にとって、良い勉強になっていると思っています」
マクラーレンのフェルナンド・アロンソは、F1参戦と並行してWEC(世界耐久選手権)にフル参戦。今季のル・マン24時間を制した。そのアロンソは世界三大レース(F1モナコGP、ル・マン24時間、インディ500)完全制覇を目指している。今季ル・マンに勝ったことによって、アロンソが残すのはインディ500のみである。
そのアロンソは昨年、ホンダエンジンを搭載するアンドレッティ・オートスポートのマシンでインディ500に初参戦。最終的にはリタイアに終わったものの、印象的な走りを見せた。そして来年、再びインディに挑むのではないかと言われている。
トヨタでWECを走りながら、ホンダエンジンを積むインディカーに乗ることができるのか? それを尋ねられた山本部長は、次のように語った。
「ドライバーに関しては、私はすごくニュートラルです。彼らは勝つためにレースをしています」
そう山本部長は語る。
「だから去年までについて言えば、ドライバーに対して一番申し訳なかったと思います」
「インディカーについては、私の担当ではありません。アメリカン・ホンダが主導してやっていることです。私はアドバイザーとして関わっていますが、現時点での結論は分かりません」
「しかし、アロンソは素晴らしいドライバーだと、私は思います」
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