「Stelato S9」の航続距離は最長816km
ファーウェイが高級セダンEVであるStelato S9を正式に発売しました。航続距離800kmオーバーなどというEV性能だけでなく、メルセデスSクラスを倒すために徹底的にベンチマークを行って、内外装の質感や装備内容をフル装備。日本メーカーとともに中国市場で大きな危機に陥っているドイツ勢の現状とともに解説します。
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは
現在、ファーウェイはEV関連のパワートレインやコックピットまわりのハードを自動車メーカーに提供するティア1サプライヤーのようなビジネスモデルとともに、「Huawei Inside」と名付けられた、パーツだけではなく、とくにインフォテインメントやADASまわりのソフトウェアソリューションを、ハードとともに一括で提案。スマートEVにまつわるテクノロジーをファーウェイがすべて手がけるというビジネスモデルを展開しています。
そして、そのHuawei Insideから一歩進んで、車両販売における商品戦略、マーケティング、そしてファーウェイストアにおける展示や販売に至るまで、スマートEV事業を包括的に担当するというビジネスモデルも展開。
これは、ハーモニー・インテリジェント・モビリティ・アライアンス、通称「HIMA」と呼ばれています。すでにSeresと立ち上げたAITO、Cheryと立ち上げたLuxeed、BAICと立ち上げたStelatoおよび2025年早々に立ち上がる予定のJACとのMaextroと4つのブランドで構成されています。
今回取り上げていきたい存在が、3つ目のHIMAの一角を構成するBAICとのStelatoです。とくに正式発売がスタートしたのが、S9と名付けられたフルサイズセダンです。
このS9は、現在高級車セグメントを支配している、ドイツ御三家のフラグシップセダンとなるBMW7シリーズ、アウディA8、そしてメルセデス・ベンツSクラスに対抗するために設計されたもの。この高級セグメントは、現在EVシフトがほとんど進んでいないセグメントであり、すでにi7、e-tron GT、およびEQSなど、高級EVセダンがラインアップされているものの、その販売台数は完全に低迷しています。
他方で、この高級セグメントのEVシフトにゲームチェンジャー的な衝撃を与えているのが、ファーウェイが2月から納車をスタートさせているAITO M9の存在です。発売をスタートしてから瞬く間に販売台数を伸ばして、現在は月間で1.5万台以上をコンスタントに販売中。この販売規模は、これまで中国高級車セグメントで王者のアウディA6Lすらも上まわるレベルです。
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは
そして、今回投入されたStelato S9について、M9とは異なり、レンジエクステンダーEVは設定せずに、100kWhバッテリーを搭載するバッテリーEVのみを設定し、航続距離はCLTC基準で最長816kmを実現。この航続距離の長さは、競合となるメルセデス・ベンツEQSやBMW i7よりも長く、そればかりか、ガソリン車であるSクラスやマイバッハS480よりも長いレベルです。
また、電費性能も132Wh/kmと、全長5160mm、全幅1987mm、ホイールベース3050mm、車両重量2.2トンオーバーで、大型セダンとしては驚異的な効率性を実現。これは800Vシステムを採用することだけではなく、空力性能を示すCd値が0.193であり、さらにはカメラミラーを採用するなど、空気抵抗を極限にまで低減させていることが効いています。
また、バッテリーEVにおいて極めて重要となる急速充電性能も、Cレートで最大3.2Cを実現するCATL製の800Vシステムバッテリーを採用しながら、ファーウェイは独自に600kW級の超急速充電ステーションの設置を中国全土で行っており、5分間の充電で航続距離200km分を回復可能と説明されています。
いずれにしても、EV性能という観点ではフラグシップとして申し分ない性能を実現しているように見えます。
「Stelato S9」から自動運転システムADS3.0をリリース
他方で、Sクラスに対抗するためには内外装の質感の徹底追求は必須でしょう。まず目を見張るのが、ショーファーカーとして最重要となる後席の快適性について、12方向電動調整、およびレッグレストを搭載するゼログラビティシートを採用。しかも、助手席を折りたたむことが可能となり、レッグレストとともに完全に足を伸ばしてくつろぐことが可能です。
もちろんシートヒーター、シートクーラー、シートマッサージは標準設定。また、リヤにはタッチスクリーンだけではなく、32インチもの投影スクリーンが装備されており、映像視聴であったり、ビデオ通話を行うことが可能です。
さらに、ファーウェイとして重要なのが、それらのインフォテインメントシステムを駆動するHarmony OSの存在です。すべてのシステムが統合されており、直感的、かつシームレスな操作を実現します。
また、エグゼクティブ向けのプライバシー空間の確保という観点で、後席側の窓ガラスは全方向電動サンシェードが搭載。その上、スーパープライバシーモードと名付けられた、車内のマイクやカメラの機能をワンクリックでオフにすることが可能となり、乗降時に記録を抹消することも可能です。
さらに、プライバシーサウンドシールドと名付けられた、一列目に対する音を遮断する機能は、機密性の高い電話対応なども車内で可能となります。
また、フレグランス機能も、パリで受賞歴のある有名な調香師による特別な香料を含む3種類を標準搭載。さらに音響システムも、ファーウェイが独自にチューニングする最大2080Wを発揮可能な25スピーカーシステムのファーウェイサウンドを標準搭載。
静粛性対策も徹底し、時速40km/hと60km/hにおけるラフな路面環境、および時速80km/hと120km/hにおける整備された路面状況のすべてにおいて、Sクラスと7シリーズの静粛性を凌駕。乗り心地という観点でも、CDC付きのエアサスペンションを標準設定し、Sクラスをベンチマークとして、起伏路面や路面が荒れている状況などのさまざまな項目で、Sクラスよりも優れた乗り心地を実現しています。
また、安全性について、高張力鋼の配合割合も80.6%と剛性を高めながら、エアバッグも9つ搭載。緊急回避性能を示すエルクテストも時速81.4km/hを実現しており、これもSクラスなどの競合のガソリン車を圧倒しています。制動距離も時速100kmから32.77mで停止可能です。
そして、S9においてもっとも特筆するべきは自動運転システムでしょう。すでにファーウェイは中国全土において、高精度マップを必要としない、高速や市街地を問わない自動運転システムADS2.0をリリース済みです。そして、最新バージョンであるADS3.0をS9からリリース。9月末までに、発売済みのM5、M7、M9、およびLuxeed S7にもOTAでリリース予定です。
安全性やスムースさを高めることによって、中国市場における自動運転分野のリーダー的ポジションを、さらに確固たるものにしようとしてきています。
発売開始72時間の段階で5000台弱もの確定注文を獲得しながら、さらに最初の週末までに8000台程度の確定注文数にまで増加したとも報告されています。EQSが月間100台程度しか売れないような高級BEVセダンセグメントにおいて、ゲームチェンジャー的な存在となり得るのか。果たして、ドイツ勢がこれまで支配してきていた高級車セグメントで、ファーウェイがどこまで成功を収めることができるのか。
ますます存在感を高めるファーウェイの動向には目が離せません。
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みんなのコメント
BEVもそうですが値段に騙されてはいけません。
日本人の子供が殺害されても、どこの国にもある事とかふざけるなと言いたい。
中国車にを買う人間の気が知れません。
それと日本人も、個人個人が、中国車を買わないようにする心掛けが大切。