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2代目三菱RVRはなぜコンパクトSUVに生まれ変わったのか【10年ひと昔の新車】

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2代目三菱RVRはなぜコンパクトSUVに生まれ変わったのか【10年ひと昔の新車】

2010年2月、三菱RVRが8年のブランクを経て復活した。しかも、トールワゴンというスタイルで人気を博した初代から一転、2代目はコンパクトSUVとして登場している。この時、RVRはどんなクルマになったのか。Motor Magazine誌では登場間もなく試乗テストを行っている。ここではその時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2010年5月号より)

アウトランダーよりもひとまわり小さなサイズ
RVRと聞いて思い出すのは、学生時代にアルバイト先の先輩が乗っていたクルマだ。そのRVRは4WDで、アルバイト先の大阪から長野のスキー場へ4人乗り合いで向かった記憶がある。

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フロントに左右2枚のヒンジドアとリア左側のみにスライドドアを持つ、全高1625mmという背の高いミニバンのようなボディ形状が、当時「クルマといえばセダン」と思っていた自分には珍しく思えた。運転する機会もあったが、けっして大きくないサイズで扱いやすかった。それでいてリアシートへの乗降性が良いことや室内が広かった印象が残っている。

そうしたこともあって、一時ラインナップから外れていたモデルとはいえ、SUVというこれまでとはまったく異なるボディ形状で登場した新型RVRに対して「どうしてこれがRVRなのだろう」という違和感を試乗前は抱いていた。

新型RVRはアウトランダーのシャシをベースにしながら、前後オーバーハングを切り詰めることで全長4295×全幅1770×全高1615mmと、アウトランダーよりもひとまわり小さなサイズとなっている。3ナンバーではあるが、手頃なサイズといえるだろう。

このボディに従来よりフリクションを低減するなどして燃費性能を高めた1.8Lエンジンを搭載、これにCVTを組み合わせる。駆動方式はFFと4WDで、それぞれに装備内容が異なる「E」「M」「G」の3つのグレードが設定される。

フロントマスクは最近の三菱車に共通する「ジェットファイターグリル」が採用されている。フロントフェンダーからリアに伸びるキャラクターラインやリアに向かってルーフが下がっていく空力に配慮したサイドシルエットなど躍動的なエクステリアだ。

インテリアは継ぎ目を減らすことに重点を置いたというインパネや、手の触れる部位全般にソフトパッドを採用するなどして、シンプルなデザインながら上質に仕上げられている。また、最上級グレードの「G」のみではあるがプッシュ式エンジンスタートボタンを三菱車として初採用している(「M」にオプション設定)。

フロントシートはアウトランダーと同じ骨格のものを採用。リアシートは2段階のリクライニング機能を備える60:40分割可倒式だ。後席の居住性は、アウトランダーと同じホイールベース2670mmと快適性を損なうことなく薄型化されたフロントシートバックによって、178cmの男が座っても足下や頭上にも不満のないレベルだ。

ラゲッジルーム容量は419L。ラゲッジフロア下に26Lの防水カーゴボックスが用意されていたり、リアシートの折りたたみ時はラゲッジフロアとの段差のないフルフラットとなるなど、容量だけでなく使い勝手も良さそうだ。

また、専用のエコタイヤや減速エネルギー回生システムなど、燃費向上のための技術が多く採用されている。これによって全車がエコカー減税に対応しているのもポイントだ。

扱いやすいサイズ感と使い勝手の良さが融合
2WDの「G」グレードに試乗する。乗り込んで最初に感じたのは「高すぎないちょどいいアイポイント」だなということ。ボンネットの両端がわかる視界の良さと短いオーバーハングによって取り回しは良好だ。

開発本部の坂本忍主任によると「大型SUVからのダウンサイズを考えるユーザーやコンパクトカーからのステップアップを考えるユーザーを視野に入れたパッケージングです。最小回転半径も駆動方式にかかわらず5.3mと扱いやすいものになっています」という。

エンジンパワーは過不足ないといったところ。平地での加速フィールは悪くないのだが、登り坂でアクセルを強く踏むとエンジン音が高まり、少しもっさりした感じを受けた。そうした時以外は、エンジン音の室内への侵入はわずかで、風切り音も小さくて快適。乗り心地の面でも不快な突き上げなどはなかった。

続いて4WDの「G」に試乗した。新型RVRの4WDシステムはアウトランダーと共通のもの。センターコンソールには電子制御カップリングの作動を切り替えるドライブモードセレクターを備える。その乗り心地は2WDに対して重量が70kg増えたことがプラスに働いて、しっとりしたものとなっており、より好印象だった。

試乗を終えると、新型RVRに対する違和感はなくなっていた。ボディ形状こそ変わっったが、扱いやすいサイズ感と使い勝手の良さが見事に融合されているところは、これこそRVRだと感じさせるものだったからだ。(文:Motor Magazine編集部/写真:永元秀和)

三菱 RVR G 2WD 主要諸元
●全長×全幅×全高:4295×1770×1615mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1360kg
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1798cc
●最高出力:102kW(139ps)/6000rpm 
●最大トルク:172Nm(17.5kgm)/4200rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:218万7150円(2010年当時)

[ アルバム : 三菱 RVR はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

6件
  • そもそもトールワゴン時代のRVRは2世代あったはず。
    よって名称復活したものは3代目にあたるのでは?
  • 2代目RVRは初代のキープコンセプトで、SUVになったのはRVRの3代目ですよ。
    自動車雑誌編集者としてはあまりにも勉強不足です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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