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スバル! ホンダ! マツダ! 時代の流れに逆らって生き残る「メーカー色」全開のエンジン3選

掲載 更新 48
スバル! ホンダ! マツダ! 時代の流れに逆らって生き残る「メーカー色」全開のエンジン3選

 ボクサーサウンドを感じることができる最新モデルも!

 世の趨勢は「電動化」に進んでいる。10年内に純粋なエンジン車は消えてしまうとも言われているし、電動化を強制していない日本市場であってもハイブリッドが増えていることを肌で感じているユーザーは多いことだろう。

なくすには惜しすぎる! 時代の流れで消えるも復活してほしいクルマの技術7選+α

 さて、エンジンというのはそれ自体のビート感はもちろんだが、各メーカーが独特の味つけをした伝統的なフィーリングというのも、ファンにとっては魅力のひとつ。電動化によってそうした感触を味わうこともできなくなると思うと一抹の寂しさを覚えるのではないだろうか。

 そもそも、電動化トレンド以前に、年々きびしくなる環境対応によって独自の魅力を持つエンジンはどんどん消えていった。どれもこれもレスシリンダーであったり、ダウンサイジングターボであったりと同じようなキャラのエンジンばかりになっている印象を持っているかもしれない。

 とはいえ、そうして消えてしまったかと思われていたメーカーらしい味つけのエンジンはじつは消えていなかったりする。いや、時代のニーズを満たしつつ、あまつさえ復活していたりする。

 1)ボクサーサウンド

 その代表として紹介したいのがスバルの不等長サウンドだ。

 スバルといえばボクサー(水平対向)エンジン。そして、1990年代以前は、ドロッドッドドといった排気干渉によるボクサーサウンドがおなじみだった。それはエキゾーストマニホールド(エキマニ)の形状によるもので、具体的には各気筒から集合部までの長さが異なる「不等長エキマニ」によって生み出されるものだとされていた。

 しかし、不等長エキマニは排気効率を考えると不利なため等長タイプに変えられ、独特のボクサーサウンドは過去のものとなっていったという経緯がある。

 ところが、最新のレヴォーグに搭載された「CB18」エンジンのエキマニは左右で長さの異なる不等長エキマニとなっている。これはターボチャージャーまで各シリンダーから最短距離で結ぶことにより排気エネルギーを無駄なく利用しようという狙いによるもの。ボクサーサウンドを復活させようとしたわけではないが、アイドリングなどで耳をすませば、かすかに、かつてのボクサーサウンドを感じることができる(ような気がする)。

 基本的にはボクサーサウンドを消音するような排気系になっているが、スポーツマフラーに交換すると、あの「ドロッドッドッド」というスバルの伝統的サウンドを楽しむことができるのだ。

 軽自動車にも伝統の自然吸気・高回転エンジンが存在!

 2)VTECエンジン

 さて、1990年代といえば、ホンダの自然吸気・高回転エンジンが一世を風靡していた。『VTEC』と名付けられた可変バルブリフト&タイミングシステムが、高回転カムに切り替わると一気にエンジン回転を上昇させる様は、いまも伝説となっている。その究極形といえるのが2シータースポーツカーS2000に搭載されたF20Cエンジンだろう。許容回転は9000rpmという市販四輪車としては異例の高回転まで味わえるユニットに仕上がっていた。

 しかしながら排ガス規制が厳しくなるなかで、ホンダの高回転VTECエンジンはどんどんと消えていく。現行シビック・タイプRにしてもVTECターボエンジンとなり、最高出力の発生回転数は6500rpmとかつてのホンダの感覚でいえばファミリーカーのような低回転エンジンとなっている。もちろん、最高出力320馬力の刺激はとてつもないレベルだが。

 では、ホンダから自然吸気のVTECエンジンは消えてしまったのか?

 じつは軽自動車に生き残っている。N-BOX、N-WGN、N-ONEの各モデルに搭載される自然吸気の「S07B」型エンジンにはVTECヘッドが与えられ、その最高出力発生回転数は7300rpm。たしかに1990~2000年代に市販された一連のタイプRシリーズと比べれば物足りないが、2020年代の基準でいえば十分に高回転が楽しめるVETCエンジンだ。

 惜しむらくは、このVTECエンジンとMTの組み合わせが存在しないこと。S660やN-ONEの6MTはターボエンジンとの組み合わせであるし、軽商用車N-VANの6MT車はVTECレスのエンジンとなっているのだった。

 3)ロータリーエンジン

 メーカーのアイデンティティをエンジンが表現するといえば、忘れるわけにはいかないのが、マツダのRE(ロータリーエンジン)だろう。

 かつてル・マン24時間耐久を制したREは、市販車としてはRX-8を最後に消滅している。もはや、新車のREを味わうことは不可能……と思っていたが、さにあらず。

 先日、電気自動車バージョンが登場したクーペSUVであるMX-30にはREを発電用エンジンとして搭載したレンジエクステンダーEV仕様も計画されていることが発表されている。これまでもRE復活の噂が流れては社会情勢によって立ち消えになったこともあり、実際に発売されるまでは復活! と断言することはできないが、マツダのアイデンティティであるREが公道に帰ってくる日を楽しみに待ちたいというファンも少なくないだろう。

 ところで、REには水素を燃料として動かすというアイディアもあった。熱効率の面から燃料電池に劣る水素REだが、水素純度へのロバスト性や製造コストでは有利な面もある。カーボンニュートラルによって水素社会が進むとすれば、REが求められるようになる可能性もあり、そうなるとREをレンジエクステンダーEVの発電機として使うというメカニズムは時代に合致したパワートレインとして再評価されるかもしれない。

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