F1前半戦が終了した段階で、ベテランジャーナリストのピーター・ナイガード氏が、全10チームそれぞれの良かった点と悪かった点を挙げる形で、ここまでの14戦の戦いを振り返った。今回は、コンストラクターズ選手権で4位に位置するメルセデスの前半戦レビューだ。
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【F1前半戦レビュー:フェラーリの“プラス”と“マイナス”】バスールの優れた統率力。“ダウングレード”で失速
■プラス:見事な復活
メルセデスは最新のアップグレードで見事な復活を果たした。2021年に前例のない8度目のコンストラクターズタイトルを獲得した翌年、悪名高い“ゼロ・サイドポッド”を採用したメルセデスは、その2022年に苦戦。ジェームズ・アリソンがテクニカルディレクターに復帰した2023年にもそれほど大きな進歩は見られなかった。
今年、いくつかのアップグレードを導入したが、最初は有望に見えて、結局メルセデスをトップに戻すほどの力を発揮しなかった。その“偽りの夜明け”を経た後、春から初夏にかけて導入された一連のアップグレードにより、ついにメルセデスは再びトップグループの仲間入りを果たした。
オーストリアでのジョージ・ラッセルの優勝は、マックス・フェルスタッペンとランド・ノリスがクラッシュしたことで手にしたものであり、幾分ラッキーだったと言わざるを得ない。しかしルイス・ハミルトンのシルバーストンでの勝利は、まさに実力によるものだった。W15はレースでは最速のマシンだったのだ。
ハンガリーとベルギーでさらなるアップグレードが施されたことで、メルセデスはついにトップに戻ってきたと言っていいだろう。素晴らしいカムバックだった。
■マイナス:ハミルトンの離脱
ハミルトンが今シーズン終了後にチームを離れることは、メルセデスにとって大きな問題であることは間違いない。彼は依然としてF1のなかでも最高のドライバーのひとりだ。さらに、彼が2025年にフェラーリに移籍すると早い段階で発表したことは、今シーズンに大きな影響を及ぼす可能性がある。
遅かれ早かれ、メルセデスはハミルトンをマシン開発プログラムから外さなければならなくなる。チームの2025年の計画とW16の開発について彼が知ったことは、来年1月1日には、マラネロに持ち込まれるからだ。
それから、2025年にハミルトンのシートを誰に引き継がせるのか、という問題もある。数カ月前にはメルセデスは中団にまで落ちていたため、若きアンドレア・キミ・アントネッリを乗せて育成するというアイデアは理にかなっているように思えた。しかし再びトップチームになったいま、メルセデスでのF1デビューは、ルーキーへのプレッシャーが大きすぎるかもしれない。メルセデスはジョージ・ラッセルのチームメイト選びに悩むことになり、それがコース上での戦いへの集中を幾分奪う可能性がある。
■データ(2024年シーズン第14戦終了時)
コンストラクターズ選手権の順位:4位
チームメイト勝敗(予選):ハミルトン対ラッセル 4:10
チームメイト勝敗(スプリント予選):ハミルトン対ラッセル 1:2
チームメイト勝敗(ポイント):ハミルトン対ラッセル 150:116
2025年の予定ラインアップ:ジョージ ラッセル、未定
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