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1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り

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1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テックへ試乗 アルピーヌに相応しい走り

1.2LターボのプラグインHVで300ps

AUTOCARでは、既にルノー最新のフラッグシップSUV、ラファールへ試乗している。それは、1.2L 3気筒ターボに電気モーターが組まれたハイブリッドで、燃費に優れ、装備が充実していた。

【画像】1.2L 3気筒+モーター3基で300ps ルノー・ラファール E-テック 競合サイズのSUVはコレ! 全152枚

他方、パワートレインは洗練度が若干足りず、やや力不足な印象で、乗り心地も落ち着きが足りなかった。スタイリングは印象的でインテリアには高級感が漂うものの、お高めの価格を完全に納得させる実力、とまでは表現できなかった。

今回試乗したラファールは、同じ1.2Lターボを積むプラグイン・ハイブリッド。アルピーヌが調整したというシャシーを備え、最高出力はシステム総合で5割増し。燃費は更に伸ばされ、フラッグシップとして相応しい内容に思える。

ラファールのプラグイン・ハイブリッドは、通常のシステムより複雑。トランスミッション内やリアアクスル側へ、1・2基が載るだけではない。

電気モーターの1基目は、リアアクスルを担当。最高出力は68psが主張される。2基目のモーターは、フロントのエンジン側に組まれるスターター・ジェネレーター(ISG)。これは、34psを発揮する。

さらに3基目は、ハイブリッド版と同じくトランスミッション内で、100psと1番強力。3気筒エンジンも組み合わせた、システム総合での最高出力は300psに達する。0-100km/h加速は6.4秒でこなす。

アルピーヌのロゴに相応しい加速を披露

果たして、通常のハイブリッド版ラファールと比較して、動力性能の向上は顕著。各部に散りばめられた、アルピーヌのロゴに相応しい加速を披露する。

むち打ちしそうなほど鋭いわけではないが、信号ダッシュは爽快。従来のラファールでは躊躇しそうな追い越しも、余裕でこなせるだろう。

コンフォート・モード時は、基本的に電気モーターだけで走行。市街地などの低速域では、滑らかで快適な移動に浸っていられる。さほどパワフルではない、バッテリーEVと同様に走る。

スポーツ・モードへ切り替えると、内燃エンジンも仕事を始め、300psを召喚できる。筆者は、この状態が最も魅力的だと感じた。

ただし、やはりこのボディサイズに1.2Lエンジンは小さい様子。気張ると荒っぽいサウンドが耳へ届き始め、スポーティさを霞ませてしまう。

それでも、通常のハイブリッド版よりドライブトレインは洗練されている。エンジンとモーターの協調性は高く、主役交代もシームレス。トランスミッションの仕事っぷりも、ルノーの従来のシステムより遥かに優れている。

変速や加速でもたつく場面は、稀にある。ヘアピンカーブから鋭い脱出加速を求めると、0.5秒ほど反応が遅れていた。普段使いで、ヤキモキすることはないはずだが。

穏やかに運転すれば22.0km/Lを狙える燃費

燃費は、カタログ上のWLTP値で200.0km/Lと驚異的。容量22kWhの駆動用バッテリーが満充電の状態で、そこまで遠くを目指さなければ、実際に得られる効率ではある。

今回の試乗は、満充電でスタート。積極的に100kmほどを走らせて、平均19.5km/Lを得ていた。穏やかに運転すれば、22.0km/L程度は得られると予想できる。

ちなみに、出発時点で表示されていた、駆動用バッテリーでの航続距離は101km。コンフォートとスポーツ・モードを切り替えつつ、ワインディングを約95km飛ばした後でも、まだ16km走れると表示されていた。

電費は、平均で5.1km/kWh。過ごしやすい気温で好条件といえたが、これもかなり褒められる数字だと思う。車重は、ハイブリッド版の1714kgから、1934kgへ増えているのだから。

褒められる乗り心地 ボディの中心を軸に旋回

プラグイン・ハイブリッドのラファールには、アダプティブダンパーと、路面状態をスキャンして予め入力へ備えるアクティブ・システムが実装されている。その結果、車重は増えていても、乗り心地はだいぶ良い。

ハイブリッド版では、荒れた路面で落ち着かない場面があった一方、しっとりした動きでフラットさが保たれる。アスファルトの凹凸でアルミホイールが大きく上下動しても、シートベースやステアリングコラムへ伝わる揺れは、最小限に抑えられている。

さらに、操舵の精度と一体感を高めるため、アルピーヌは後輪操舵システムに改良を施している。ステアリングホイールは適度な重さがあり、キツめのカーブへ侵入していくと、ボディの中心を軸に旋回していく感覚を楽しめる。

トルクベクタリング機能も実装。ブレーキングポイントを遅らせたり、早めに加速へ移していくことも可能としている。ファミリーSUVとして、そんな積極的な走りは優先事項ではないだろう。しかし秘めた実力を知って、喜ぶコダワリ派はいるに違いない。

◯:長距離移動での快適性と燃費 個性のあるスタイリング パワフルでダイナミックなプラグインHVパワートレイン
△:通常のハイブリッド版とのさが大きい洗練性 価格の割に、3気筒エンジンの質感が荒い

ルノー・ラファール E-テック 4x4 エスプリ・アルピーヌ(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万9695ポンド(約969万円)
全長:4710mm
全幅:1866mm
全高:1613mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:6.4秒
燃費:200.0km/L
CO2排出量:12g/km
車両重量:1934kg
パワートレイン:直列3気筒1197cc ターボチャージャー+ツイン電気モーター+ISG
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:22kWh
最高出力:300ps(システム総合)
最大トルク:23.4kg-m(エンジン)
ギアボックス:5速オートマティック(エンジン)/2速オートマティック(フロントモーター)/1速リダクション(リアモーター)(四輪駆動)

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