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コロナ禍で注目度アップ クルマのオンライン販売は今後の主流となるのか?

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コロナ禍で注目度アップ クルマのオンライン販売は今後の主流となるのか?

 最近はコロナ禍の影響もあり、会議から飲み会などの遊びまで、インターネットを使ったリモートが普及している。

 そしてクルマの分野でもインターネットで車種やグレードを調べたり、見積りを入手することが可能だ。インターネットで購入の手続きまで行えるサービスも見られるようになり、BMWは2020年7月30日に、オンラインストアをウェブサイト上にオープンした。

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 ほかのメーカーやブランドを含めて、商談をインターネットで行えるシステムは多い。

 コロナ禍を端にクルマの販売が変わっていくのか?

文:渡辺陽一郎/写真:BMW、TOYOTA、NISSAN、HONDA、MAZDA、MITSUBISHI、MERCEDES-BENZ、TESLA、奥隅圭之

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BMWのオンラインでできるのはクルマ購入の入り口まで

BMWはオンラインストアを開設し、日本で販売している全モデルを対象に展開開始。オンラインストア限定モデルも今後発売すると公言

 BMWの方法は、まずBMWオンラインストアのホームページにアクセスする。車種やグレードを選んだら、次はユーザー登録を行う。近くの販売店を選択して見積書を頼み、商談を行ってオンラインで決済するプロセスだ。

 ただし車両の売買契約や納車は、ユーザーの選んだ担当販売店における契約になり、オンラインストアですべてを済ませることはできない。オンラインで行えるのは、商談を行って申込金(予約金)を支払うまでだ。

 このあたりをBMWカスタマーインストラクションセンターに尋ねると以下のように説明した。

BMWオンラインストアの画面写真。日本で販売する全車が対象で、特別金利なども明記されていてわかりやすい

BMWオンラインストア

「オンラインストアのホームページで車種やグレードを選び、ユーザー登録を行い、見積りを入手するなどして15万円の申込金を支払う。そこまでオンライン上で行うと、担当販売店のセールスマンからメールや電話で連絡させていただく。連絡を取った後は、通常の購入と同じく、値引きなどを含めた商談を行って納車の日程などを決めていく」という。

 つまり購入プロセスの入口までをインターネットで行うサービスだ。

日本と違い北米はオンライン販売が確立されていて、コロナ禍においてトヨタの北米での新車販売の40%を占めるほどになっているという

 BMWカスタマーインストラクションセンターは以下のように続けた。

「最終的な契約、車両価格の振り込みまでをネットで行うと、危険も生じる。高額の振り込み、車両の引き渡しなどに関しては、お客様と面接して詳細を決める。それでも今はコロナ禍とあって、他人となるべく面接したくないお客様も多い。そこで電話、メール、チャットなどを利用して、可能な限り自宅で手続きを進められるよう配慮した。オンラインストアは、そのためのツールに位置付けられる」

ユーザーとの接点を増やすにはインターネットは好都合

 BMWの販売店は、オンラインストアをどのように受け止めているか。この点も尋ねた。

「オンラインストアは、BMWジャパンが実施しているサービスで、販売店とは直接関係ない。指定されたお客様に連絡を取って商談を進める。販売店側から見ると、お客様の紹介システムだ。しかし今のところオンラインストアで購入された話は聞いていない」

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 日本車メーカーの調査によると、顧客がクルマを購入するまでに販売店に出向いた回数は、平均2.6回であった。訪問したメーカーの数は平均1.5社というデータもある。

 以前のクルマ購入では、販売店に出かけてカタログを集めたり試乗を行い、その後に商談を行って購入するパターンが多かった。

 それが今は予め車種やグレードを決めた上で、最終的に販売店に出かけて確認の試乗を行い、契約するユーザーが増えた。

1999年にマツダはデミオに1.5Web-tuned@DEMIOを200台限定で販売。インターネットが今ほど主流になっていない時代に画期的な販売だった

 この背景にあるのがインターネットの普及だ。メーカーや販売会社のホームページ、ユーザーが個人的に発信するSNSなどの情報をベースに、購入する車種やグレードを絞り込む。購入の意思を固めてから行動するため、販売店の訪問回数も減った。

 そうなるとメーカーや輸入業者は、インターネットの利用を中心に、ユーザーとの接点を豊富に用意せねばならない。

 特に若年層の場合、インターネットで商品を購入する機会が多い。先のコメントにもあったとおり、クルマは高額商品でサイズも大きく、登録(軽自動車は届け出)制度があってリコールも実施される。

 カードで決済して、クルマが自宅に配達される買い方はできない。

オンラインは主役にはならなくても必要不可欠な存在

 つまりオンライン販売が主流になることはないが、少なくとも入口だけはインターネット上にも設けておく必要がある。

 購入作業の最初がインターネット検索になるユーザーも多く、この段階で作業をある程度進められないと、購入候補に入れてもらえないからだ。

三菱i-MiEVとミニキャブMiEVは『ジャパネットたかた』のテレビショッピングに登場。ただし、希望者はディーラーからの連絡を待って商談

 また現時点で利用者が少なくても、今後は増えるかも知れない。その時に慌てても遅いため、今からオンラインストアを用意している。

 前述のとおりコロナ禍で他人との接触を避けたいユーザーから注目される可能性もある。こういった潜在的なニーズも考慮して、オンラインストアを設けた。

メルセデスベンツは全額決済もできる

 欧州車では、メルセデスベンツも2017年にオンラインストアを立ち上げた。メルセデスベンツの場合は、クレジットカードを使ってオンラインによる全額決済、契約締結も行える。

 それでも高価格車だから、クレジットカードの利用限度額を予め大幅に増やしておく必要があるだろう。

メルセデスベンツは完全にネット決済できるオンラインストアを展開中。最新のGLBも対象となっているが、対象車種は全16モデルと少ない(2020年8月時点)

 メルセデスベンツのオンラインは面接しないことにこだわるため、車庫証明(自動車保管場所証明)の申請手続きも自分で行う。

 それまで使ってきた車両は、オンライン契約では購入商談と絡めてメルセデスベンツの販売会社に下取りさせることができない。自分で別途売却する。

 メルセデスベンツのオンラインストアは、販売会社にとって高効率だが、ユーザーとしては法定外諸費用を節約できる代わりに手間を要する。

 仮に車庫証明を取得するために所轄警察署に出向けば、時間を取られて、なおかつ感染リスクが高まる心配まで生じるかも知れない。

テスラはクルマ界の常識をいろいろ覆しているが、オンラインで全モデルが購入できる。別料金を払えば、自宅にも届けてくれる

オンライン販売でも試乗は不可欠

 こういった点も考慮すると、必要に応じてインターネットを使うのが合理的だろう。インターネットなら深夜でも利用できるから、車種やグレードなどの仕様を決めて送信して、後日担当セールスマンに連絡してもらう。

 この方法なら自分の希望はインターネット経由で販売店に伝わっているから、商談もスムーズに進む。

2018年にトヨタは『TOYOTA楽天市場店』を開設し、そこでカローラスポーツの取り扱いを始めたが、結局はカタログ請求のみだった

 その後は実際に面接して迅速に契約する。多額の決済が伴うので、すべてをオンラインで行うと心配が生じるが、面接すれば安心だ。疑問が生じた時も、その場で尋ねられる。メールなどを使うと、むしろ面倒なことも増える。

 そして間違いのない買い物をするには、購入前の試乗は不可欠だ。クルマの場合は買った後にトラブルが発生して、保証による修理を行う場合もあるから、セールスマンの実務能力も見極めておきたい。

 つまり購入後の安心感を高めるには、最終的に販売店を訪れて購入の判断を行う。クルマも販売店も、ユーザーが直接チェックして、納得してから決めることが大切だ。

オンラインストアの重要性がこの先はクローズアップされるのは間違いないが、クルマを購入する時には試乗することが大切なのは変わりない

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みんなのコメント

1件
  • 安くても100万は払うのだから、アクリル板越しでも直接交渉で買いたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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