世界挑戦へまずは第一歩「国内Aライ」を目指す
ラリー競技の最高峰シリーズ、WRCは条件さえ満たせば誰でも出場可能。そのファーストステップがJAF発給の国内B級ライセンスで、講習会やオートテストに参加すれば“国内B”を取得できることは前回紹介したとおりだ。国内Bを取得した後のターゲットは国内A級ライセンスの取得で、こちらも講習会を受講し、筆記試験および走行実技の試験に合格すれば“国内A”を取得可能である。
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とはいえ、国内Aを取得するためには、講習会の受講前の24ヶ月以内に「ラリー、ジムカーナ、ダートトライアル、サーキットトライアル等に1回以上出場し、完走すること」あるいは「公認サーキット毎に定められたスポーツ走行の経験が25分以上あり、公認サーキットからその証明を受けられること」という条件を満たす必要がある。WRCを目指すという前提であれば、やはり、ラリー競技で経験を積んだほうがベターだと言えるだろう。
身近な競技へ 参戦クラス車両の把握
国内Bを取得していれば、いきなり国内最高峰の「全日本ラリー選手権」に参戦可能だが、そのハードルは高く、競技車両などの準備はもちろんのこと、ドライビングにも高いスキルが求められることから、まずはラリークラブが主催する練習会やクローズドの競技会、あるいはトヨタが企画する「トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジ」などのビギナー向けの競技を経て、各地域で行われている地方選手権などのJAF公認競技に参戦したいところだ。 では、ラリー競技に参戦する場合、何が必要になってくるのか? まず、真っ先に上げられるのが競技車両にほかならない。初心者のうちは、ラリークラブの所有車をレンタルすることも可能だが、長く競技をやっていきたいのであれば、やはり、自分の専用車両を用意したいところ。
2WDや4WD、年式、車両の状態でも変わってくるが、中古車両は50万円前後から入手可能だ。もちろん、自分でベース車両を用意し、ラリークラブが運営するガレージで規定に沿った競技車両を製作することも可能だ。 ちなみに、全日本ラリー選手権の参戦を視野に入れているなら、JAFラリー車両規定をあらかじめ考慮して、生産終了から10年以内の車両が認められているなどもあるので、どのクラスの参戦車両にするか決めていくといいだろう。
JAF登録車両である車両のなかからセレクトし競技車両としての規定にあった改良を施せる「RJ車両」か、もしくはJAF登録車両で諸元変更が行なわれていない「RPN車両」、あるいはハイブリッド車両をベースに選択するならば「AE車両」、いずれかを選択して製作してゆくほうがベターだろう。
改造範囲の少ないRPN車両でも、ロールゲージやサスペンション、シートなど競技用のパーツが必要となることから約200万円の製作費用が必要だと言われている。
様々な改造が認められた4WDのRJ車両になると300万円以上の製作費用が必要となる。だが競技車としてのリセールバリューが高いうえ、ベース車両にプラス200万円~300万円で国内最高峰シリーズの競技マシンが用意できるということでもある。このことから他の競技カテゴリーとの予算を考えてみるとラリーという競技参戦は予算的にもリーズナブルではないだろうか?
競技用アイテムの調達
以上がハード面の予算だが、これに加えてヘルメットやレーシングスーツ、シューズやグローブなどのソフトアイテムも必要となってくる。こちらもWRCなどの国際ラリーを前提に考えると、あらかじめFIA公認モデルを選んでおいたほうがベターだろう。
金額的には、ヘルメットはインカムを含めると10万円前後で、レーシングスーツが5万円前後、シューズやグローブを含めるとウエア類だけで約20万円が必要となる。
つまり、ラリー競技にチャレンジするためには、それなりの初期投資が必要になるが、逆に言えば初期の投資を行えば長期間に渡って競技を楽しむことも不可能ではない。
もちろん、競技に参戦するためには、エントリーフィーやタイヤ代などランニングコストも必要で、そのコストも地方選手権と全日本選手権では大きく異なってくるが、その辺りの詳細は次の機会に解説したい。
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