来年春に終了 EU以外では販売継続の意向
ドイツの自動車メーカーであるポルシェは、2024年春に欧州におけるマカンの販売を終了する。サイバーセキュリティに関する新規制に適合しないことが理由とされている。
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マカンは2014年から販売されている人気SUVで、新規制の詳細が決まる前に開発されたモデルとなる。来年7月1日の規制導入を前に、4月にEU(欧州連合)内での販売を終了する予定だ。
ポルシェは本誌の取材に対し、次のようにコメントしている。
「EUでは、マカンは無期限には販売されません。その主な理由はEUのGSR(一般安全規制)であり、これに適合するプラットフォームには転換されないためです。要件を満たさないモデルは、2024年7月1日以降、EUでの新車登録ができなくなります」
「その結果、内燃エンジンを搭載したマカンの販売は、EU域内では春に打ち切られる見込みです。これにより、期限内に確実にお客様へ納車・登録することができます」
「EU以外の地域では、より長く販売されることになります」
また、EUを離脱した英国については、「2024年まで販売される予定」だという。
ポルシェは現在、新規制に準拠した新型のマカンEV(車名未定)を開発しており、欧州では従来の内燃エンジンに代わって導入することになる。
販売終了の主要因となったサイバーセキュリティ規制とは、「UNECE WP.29」と呼ばれるもので、EU内のすべての新車はサイバーセキュリティ証明書を取得し、ハッキング防止のための電子機器を搭載することが義務付けられている。
2024年7月以降、欧州で販売されるすべての新車は、開発、生産、出荷後のサイバー攻撃を含む70のセキュリティリスクから保護されていることを証明しなければならない。この規制に従わない場合、メーカーは1台あたり最高3万ユーロ(約465万円)の罰金を科される。
マカンはポルシェの欧州販売において非常に重要なモデルである。調査会社ジャトー・ダイナミクスによると、2023年は現在までに2万117台(欧州)が販売されており、ライバルのレンジローバー・ヴェラールの8205台、アルファ・ロメオ・ステルヴィオの1万76台と比べても圧倒的な人気を誇る。
今回のサイバーセキュリティ規制はEU域外の販売には影響がないため、マカンの生産は引き続き2025年末までドイツのライプチヒ工場で行われる予定である。
オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ誌の報道によると、フォルクスワーゲンが来年e-Up!を販売停止にする理由も、UNECE WP.29規制であるという。10年以上前に開発された小型車に、新しいアーキテクチャーを組み込むのはコスト負担が大きすぎる。
現段階では、マカンと共に開発され、同じくMLBプラットフォームを採用しているアウディQ5が、同規制の影響を受けるかどうかは不明である。アウディによると、UNECE規制に基づき、サイバーセキュリティ管理システムとソフトウェアアップデート管理システムを自社モデル用に構築したという。
新規制の導入を前に、他のモデルの動向についてはまだ確認できていない。
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