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ノリス、“MP4”風マクラーレンで独走優勝! フェルスタッペン成す術なく2位。角田裕毅12位|F1シンガポールGP決勝

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ノリス、“MP4”風マクラーレンで独走優勝! フェルスタッペン成す術なく2位。角田裕毅12位|F1シンガポールGP決勝

 マリーナベイ市街地サーキットで開催されたF1第18戦シンガポールGP。9月22日(日)に行なわれた決勝レースでは、マクラーレンのランド・ノリスが勝利を手にした。RBの角田裕毅は12位だった。

 現地は20時00分。シンガポールに夜の帳が下り、F1ナイトレースの魁であるマリーナベイ市街地サーキットが無数のLEDライトに照らされ、闇夜に浮かび上がった。

【リザルト】F1 2024 シンガポールGP決勝

 赤道直下のシンガポールは今年も蒸し暑いコンディション。太陽が沈んだ状態でも気温31度、路面温度37度、湿度76%と、マシンやドライバーにとっては例年通り体力的に厳しいレースとなった。

 今回のシンガポールGPではマクラーレンとメルセデス、RBが特別カラーリングをマシンに施した。特にマクラーレンは往年のMP4時代の伝説的なカラーリングをオマージュしたリバリーを採用した。

 伝統引き継ぐマクラーレンのノリスは予選でポールポジションを獲得。決勝ではフロントロウに並んだレッドブルのマックス・フェルスタッペンとともに、新品ミディアムをスタートタイヤとして選択。メルセデスのルイス・ハミルトンは3番手からユーズドのソフトで序盤の追い抜きを狙った。後方ではハードを選ぶドライバーも少なくなかった。

 62周で争われる決勝レースの幕が上がると、ノリスが課題となっていたスタートを決めて首位をキープ。フェルスタッペンはハミルトンの追撃を凌いで2番手を守った。

 その後ろにはメルセデスのジョージ・ラッセル、マクラーレンのオスカー・ピアストリと続いた。8番手スタートの角田は1周目にフェラーリのシャルル・ルクレールやウイリアムズのフランコ・コラピント、レッドブルのセルジオ・ペレスに交わされて11番手に後退した。

 レース序盤、ハイペースで飛ばすノリスとフェルスタッペンのトップ2台に対して、3番手ハミルトンはソフトで迫るどころか引き離される格好に。後方で詰まるコンパウンド違いのラッセルはチームにポジション入れ替えを提案したが、チームはそのままの順位をキープすることを指示した。

 ノリスは8周目を過ぎると1分37秒台から1分36秒台にペースアップ。フェルスタッペンとの差を毎周1秒以上開いていき、盤石な展開へと持ち込んだ。

 10周目終わりに、後方からのソフトスタートとなっていたRBのダニエル・リカルドがピットイン。ミディアムスタートだったウイリアムズのアレクサンダー・アルボンも12周終わりでハードに変えた。

 11番手で周回していた角田は、前を行くコラピントとペレスの2台から徐々に離され、後ろからフェラーリのカルロス・サインツJr.にプレッシャーをかけられ続けられた。

 ただサインツJr.としては抜きどころがなく、角田の後ろでこれ以上タイムロスするのを回避するため13周目終わりにピットイン。アンダーカット戦略が強力な選択肢のようだったが、RBは直近のライバルではないサインツJr.に反応せず、角田はステイアウトを選択した。

 角田としては、この時点で早めにピットへ入っていたアルボンが脅威だったものの、そのアルボンはパワーユニット/冷却問題によりリタイアを喫した。

 上位勢では17周目終わりにハミルトンからピットイン。フレッシュなハードタイヤで中団グループをかき分けてポジションを回復していったが、20周を過ぎると「既にタイヤで苦労し始めている」と吐露した。以前ピットストップを行なっていない角田を抜きあぐねるシーンもあった。

 26秒という驚異的なリードを築いていた首位ノリスだったが、レース折り返しを前にコーナーでオーバーシュートし、フロントウイングにダメージを負ったと報告。その間にフェルスタッペンがピットストップを済ませ、30周目終わりにはそのノリスもピットへ戻った。ただウイングの損傷は軽微だったようで、マクラーレンはフロントウイングを交換することなくノリスにハードを履かせてコースへ首位のまま送り出した。

 角田は34周目にピットに戻ると、3周使ったユーズドのソフトタイヤを第2スティントで選択。ハードがRBのマシンに適していないのか、もしくは第1スティントで同じコンパウンドを履いたリカルドから良いデータが取れていたのかもしれない。

 第1スティントを引っ張っていたピアストリが38周目終わりにピットへ戻ったことで、全車がタイヤ交換義務を消化。この時点で首位ノリスから2番手フェルスタッペンまでは23秒差と、ノリスは依然として大きなリードを保っていた。

 フレッシュなハードを履くピアストリは、40周目にハミルトンを1発で仕留めて4番手に浮上。トップ2から遅れる3番手ラッセルをファステストペースで追いかけて44周目には射程圏内に捉えると、翌周のターン7でオーバーテイクを完了し3番手表彰台圏内に上がった。

 ピアストリ同様にピットストップを遅らせたルクレールもラッセルに接近。タイヤが9周若いことを活かし、レース終盤にはDRS圏内までギャップを詰めるも抜ききれない周回が続いた。

 先頭に目線を戻すと、ノリスはペースをコントロールしながら余裕のトップチェッカー。2位に入ったフェルスタッペンに対して20秒差、8位以下をラップダウンとキャリア3勝目を堂々たる自身初のポールトゥウィンで掴み取った。

 ドライバーズチャンピオンシップでは、首位フェルスタッペンと2番手ノリスの差は52点。フェルスタッペンはノリスを前に敗れ去ったものの、ここシンガポールGPがレッドブルにとって鬼門のひとつだったことを考えると、ダメージを最小限に抑えることができたと言える。なお18位フィニッシュとなったリカルドがファステストラップをマークし、ノリスから1ポイント獲得のチャンスを奪取したことも、フェルスタッペンにとっては後押しとなった。

 一方、3位にピアストリが入ったことでマクラーレンはコンストラクターズチャンピオンシップのリードを41点に広げた。

 ラッセルはルクレールから4位を死守。6位ハミルトン以下、サインツJr.、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ、ハースのニコ・ヒュルケンベルグ、レッドブルのセルジオ・ペレスというトップ10だった。

 角田は12位。第2スティントでソフトを履くというアグレッシブな戦略を取ったが、路面の改善や燃料が軽くなってきたことも味方しハイペースで周回。レース最終盤に入賞争いを繰り広げる集団に接近したが、オーバーテイクを仕掛けるには至らなかった。

 ここからF1は4週間の秋休みを挟んでアメリカ大陸3連戦を迎える。

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