中国メーカーのBEV路線バスの出来は想像以上のものだった!
2019年11月18日に都内で「バステクフォーラム2019」が開催された。バスに関する専門誌「バスラマ」を出版するぽると出版が主催で、最新のバス車両やバス関連機器が披露されるイベントだ。
今回のバステクフォーラムで、もっとも注目すべきともいえるのが、中国のBEV(純電気自動車/バッテリー・エレクトリック・ビークル)路線バスとなる、「アルファバス ECITY L10」だ。
アルファバスは「江蘇常隆客車」が製造しているBEV路線バス。この日本市場向けの車両が今回のバステクフォーラムで初披露されたのだ。バス事業者や関連業界関係者が来場者の多数を占めるイベントだけに、会場内コースで複数回行われた体験試乗では、朝夕の通勤ラッシュ時の路線バスのような満員状態になっていることもあった。
ある業界関係者は、「アルファバスが出品されるのは知っていたが、実際日本国内で営業運行されている路線バスに装備されている運賃箱や降車ボタン、ICカードタッチ機や整理券発券機がすでに装備されており、いますぐにでも納車できるような状況となっていたのには驚かされるとともに、かなりの本気度を感じてしまった」とのことだった。
※写真はイメージ
アルファバス関係者に聞いたところ、具体的な販促活動は行っておらず、すでに決まっている納入先もないとのことであったが、前出の関係者は「持ち込んだ車両でこの完成度なのだから、すでに納入先が決まっていてもおかしくない」と話していた。
会場には中国本国から多数の中国人スタッフが詰めかけていた。日本への導入にあたり、日本への法規対応など、日本仕様の開発に関しては宮城県にある車体製造などを手掛ける、「ヴィ・クルー」が行っている。中国製のバスなどと聞くと、大丈夫なの? という声も聞こえてきそうだが、搭載する三元リチウム電池は日産リーフのものが搭載されており、アクスルはZF製、webco製電気制御ECASなども採用されており、さらに出品車のタイヤはブリヂストン製となっていた。日本よりも、というより世界でも最先端で自動車のBEV化が進んでいる中国での営業実績もあるので、性能面での漠然とした不安を抱く必要はないようだ。
中国のBEV路線バスが日本を走りまわる未来も想像できる
すでに日本市場では、BYD汽車がBEV路線バスを販売しており、営業運行している地域も結構存在する。中国のバスメーカーが日本市場へ積極的なアプローチをするなか、迎え撃つ日系メーカーはBEV路線バスには及び腰というか、興味すら示していない様子が伺える。なかには、「バス事業者がEVバスを敬遠しているので」などという声も聞こえてくる。
一部報道ではアルファバスの販売価格は4000万円を切る価格となっている。いすゞの路線バス「エルガ」のハイブリッド仕様は約3200万円であり、驚くほどの価格差ではないところがまた、本気度を感じてしまう。
ある関係者があくまで私見での深読みとしながら、「2020年春に中国の習近平国家主席が日本を訪れる予定となっている。そこを加味すると、今回のアルファバスの初披露のタイミングが意味深なものに見えてくる。習近平国家主席が訪日の際に、EVバスを売り込むようなことを日本政府にアプローチしてくるなんてことも、まったくの非現実的な話とも言い切れない」と話した。
以前、中国企業が海外に本格的に進出する時には、政府のお伺いをたてたり、政府からの指示があったりするという話を聞いたことがある。世界でも特異な政治体制下の中国だけに、あってもおかしくない話。これがあるレベルまで正しい話なら、政府の後ろ盾を受けての海外進出となるのだから、市場開拓資金のバックアップも当然得られるものと考えられる。
「政府系ファンドなどからの手厚い融資を受け、BEV路線バスの販売に際し、充電施設などのインフラについての無料整備などもやりかねない」とは前出の関係者。
深読みは別としても、日系バスメーカーがBEV路線バスの開発に消極的に見え、しかもいますぐ市販化という環境でもないように見えるなか、BYDとアルファバスでの日本国内においての「中国BEV路線バス販売合戦」が激しくなる可能性は高い。日系メーカーがまごまごしている間に、日本の多くの地域で中国ブランドのBEV路線バスが走りまわる姿が当たり前となる日もそう遠くはないかもしれない。
かつてトヨタ・プリウスがいち早く量産ハイブリッドカーとして登場し、いまでもトヨタがハイブリッドカーでのリーディングブランドとなっているのは、他メーカーに先んじて市販化を積極化し、実用実績を積んだことも大きい。おもに中国国内となるが、すでに運行実績を積んでいる中国メーカーのBEV路線バスもそれが強みになっているといえよう。いまの日系メーカーが対抗していけるかというと、疑問が残ってしまうのが現状といっても過言ではない。
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