モビスター・ヤマハ・MotoGPの両雄がMotoGP第15戦タイGPで、ともに躍進を見せた。決勝レースではマーべリック・ビニャーレスが3位表彰台、バレンティーノ・ロッシが4位入賞。ヤマハファクトリーの巻き返しが始まったのか。
MotoGP初開催となったチャーン・インターナショナル・サーキットで行われたタイGP。今季、苦戦を強いられているモビスター・ヤマハ・MotoGPが予選から上位につけた。
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予選でロッシは2番手でフロントロウに並び、ビニャーレスも最前列は逃したものの4番手。ロッシにとってはチェコGP以来5戦ぶりのフロントロウ獲得となった。
「昨日からバイクのフィーリングがいいんだ。今日はいくつかの修正を行い、それが正しい方向に進んだ。とても満足だよ。バイクが大きく改善したからね。このサーキットでは、僕たちはタイヤをうまく使えているようだ。だから、限界まで攻めることができている」予選後、ロッシはそう語っている。
決勝レースでもロッシとビニャーレスは好調さを発揮した。フロントロウからスタートしたロッシは、5周目にはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)からトップを奪うとレース序盤をリードした。ロッシが数周にわたりトップを走行したのもチェコGP以来5戦ぶりのことだ。
11周目には2番手に浮上してきたアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)にトップの座を明け渡したものの、その後もロッシはトップ集団から大きく後れを取ることはなかった。
ロッシに代わって3番手に浮上したのが、チームメイトであるビニャーレスだった。ビニャーレスはレース中盤まで5番手を走行していたが、18周目には4番手、20周目にはロッシを交わして3番手に浮上。チームとしても自身としても、ドイツGP以来6戦ぶりの3位表彰台を獲得した。
マルケスとドヴィツィオーゾが激しい優勝争いを展開したこともあるだろうが、チェッカーを受けたとき、ビニャーレスと優勝したマルケスとの差はわずか0.27秒だった。
ヤマハファクトリーのふたりが上位で躍動したタイGP。ロッシはこの週末について「今週末は大きく前進した」と語っている。
「表彰台を争うには充分な戦闘力ではなかったけどね。でも、ここ3、4戦に比べたらいいレースができた。すべてのセッションで常に上位にいることができたし、(予選では)フロントロウも獲得できた。ただ、まだ充分じゃない。ライバルはさらに速い。僕たちはこのサーキットがこの結果をもたらしてくれたのか、僕たちが本当に改善できたのかどうかを理解する必要がある」
一方、3位表彰台を獲得したビニャーレスにとって、その結果は期待以上だったようだ。
「思ったよりもいいレースができたよ。カル(・クラッチロー)、バレンティーノと競り合うことができたし、その後もいい走りができた。バイクもよく走ったし、満足だよ。優勝したマルケスと接近して終わることができたし、表彰台を獲得できた。難しいコンディションで、僕たちは苦しんできたからね。今週僕たちが行ってきた改善はいい方向に進んだということだ」
「(タイGPでは)フロントの、特にブレーキングで自信を持つことができた。日本でも同じなら、それは僕たちが問題を改善することができたということだ」
果たしてタイGPでの結果は反撃ののろしの片りんとなるのか。ふたりのコメントが表すように、次戦日本GPでそれが明らかになるだろう。
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