2019年10月23日に開幕する東京モーターショー(会場:東京ビッグサイトなど)。その目玉車種のひとつとして発表された新型高級ミニバン「グランエース」の詳細が判明した。
この新型グランエースについて、トヨタは公式には「年内発売」とだけ発表していたが、全国のトヨタディーラーにはすでに(簡単なものではあるが)営業用資料が配布されており、発表発売日を含めて見込み客に案内を開始している。
本稿では、流通ジャーナリストの遠藤徹氏が実際にトヨタディーラーを回ってえた生情報をお届けします。
文:遠藤徹 写真:奥隅圭之、トヨタ
【画像ギャラリー】大ヒット確実!! 新型グランエース詳細写真と現行ハイエース
■10月末から予約受付、正式発表は11月25日!!
トヨタはこの10月、最上級ミニバン「新型グランエース」を年内発売すると発表した。
首都圏のトヨタ販売店筋によると、
「正式発表は11月25日、発売は12月16日となっている。主な用途としてホテル、旅館などの送迎用を考慮して開発したが、アルファード/ヴェルファイアの上級車種として、一般のユーザー向けに販売することも目指している」(首都圏トヨペット店)
という。
2019年10月8日にトヨタから(「東京モーターショー出品車」として)先行公開された新型グランエース。両側スライドドアで3列シートと4列シートの2タイプが今年中に発表発売される
10月末頃から予約受注を開始、生産開始は2020年の年明けから、納車は2~3月あたりから始まる見通し。トヨタブランドモデル内での位置づけは、ハイエース&アルファード/ヴェルファイア3モデルの最上級を占める。
FR駆動であるからその点はハイエースと同じで、FF、4WDのアルファード/ヴェルファイアと異なるが、ユーザー層は重なる面もあるので、こちらは12月の一部改良や2020年5月の最終マイナーチェンジでグレード構成などの調整が行われる。
これ以上ないほどスクエアなボディ。ミニバンというよりマイクロバスに近いようなフォルムだが、もちろん乗用車登録となる
■12月にアルファードも一部改良へ
まずアルファード/ヴェルファイアは12月18日の一部改良でエグゼクティブの本革仕様が合皮になるほか、「ロイヤルラウンジ」が廃止になるなどグレード構成が再編される(編集部注/さらっと書かれていますが、これも充分大きなスクープ情報なので、おって取材して詳細情報をお知らせします…)。
ハイエースは当面変更ないが、2022年夏あたりにフルモデルチェンジが行われる見込み。この時点でグランエースと同じ衝突規制強化対応の鼻だしのセミボンネットデザインを採用するフロントマスクになるはず。
つまり今回発売のグランエースは新世代FRプラットフォームの「TNGA」を採用する第1弾であり、次期型ハイエースに先駆けて投入するといえる。
次期型ハイエースとグランエースは共通のプラットフォームだが、ボディサイズが異なるため、ホイールベースやトレッドは異なると思われる。ハイエースは基本的には商用車であり、足回りが強く、これが高い人気の要因のひとつになっている。パワーユニットは2.8L、NAディーゼルエンジンを搭載。環境性能対応となる。
写真は現行ハイエース。今回の取材の過程で次期ハイエースの情報も出てきてびっくり。新型は2020年夏頃の登場で、プラットフォームは「グランエース」と共通でTNGA化され、2.8Lディーゼル搭載とのこと
■先行情報はトヨペット店、ネッツ店から
新型グランエースのラインアップは上級の3列シート6人乗りと標準の4列シート8人乗りで、それぞれ1タイプずつのグレード構成となる。
ボディカラーはホワイトパール、ブラック、グレイメタリックの3色、でホワイトパールが3万円程度のプラスで有料。内装色は本革張りでシルバーメタリックのみ。タイヤはワイドな235/60R17を履く。車両本体価格は予想より安価で、500~650万円程度となる見込み。トヨタ全系列店扱いとなる。
新型グランエース最大の特徴はやはり豪華な室内。上級グレードは3列6人乗り仕様で、企業の社用車などに活躍しそう(写真は新型グランエース)
ハイエース/アルファードはトヨペット店扱い、レジアスエース/ヴェルファイアはネッツ店扱いと、各販売系列の専売車種であったために、まず両店からグランエースの詳細情報を先行して流し、見込み客に対してプレキャンペーンをスタートさせている。
■証言1「さすがに大きすぎるので」首都圏トヨペット店営業担当者
「新型グランエースは大サイズで豪華なつくりだから、主にホテルなどの宿泊施設の送迎用として使われる。一般向けも意識しているが、大都市部では車庫や駐車スペースが狭いと入らないので、地方都市、他の地域でニーズがあると思われる。3列6人乗りのほうが豪華で上級グレード、4列8人乗りは標準タイプで送迎用に向いているといえるだろう。
これまではハイエースやアルファード/ヴェルファイアの最上級グレードがカバーしていた分野を担うことになる。さすがに大きすぎるので、あまり多くの販売台数は期待できないが、最上級バージョンとして存在価値の大きい新型車になると受け止めている。」
■証言2「次期ハイエースの準備にも」首都圏ネッツ店営業担当者
「ヴェルファイア、レジアスエースを扱って来たので、新型グランエースへの代替え母体となるのである程度期待している。一般向けも見込めると思う。扱いモデルは多方面であったほうがメリットは大きい。レジアスエースも次期型はグランエースのようにフロントが鼻だしデザインになると聞いているので、その先駆けとしての位置づけと思われる。
ヴェルファイアはアルファード、レジアスエースはハイエースに1本化されるだろうが、商売的には、知名度が上がってかえって優位になるかもしれない。」
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