12月6~7日、三重県の鈴鹿サーキットで行われている全日本スーパーフォーミュラ選手権の合同テスト/ルーキーテストはさまざまな話題が生まれているが、ThreeBond Racingからは2021年にシーズンで参戦していた三宅淳詞が、ひさびさのスーパーフォーミュラドライブを果たした。今季途中からワンメイクカーしかドライブしていなかった三宅にとって、ハイダウンフォースのビッグフォーミュラは刺激的な体験となったようだ。
三宅は2019年までFIA-F4を戦い、2020年からはスーパーGT GT300クラスに参戦。2021年にスーパーフォーミュラ・ライツを戦うと、特にウエットレースで印象的なスピードをみせ、2022年にはスーパーフォーミュラのTEAM GOHのシートを掴んだ。この年は第4戦オートポリスで3位表彰台を獲得するなど、SFのルーキーイヤーながら周囲の高評価にふさわしい活躍をみせた。
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ただ2023年は、三宅にとって難しいシーズンとなっていた。Max Racingから参戦したGT300では、第1戦岡山で幸先良く表彰台を獲得したものの、第4戦富士での車両火災を最後にチームがスーパーGTから撤退。三宅が2023年のシーズンを通じてドライブしたのは、ネクセンタイヤの開発を担ったTGR GR86/BRZ Cupのみとなっていた。
一方で、三宅がシーズンを通じて帯同していたのがスーパーフォーミュラのThreeBond Racing。実際にドライブする機会はなかったが、福住仁嶺の戦いを間近で学んできた。そんなシーズンの最後に掴んだのが、今回のテストの機会だ。
「今シーズン、チームに帯同させていただき、勉強を一年させてもらいましたが、オフにドライバーの入れ替わりがあるなかで、チャンスをいただいたかたちです」と三宅。最終戦鈴鹿の終了後1ヶ月ほどでチームからテストでのドライブが伝えられたという。
一年間帯同していたことから、もちろんThreeBond Racingの雰囲気は良く知っているが、ひさびさのスーパーフォーミュラのドライブで、三宅が驚いたのはタイムだという。「今年に関して言うと、スーパーGTも諸事情でなくなってしまい、GR86/BRZ Cupにしか乗っていなかったので、鈴鹿で言うと1周で50秒くらい速いんです。『鈴鹿ってこんなに短かったっけ?』と驚きました」と笑った。
三宅が驚くのも無理はない。スーパーフォーミュラ第8戦/第9戦鈴鹿のときに併催で開催されていたのがGR86/BRZ Cupだったが、このときのスーパーフォーミュラの予選タイムは1分37~38秒台。一方GR86/BRZ Cupで三宅が記録した公式予選のタイムは2分27秒091。三宅が言うとおり、50秒の差がある。モータースポーツで50秒の違いはとてつもないものだ。
「GR86ではバックストレートはヒマだったんですが、SFではあっという間」というほどの違いがあり、ダウンフォースもほとんどないワンメイク車両から、世界でもトップクラスの空力マシンへの乗り換えだったが、そこはさすがの三宅。すぐに順応した。
「SF23というクルマも初めてでしたし、昨年からはタイヤも違いましたけど、それほど違和感なく、すぐに慣れることができたと思います」と三宅は言う。
「今回のメニューとしては、やはりダンパーが変わるので、タイムも大事ですが、ダンパーの特性や、僕自身のドライビングの成熟など、さまざまなデータを採れればと思っています。これまでクラッシュもなく、距離も稼げていますので、順調に進んでいますね」
三宅にとっても、もちろん目指すはスーパーフォーミュラへの復帰だ。「僕自身も復帰したいですし、今回ドライブして、『やっぱりフォーミュラは楽しい』と感じました。今回、僕もタイムを出したいところはありますが、チームの方針もあると思うので、データをしっかりと取って、来年ドライブできるようにしたいです」と笑顔をみせた。
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みんなのコメント
とんでもなく異次元の話なんだよな