現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > サスペンション製造は専用! パネルは人間の手で触診! 新型シビックタイプRを生む「寄居工場」に潜入した

ここから本文です

サスペンション製造は専用! パネルは人間の手で触診! 新型シビックタイプRを生む「寄居工場」に潜入した

掲載 19
サスペンション製造は専用! パネルは人間の手で触診! 新型シビックタイプRを生む「寄居工場」に潜入した

 この記事をまとめると

■ホンダの埼玉製作所は世界市場への輸出も手がけるグローバルマザー工場

元初代オーナーも納得! 新型シビック・タイプRのココが胸熱!!

■新型シビック・タイプRの生産も受け持っている

■埼玉製作所の中心となる寄居工場について詳しく解説する

 約400台のロボットアームが全自動で溶接

 ホンダの生産工場といえば、N-BOXなど屋台骨となる量販モデルの生産で知られる三重県の「鈴鹿製作所」が有名だが、関東平野に位置する「埼玉製作所」は世界市場への輸出も手がけるホンダのグローバルマザー工場として重要な役割をもって機能している。昨年デビューした新型シビックの生産やステップワゴン、フリード、Honda eの生産も行っているのだが、新型シビック・タイプRの生産を受け持つことが発表され一躍注目を浴びることとなった。

 新型シビック・タイプRは従来モデルを上まわる圧倒的なパフォーマンス、動的性能を誇り、レーシングカー並みの高精度なもの作りが求められる。果たして国内の量産工場に、それほど高度な機能のラインが整備できるのか、埼玉製作所の中心となる寄居工場のシビック・タイプRも製造するラインを取材することができた。

 寄居工場は2013年に稼働しはじめ、95万平方メートル(東京ドーム20個分)の敷地に生産ラインと全長1.6kmのテストコースを持つ。先代シビックも生産し、国内市場でのシビック復活を果たすなど重要な役割を果たした新鋭工場だ。

 新型シビック・タイプRのエンジンは北米のオハイオ工場で生産されたものを輸入。寄居工場でトランスミッションとサスペンションが組み合わされ、車体へとドッキングする。

 寄居工場はe:HEVなど電動化パワートレインの製造にリソースを集約するため、純ガソリンのハイパワーエンジンで少量生産のタイプR用パワーユニットは北米生産とするほうが高効率だと判断されたという。

 生産ラインは7車種が同時に流れる混合生産ラインだ。特徴的なのは溶接ラインで、フロアやサイドパネルなどすべてのパーツがオートメーションで治具に固定され、約400台のロボットアームが全自動で溶接を行う。タイプRも同様のラインで生産されるが、生産モデルが変わるたびにロボットも置換されるが、それもすべて全自動。従って溶接ライン周辺にはほとんど人がいない。

 新型シビック・タイプR専用の製造スポットも

 新型シビック・タイプRは車体サイドのパネルデザインが特徴的だ。とくにリヤホイールハウスまわりがボリューミーでグラマラスなオーバーフェンダー形状となっていて、どのように加工するのか興味があった。だが実際にはシビックの通常モデルと同様にプレス機械で形成される。ただ金型の配置とプレス時に微小な位置変更を加えることで、効率良くあの造形美を製造することが出来ているという。プレスされたボディパネルはすでに美しい形状で引き出されてくるが、その表面を熟練した作業員が手でなでるように触診し、微妙な傷や変形などの確認を行っていた。

 ボンネットフードは今回アルミ素材であることに加え放熱グリルとしての穴あけ加工が必要で、埼玉製作所の狭山工場で加工され寄居工場に納品され製造ラインに送られるのだ。

 見所はサスペンションの製造ラインだ。新型シビック・タイプRのフロントサスペンションはダブルアクシスストラットという複雑な構造となっており、通常のシビックとは異なる取り付け方法となるため、時間管理されるシビックのサスペンションラインに流せない。そこで工場内の一角に専用製造スポットを設け、そこで専属の作業員がダブルアクシスサスペンションを手作業で約7分をかけてアッセンブリーに仕上げる。右用、左用の二手に分かれてラインに流せる状態に組み上げて並べている。あとは車体組み立てラインに搬入して車体に取り付けるのだ。

 エンジン、前後サスペンションと車体のドッキングは全自動で、塗装ラインや室内架装の済んだ車体と組み合わさると初めて自動車としての姿に組み上がるのだ。

 この後、完成車ラインで確認され、ラインオフする。

 次に待っているのは実走試験だ。「VQマイスター」と呼ばれる最高クラスのテストドライバーが2速で60km/h、3速で120km/hまで速度を上げ、さらにスラローム走行を行ってフィーリングチェック。事前に取り決められたステアリングフィールレベルに仕上がっているかを全数テストする。

 ほかのモデルでは行わない、まさにタイプRを名乗るための生産プロセスに組み込まれた実走テストであり、これをクリアして初めて市場に送り出される。

 このように寄居工場は電気自動車からミニバン、ハイパフォーマンススポーツカーまでを同一ラインで一括生産する機能的な工場として今後のHONDAブランドを高め、維持して行く重要な拠点として位置付けられているのだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
日産「崖っぷち」からの大逆転なるか? 800億円赤字、工場閉鎖…「技術の日産」再興でスバル化戦略? e-Powerの未来どうなる
Merkmal
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
東京ガス、EV充電サービス「EVrest」に新料金メニュー…充電器ごとの柔軟な設定が可能に
レスポンス
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
【RQ決定情報2025】スーパーフォーミュラの新チームをサポートする『KDDIレースアンバサダー』のメンバーが発表
AUTOSPORT web
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ホンダe:HEVと日産e-POWER 元エンジニアが判定「長所」と「短所」をガチで比べるとどっちがいいの?
ベストカーWeb
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
「マイクロバス」はトヨタの商品名だと知ってた? 60年以上むかしのトラック「ダイナ」ベースのバスがとってもおしゃれ! 昭和懐かしのクルマを紹介します
Auto Messe Web
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
ユーザーがクルマの「リコール」を放置すると車検に通らない場合も! そもそも「リコール」ってどんな場合に出されるもの?
WEB CARTOP
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
ママチャリとロードバイクが合体!? トップチューブレス設計のスポーツバイク「ママチャリロード2」発売
バイクのニュース
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
ホンダ「WR-V」一部改良! 高級インテリア採用&精悍すぎる「ブラックスタイル」登場! 値上げ実施も“全車250万円台以下”をキープ!
くるまのニュース
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
2025年2月の新車販売ランキング、スペーシアが2位浮上 N-BOXはトップ変わらず
日刊自動車新聞
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
テストでは最多周回を走り込んだメルセデス。弱点の克服を実感「開幕戦には完全な準備ができたマシンを持ち込む」
AUTOSPORT web
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
ジャガーは何をやろうとしているのか 1900万円の新型EV、狙いは? 独占インタビュー
AUTOCAR JAPAN
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
レクサス最新「“5人乗り”コンパクトSUV」に注目! リッター「28キロ」走る“最安&最小”な「LBX エレガント」がスゴイ! “豪華内装×特別カラー”など気になる仕様とは?
くるまのニュース
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
レスポンス
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
2025年2月の外国メーカー車販売、前年比3.6%増の1万8601台 2カ月連続プラス VW増加で底上げ
日刊自動車新聞
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
くるまのニュース
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
トヨタ「アルファード」でスポーツVIPを表現! 愛車に「リンファード」と名付けた理由は給油口を見れば納得…実は家族愛あふれる1台でした
Auto Messe Web
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
黒いトヨタのエンブレムがカッコいい! ヤリス&ヤリス クロスに特別仕様車「Z“URBANO(ウルバーノ)”」が登場。
くるくら
「運転者管理システム」の運用3月22・23日全国一斉停止、マイナカード移行作業で免許証更新業務もストップ[新聞ウォッチ]
「運転者管理システム」の運用3月22・23日全国一斉停止、マイナカード移行作業で免許証更新業務もストップ[新聞ウォッチ]
レスポンス

みんなのコメント

19件
  • >ホンダの埼玉製作所は世界市場への輸出も手がけるグローバルマザー工場

    マザー工場っていうのは世界市場へも輸出される車を生み出してるからマザーなんじゃなくて、生産技術・工程管理・生産設備等が他の工場の模範となる良いお手本でベストプラクティスな工場なのでマザー工場なんだよ。

    ホンダの担当者さんが寄居はホンダのマザー工場ですって説明をしてくれたんだろうけど、コイツはホンダの担当者さんの説明を理解出来なかったようだな。

    その担当者さんもメーカーの工場に取材に来たヤツが、まさかマザー工場の意味も知らないなんて思ってないから、その詳しい説明は省いたんだろうな。一般の人の工場見学だったらそこは詳しく説明してくれるんだろうけど。
  • 触診くらい軽でもやっているだろ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193 . 7万円 235 . 2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16 . 2万円 276 . 7万円

中古車を検索
ホンダ シビックの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

193 . 7万円 235 . 2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

16 . 2万円 276 . 7万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村