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そろそろ「夏タイヤ」履き替えの時期… “DIY作業”はとても危険! 過去には大事故も発生 注意するべきポイントは?

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そろそろ「夏タイヤ」履き替えの時期… “DIY作業”はとても危険! 過去には大事故も発生 注意するべきポイントは?

■自分で交換する時はしっかり準備と確認をしよう

 全国的に暖かくなってきたことから、これから春にかけて冬タイヤから夏タイヤへの交換をする人も増えてきますが、例年タイヤ交換作業中の事故が発生しています。
 
 整備工場などに依頼して交換してもらうのがベストですが、もし自分で作業するとしたら、どのような点に注意が必要なのでしょうか。

【画像】「これはアウト!」 これが交換すべき「危険なホイール」です(41枚)

 タイヤ交換作業中に適切な方法でなかったため、クルマの下敷きになってしまうなどの死亡事故が例年発生しています。作業が行えていても、正しい取り付けができておらず、タイヤ・ホイールが外れ、歩行者に大ケガを負わせるといったケースも見られます。

 基本的には、自力で行わずに整備工場やガソリンスタンドなどに依頼して交換してもらうのが安心ですが、安全な作業場所を確保して必要な工具などを揃えれば、自分で交換することも可能です。

 その際は、「持ち上げたクルマが落ちてくるかもしれない」「取り付けたタイヤ・ホイールが外れるかもしれない」といった想定を行い、正しい方法で作業後のチェックを欠かさないことが大切です。

 まず、タイヤ交換を行うときには必ず平らでかつ、地面が整った場所でパーキングブレーキをかけてから作業を行うことが大切です。また、交換作業を行う対角線上のタイヤに輪止めなどをかけておくとベストです。

 交換にはクルマに装備されている車載工具を使うこともできますが、安全に確実な作業をするためには、車載工具とは別に専用の工具を揃えたほうがいいでしょう。

 タイヤ交換を行う時はクルマを持ち上げて作業しますが、そのために必要なのがジャッキです。主なジャッキには、手の力だけで回して電車のパンタグラフのように上げ下げできる「パンタグラフジャッキ」と、油圧を使う「油圧ジャッキ(ガレージジャッキ・フロアジャッキとも)」があります。

 パンタグラフジャッキはコンパクトで軽量なことから、応急的に使用する車載ジャッキとして標準で備わっていることが多い傾向にあります。

 しかし、バランスに優れず横からの力に弱いため、作業中にうっかり蹴ったり物をぶつけたりしてしまうと、ジャッキが倒れて、持ち上げていたクルマが落ちてしまう危険があります。

 一方の油圧ジャッキは、ジャッキ自体に重量があり安定性が高く、上げ下げする時の力も少なく済むので、より安全な作業が可能なほか、車載ジャッキをかける位置以外のジャッキポイント(ジャッキをかけても良い車体底部)でも持ち上げることができます。

 なお、ジャッキポイント以外で車体を持ち上げることは、車体に損傷を与えるだけでなく、クルマが落ちてしまう可能性があるため、正しい位置なのか、ぐらついたりしていないかなどをチェックすることが望ましいと言えます。

 さらに、ジャッキで持ち上げた車体を複数の足で支える「リジットラック(ウマとも呼ばれる)」を併用するとともに、万が一クルマが落ちてもスペースを確保するため、交換予定のタイヤ・ホイールを車体の下に入れておくことが推奨されます。

■いちばん重要な「取り付け」 何に注意する?

 タイヤ・ホイールを固定しているナットやボルトを回すために必要なのが「レンチ」です。

 十字の形をした「クロスレンチ」や、ナットやボルトの大きさに合わせてパーツを組み替えて使える「ソケットレンチ」などがありますが、交換後にタイヤ・ホイールの取り付けを行うときに活用できるのが「トルクレンチ」です。

 トルクとは締め付ける力を指し、このトルクレンチを使うことで、締め付ける力を測定しながら適切な力でナットやボルトを締めることができます。

 反対に、ナットやボルトを締めすぎたり、締める力が足りなかったりすると、ホイール取付部がねじ切れるなどで損傷したり、走行中の振動で外れてしまったりする危険があります。過去に、適正トルクを超えた締め付けを行なってしまったことで、ホイールが外れて歩行者に直撃し、死亡させた事例もあります。

 単に強く締めればよいという訳ではなく、クルマごとに定められた適正なトルク値を厳守することがとても重要で、このトルク値は取扱説明書で確認することができます。

 なお、ジャッキアップの前にナットやボルトを少し緩めておくと、車体が持ち上がっている不安定な状態で強い力をかけずに済むため安全です。これと同様に、取り付け時は仮締めとしておき、車体を下ろしてからナットやボルトを本締めすると良いでしょう。

 ナットやボルトの取り付けも、5本なら星を描くように、4本なら「4」を書くようにと、締めていく順番が決まっています。ナットの表裏が逆になっていないかの確認も大切です。

 また、取り付け後はタイヤの状態に注意が必要です。

 タイヤは、ホイールに組んで保管しておいただけでも徐々に空気が抜けていくため、必ず適正な空気圧に調整する必要があります。

 タイヤの空気圧は、ガソリンスタンドやカー用品店などで無料で確認や調整することが可能です。

 そして、タイヤ交換後は一定距離を走行し、再度ナットやボルトが適正に締め付けられているか、緩んでいないかを確認する「増し締め」を行います。

※ ※ ※

 タイヤ交換は自分で行う時には、必要な工具をしっかりと準備した上で安全に作業しましょう。

 作業中はもちろん作業後にも確認すべきポイントが多く、作業ミスが大きな事故に繋がるリスクもあります。

 適切な取り付けができていないなど、DIYによる事故も多く発生しており、心配な人は無理せず整備工場などに依頼することも大切です。

 慣れていても増し締めなどを忘れてしまうこともあるため、必要以上にチェックすることが大切です。

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みんなのコメント

51件
  • ******
    4月にならないと無理
    昨日も雪降ったし
  • LUNALUNA
    依頼するのが他人責任で良いとは思いますが、タイヤ交換を演った事が無いと云うのも…
    時どきツルツルタイヤの車を、コンビニやスーパーの駐車場で見掛けますが…普段交通法規を無視しているとか、任意保険加入してない運転手なのかなぁ〜と思ってしまいます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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