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予選スピード差は史上最少の33台が争う第103回インディ500。勝負のポイントは状況変化の対応力

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予選スピード差は史上最少の33台が争う第103回インディ500。勝負のポイントは状況変化の対応力

 第103回インディアナポリス500マイルレースは、金曜のファイナル・プラクティスの走行も終わり、もう後は決勝のスタートを待つばかりだ。

 今年のポールポジションはシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)が獲得。フロントロウで彼の外側に並ぶのはエド・カーペンターとスペンサー・ピゴット(どちらもエド・カーペンター・レーシング)と決まった。

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 自身10回目のインディ500を戦う佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は予選14番手。

 2017年に続く2度目のインディ挑戦を行ったF1チャンピオンのフェルナンド・アロンソは、マクラーレンの作ったインディー用チームで走ったが、34位で決勝出場の33台に入ることができなかった。

 フロントロウ3人プラス予選4番手までが全員シボレーエンジン・ユーザー。昨年同様にシボレーがホンダに対してパワーアドバンテージを持っている。

 しかし、予選用の高ブーストでの差に比べ、レース用の低ブーストでは両者の差は昨年よりも縮まっているように見えている。ホンダ勢にも優勝のチャンスは十分にある。

 決勝日の天気予報は雨。順延される可能性もある。

 無事にスタートが切られた場合、気温は高めになるものとみられており、そうなるとレースではエンジンの違いより、マシンセッティングの良し悪しが重要になる。

 コンディションにマッチしたダウンフォース量を見出し、ピットストップでの微調整で状況の変化に対応できるマシンとできたチームが優勝争いを繰り広げる。エンジニアリング能力がまずは大きなポイント。


 その点で優位にあるのは、予選で上位に来ているチーム・ペンスキー、エド・カーペンター・レーシング、そしてインディ500では過去5年間で3勝しているアンドレッティ・オートスポートだろう。琢磨を擁するレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングも今年のパフォーマンスは良い。

 6~7回も行われるピットストップではクルーたちの作業のスピードと確実さも試される。燃費やピットタイミングが勝敗に大きな影響を及ぼすレース展開にならないとも限らない。500マイルという長さのレースは、どんな戦いになるのかの予測が難しい。



エリオ・カストロネベスは史上最多タイの4勝目を挙げることができるだろうか? 彼の予選順位は14番手だった。

 ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が2年連続優勝を飾る可能性は十分にある。インディ500というレースは優勝経験者が有利。世界一のレースで勝ちたいという誰もが持つ強い思いはプレッシャーを産む。

 ファイナル・スティントの凄まじいバトルを潜り抜けて勝ったことがあるドライバーたちは、それを持たない者たちより明らかな優位にある。上記の2人以外で優勝経験を持つ今年のエントリーは、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、トニー・カナーン(AJ・フォイト・エンタープライゼス)、アレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)、そして琢磨だ。


 今年の出場33人にはルーキー6人が含まれる。そのトップは開幕2戦目で既に優勝している19歳のコルトン・ハータ(ハーディング・スタインブレナー・レーシング)。

 女性ドライバーもひとり、ピッパ・マン(クローソン・マーシャル・レーシング)がキャリア7回目となる出場を決めている。

 昨年は予選落ちを喫した彼女だが、予選1日目にアロンソよりひとつ上の30番手となって決勝進出を決めた。

 出場33台の中で最も遅い4ラップアベレージは、そのマンが記録した227.244mph。予選2日目最速でPPを獲ったパジェノーの229.992mphとのスピード差は2.748mphで、これは103回を数えるインディ500で史上最小。つまり、今年のインディ500出場フィールドは史上最もコンペティティブな33台ということ。200周のレースは、凄まじいバトルになるだろう。

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