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ラグジュアリーフルサイズSUVのパイオニアだからこその完成度──新型キャデラック エスカレード スポーツ試乗記

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ラグジュアリーフルサイズSUVのパイオニアだからこその完成度──新型キャデラック エスカレード スポーツ試乗記

新しいキャデラック「エスカレード」は、魅力的なラグジュアリーフルサイズSUVだった! 『GQ JAPAN』ライフスタイル・エディターのイナガキがリポートする。

新型キャデラック エスカレード スポーツの特徴

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1.概要2.最高級車、キャデラック3.エクステリア1.概要

大幅改良を受けた新しいキャデラックのエスカレードに7月上旬試乗した。新しいエスカレードはエクステリアとインテリアが大きく変わったのが特徴である。

久しぶりに見たキャデラック エスカレードは、圧倒的な存在感を放つ。今や“フルサイズSUV”は一般化し、東京都心部でもメルセデス・ベンツ「GLS」やBMW「X7」、そしてランドローバー「レンジローバー」などをよく見かける。

それらの欧州車と比べ、新しいキャデラック エスカレードは勇ましい。優雅さと偉大さを巧みに組み合わせたエクステリアは、多くの人を惹きつける。遠目からでも「あ、エスカレードだ」と、わかることで、オーナーの“満足感”を大いに高めるはずだ。

初代キャデラック エスカレードが登場した1999年は、今ほどプレミアムSUVが一般的な存在ではなかった。メルセデス・ベンツが「MLクラス」をリリースしたのが1997年、BMWが「X5」を投入したのは翌2000年だ。

日本では90年代のRVブームもあって、トヨタ「RAV4」や日産「テラノ」、三菱「パジェロ」、ホンダ「CR-V」などが人気を博したものの、今で言うところの“プレミアムSUV”とは異なるポジションだった。

そうした世界的状況下で、ラグジュアリーフルサイズSUVを投入したキャデラックは、本カテゴリーのパイオニアだ。それゆえ、他ブランドとひと味もふた味も違う、エスカレードを仕立てられるのだ。

2.最高級車、キャデラック

しかもキャデラックは、高級車づくりにおいて長い歴史を有する点もポイントだ。1900年代から手がけ、120年以上のノウハウを持つ。今でこそ日本のユーザーにとって最高級車といえば、ロールス・ロイスやベントレー、メルセデス・マイバッハといった欧州車が主流だが、1950~60年代までの最高級車といえばキャデラックだった。戦後まもない時代に青春を迎えた人たちのなかでは、キャデラックはステータスであり続ける。

現在、キャデラックの年間販売台数(日本自動車輸入組合調べ)は、2024年度で468台。より高価格帯のアストンマーティンが536台、ベントレーが556台だったから、それよりも少ないのは意外だった。

多くのブランドのなかでもトップクラスの歴史&伝統があるだけに、ぜひもっと多くの人に触れてほしい。後述するが、最新のエスカレードに乗ってつくづくそう思った。

3. エクステリア

まず、エクステリアが素晴らしい。ブランド初のEV「リリック」から採用する、最新のデザイン言語を反映したデザインは革新的だ。

フロントまわりではボディ両端の縦型LEDヘッドランプとウインカーランプによって、キャデラックらしさを主張する。LEDのきらめきは、欧州車とは異なる趣。「キャデラッククレスト」と呼ぶエンブレムが鎮座したフロントグリルは荘厳。ロールス・ロイスにも負けていない。

ちなみに、フロントグリルは「プラチナム」グレードと「スポーツ」グレードのキャラクターに合わせて異なったコンセプトのデザインを採用。試乗車は後者だったので、ブラックのモノトーンでまとめられていて、スポーティ。フルサイズの巨体であるものの、走行性能の高さを想起させる。

足まわりは、標準が22インチ。オプションで、エスカレード史上最大となる24インチの大口径ホイールも選べる。後者を履く試乗車は、全体的に引き締まって見えた。ビッグなエスカレードにはビッグなホイールがよく似合う。

いざ、乗り込もうとすると電動アシストステップがスーッとせり出してくる。近年、さまざまなSUVが採用する機構だ。いずれのメーカーも、スムーズな動きを作り出すことに配慮する。なかでもキャデラックは、トップクラス。気づくとステップが展開し、スムーズな乗降をサポートする。静々と展開する様相は、つい見惚れてしまう。最高級車、キャデラックらしい。

ステップに足をのせてドアを開けようとすると驚きの機構が……。

▲次ページ:「アメリカン・ラグジュアリーの虜になるはず」

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文:GQ JAPAN 稲垣邦康(GQ)
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