京都を起点に日本の伝統工芸によってカーライフの新境地を切り拓くブランド「Kiwakoto」。本サイトでも何度か紹介してきたが、また新たな作品を発表した。なんと世界最高峰のサルーン「メルセデス・マイバッハ」S650のインテリアを独自にカスタマイズしたという。
「茶室よりもコンパクトな空間を、より上質なものに」。キワコトのクラフト・カー・サービスは目の肥えたクルマ好きを必ず唸らせるはずである。「Kiwakoto」が目指しているのは、真のプレミアムカーライフの提供だ。カスタマーそれぞれの趣向や感性に見合った内外装を、日本の伝統工芸を駆使してカスタムメイド。自分好みのプレミアムを日本の美意識を活用して表現するという、新たな試みを展開中である。また、カーライフを起点とした様々なオリジナルグッズ、バックやドライビングシューズなども販売する。
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いっぽう、「メルセデス・マイバッハ」といえば、メルセデス・ベンツのさらに上を行く、最高級のカーブランドだ。マイバッハとはゴッドリープ・ダイムラーの盟友であり天才エンジニアであったカール・マイバッハが20世紀初頭に、息子とともに興した世界最高級自動車ブランドの名前。21世紀になってダイムラーグループの最高級ブランドとして復活を遂げたものだ。
現在はメルセデス・マイバッハとしてSクラスをベースに贅を尽くしたサルーンを生産。なかでも今回、「Kiwakoto」がベース車両として使用したメルセデス・マイバッハS650はV12ツインターボエンジンを積んだ豪華モデルである。
早速、京都某所にて実車を確かめてみることに。紺と薄金の2トーンカラーはメーカー純正のカラーリングだ。ちなみに今回、外装には一切手を加えていないけれども、「Kiwakoto」では外装パーツへのスペシャルな加飾オーダーも受け付けている。
素材、製法、すべてを伝統工芸で巨大なリアドアを開けて、中へ。まず目についたのがドアパネルやコンソールまわりの豪奢な漆の引箔模様だ。引箔作家・村田紘平の作で、「豪華絢爛でありながら、わびやさびもあって、まわりをよく引き立てる西陣の伝統技法」は、自動車の新しいラグジュアリィにふさわしい、「日本に独特の美意識」だという。
なかでも、シートバックのトリムには引箔の上に漆芸による高蒔絵がさらに施されていた。漆芸家・服部一齋の作品だ。「完成された高級品に手を加えるという冒険」を楽しんだというが、その繊細で力に充ちた作風は、様々な可能性を感じさせるもの。正に作家のいう「伝統工芸に秘められた柔軟性」が生み出したコラボレーションだ。
そのままでも十二分に豪華なマイバッハだが、細部までの作り込みやアイディやセンスでその世界感はより際立つ。個人的に最も気に入ったのが、コンソールボックスの細工だった。レザーを織り込んでパッドのように仕立てたものだが、うっすらとメタリックな絵柄が入っている。模様の入ったレザー素材を裁断し、一本ずつ編み込んで図柄を再現するという。もともとは貝殻をテキスタイルとして使うために生み出された技法で、民谷螺鈿の先代が生み出し、今では貝殻以外の素材にも応用するという。あらゆる素材を糸状にカットする「切り屋」中島裁断所の協力を得て、完成した。
マイバッハの後席に腰をおろす。フロアマットは川島織物セルコンの作品で、柄の入った毛足の長いシャギーは珍しい。素足で乗り込みたいと思うほど、心地よい感触だ。
仕掛けは車内、そしてサンルーフにまで見上げて、ハッと息をのむ。巨大なルーフライナーは、それ自体が宇宙となっていた。制作にあたった西陣の加治織物は、仏教関係の装束や装飾を手がけて150年以上の歴史をもつ。細かな模様を再現するために、金糸銀糸を贅沢に使用する。金襴緞子だ。ところどころに、スリーポインテッドスターが見えるだろうか。
150年以上の歴史を持つ加地織物を始めとする、京都の伝統工芸技術が集められた「キワコト」のプロダクト。クルマ以外にも同コンセプトで様々なプロダクトを販売している。サンルーフライナーを開けると、また違う空が見えてきた。ここにも引箔作家・村田紘平による作品が描かれている。さらにサンルーフ自体を開ければ……。そこに三つ目の宇宙=本物が見えるという演出だった。
伝統を守りつつも、新たな挑戦を忘れない。それがまた、次の伝統となっていく。日本の工芸を活用する「Kiwakoto」のクラフトカー・サービスには、いろんな可能性があると思う。アイデアは無限である。
世界に1台しかない「Kiwakoto」メルセデス・マイバッハが東京・銀座に登場する。ところは、G735ギャラリー(10/31~11/4)。実車展示のほか、ブランドアクセサリーの展示販売、さらには本店でしか通常は受け付けていないクラフトカー・サービスのオーダー会なども実施される。ワンポイント漆芸装飾(10万円~)やスペシャルオーダーのレザーシート(200万円~)など、アイデア次第で好みのプレミアム空間を生み出すチャンスだ。
詳細は、https://kiwakoto.com/event_maybach まで。
文・西川 淳 写真・橋本 玲 編集・iconic
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