つきまとう「自動車業界参入」のうわさ
さる2020年、テスラの株式ベースの時価総額がついにトヨタを超えたことが話題になりました。
【画像】ワイルドな見た目に「アップル」の使いやすさ【大型ジープ2モデルを見る】 全156枚
その後もテスラの株価は駆け上がり続け、21年は一時100兆円を軽々と突破。
日本の自動車メーカーすべて、あるいはフォルクスワーゲンやGMといった世界の主要メーカーが束になってもおよばない額に達してしまいました。
現在は90兆円前後をウロウロしていますから、トヨタのざっと3倍といった見当でしょうか。
彼らがそれに見合ったパフォーマンスや社会的受容性を備えているかについては、個人的には甚だ疑問です。
ですが、今回それは置いといて、単純に企業の価値ではなく規模の尺度をみるための時価総額としましょう。
そのテスラのさらに3倍の時価総額を誇るのがアップルです。
ちなみに現在の時価総額は300兆円オーバー。
単純にいえば世界一の金持ち企業ということになりますが、このよくわからない金額を何かになぞらえるとすれば、日本の年間国家予算の約3倍ということになります。
そんな巨大企業に延々とつきまとううわさが自動車事業への参入です。
アップル・カープレイで現実化
プロジェクト・タイタンという社内コードのもとに、その企画が社内承認を経てスタートしたのは14年といわれています。
折しもカープレイがリリースされた年と重なっているのが興味深いところですが、その以前からアップルとクルマのうわさは折につけ囁かれてきました。
08年にはかのスティーブ・ジョブス氏が実際に参入検討していたという、当時のアップルの幹部の証言もあります。
個人的にはちょうどその頃、とある国内メーカーのお偉いさんと、会食かたがたアップルとクルマの親和性について議論をしたことを覚えています。
まだアイフォンが3の世代だったころですが、当時からスマートフォンのUXとそれを指1本でスムーズに引き出すアップルのUIには、何かしらの迫力を感じていたのでしょう。
ただし当時はまだ彼らがクルマを手掛けるという想定ではなく、社内のインフォテインメントにおいてイニシアチブを握られる時が来るのではないかという脅威のほうが強かったようでした。
実際、その懸念はカープレイで現実化するわけです。
しかし、その普及には思いのほか、時間を要しました。
自動車業界がアップルを受け入れたワケ
インフォテインメントシステムは競争領域で膨大な投資もサプライチェーン構築も進めてきたというのに、みすみすライセンス料を払ってまでそこを明け渡し、ユーザーの活動情報を持っていかれる筋合いはない。
ましてや車両全体のセキュリティが課題として顕在化しつつある中、他所のワケのわからない通信機器を挟みたくもない。
そういう思惑が自動車メーカー側にあったのは間違いありません。
が、ここまでスマートフォンが普及すると車両とのコネクティビティは車両自体のユーザビリティと直結します。
ましてや日本はアイフォンのシェアが異例に大きい国。
自動車メーカーとしては母数にも圧されて渋々門を開かざるを得なくなったというのが正直なところでしょう。
これぞGAFAの常套勝ちパターンという感じです。
そのうえで前述の時価総額をもとにした資金調達力があれば、あらかたの自動車メーカーを傘下に収めることもまったく夢物語ではないわけです。
その気にさえなれば、いつでもクルマ屋として名乗りを上げられる。アップルがそういう距離にいることは間違いありません。
逆にいえばアップルは、自ら自動車事業との間合いを計っているともいえます。
それはなぜか。
アップルと自動車事業の距離感
大きな理由は、自分たちの理想的環境構築にクルマの進化が追いついていないということではないでしょうか。
アップルが考えるビジネススキームは知る由もありません。
ですが、丸いハンドルやペダルを駆使して動かす内燃機のクルマをみずからこしらえて売る従来からのモデルなど眼中にないことは想像できます。
彼らの目指すハードウェアは自分たちのアセットが充分にいかせる、レベル3以上のオートノマス環境が前提で、自ずとそれはBEVになると。そういったところではないでしょうか。
たとえばお出かけ前に手持ちのアイフォンで行き先を検索しておくと、アップル号(仮称)に乗り込んだだけでそれが反映され、自動運転がスタートする。
走行中は車内でアップル・ミュージックやアップルTVなどのコンテンツが利用できるし、マックブックをペシペシ打ってお仕事に励んでもらってもいい。
車窓にはHUDで周囲の観光スポットや店舗などの情報がARで投影され、行きたいところを「ポチれば」寄り道もできる。
そんなアップル号を使いたい時は、アップル・ウォッチを「ポチる」だけ。
約束の時間には自分の元へとやってきて、フェイスIDで本人認識すればお望みの行程で運行してくれる。
そんなモビリティが月々ン万円の定額利用料金で、24時間365日利用できますよ~と。
以上は僕の勝手な妄想です。
が、このくらいのことが出来なければアップルが今さらわざわざクルマの世界にうって出る意味はないだろうとも思います。
一方で車体がそれを受容する状況でない。
製造・販売=「ヤバい賭け」?
それはハード自体の先進性もさておき、多分に自動車メーカーの矜持が関わってきます。
お察しのとおりで、考えられうる安全項目については必達が必定、工数が嵩めど絶対に妥協しないということです。
GAFAのようなビッグテックは走りながら考えることが大前提でしょうから、ここはまるで相容れない。
自動運転なんか要素技術は整ってるんだからさっさと回しちゃえよといわれても、そこは考えすぎて走れない自動車メーカーの譲れない一線なわけです。
先のCESで、ソニーはモビリティカンパニーを別途発足し、自動車事業参入の可能性を検討すると発表。
ですが、それを早とちりしたメディアによってBEV参入と短絡化され、後の決算発表の場でCFOが火消しに回ったという顛末がありました。
クルマの製造販売には膨大な投資や雇用維持が必要で、それがワンミスで御破算に至るほど脆く、そこまでリスクを冒しても利益率が10%いけば万々歳……と、そういうヤバい賭けだということを重々承知しているのでしょう。
とにかくボタンの掛け違いをステークホルダーに正しておく必要に迫られたのだと思います。
アップルもまた、GAFAにあって生産委託ながらもモノづくりを生業とする会社です。
その大変さも理解しているでしょうし、ハードの魅力がブランドの収益力の礎となっている一面もあります。
みずからが完璧といえるモビリティ体験を提供するには、社会環境的にもう少し時間がかかるかもしれない、そう考えているのではないでしょうか。
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みんなのコメント
>個人的には甚だ疑問です。
長々と書いてるが↑が根本にある記事だなw