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新機能「車両姿勢安定化制御」って何? NDロードスター最軽量バージョン「990S」とは

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新機能「車両姿勢安定化制御」って何? NDロードスター最軽量バージョン「990S」とは

「人馬一体」を追求してきたロードスターの最新進化形

 マツダ・ロードスターのファンたちが手づくりで開催する「ロードスター軽井沢ミーティング」。今年は10月24日に行われ、1000台を超える歴代ロードスターが全国から集まった。

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 その会場で、マツダからロードスターを愛するオーナーたちに向けたサプライズとして、現行型(ND型)ロードスターの最軽量モデルとなる特別仕様車「990S」が披露されたのだった。

「ライトウェイト・オープンスポーツ」を30年以上にわたり進化させ続けてきた、マツダならではのコダワリを解説していこう。

「S」をベースにバネ下重量を数kg軽量化

 今回ヴェールを脱いだ「ロードスター990S」は、現在ラインアップされているもっとも軽量な「走り」に特化したグレード「ロードスター S」をベースにしている。

 車名は車重に由来しているそうだが、「S」の車両重量も990kgなのだから軽くなっていないのでは? と思われるかもしれないが、それは日本の車両登録が10kg単位で四捨五入されるため。実際には約4kgほど軽くなっているのだ。

 ホイールは「レイズ」製鍛造ホイールを採用することで、1本あたり800g、合計3.2kgの軽量化。そしてブレーキはブレンボ製として、ブラック塗装にブルーのレタリングがおごられている。ローターについては大径化して重量アップしている一方、フロントキャリパーが純正の鋳鉄からアルミ製となることで、ブレーキシステム全体としては合計700gの軽量化を果たしている。

 いわゆるバネ下重量の軽量化は、クルマの運動性能に関してバネ上の10倍の効果を持つと言われる。数値としてはわずか約4kgといえども、NDロードスター開発時に徹底的な「グラム作戦」で先代NC型から100kg以上の軽量化を果たしたことを思えば、いかに大きな進化かうかがわれるだろう。

 この「990S」ではバネ下重量の軽減にあわせて電動パワステ、サスペンションのダンパーとサスペンションを専用にチューニング。さらにPCM(エンジン制御ユニット)のセッティングも変更してアクセル応答性を高めたという。

「車両姿勢安定化制御」によりコーナリングが進化

 そして最大のトピックが、「990S」を皮切りにロードスター全車にこれから搭載されることとなる「車両姿勢安定化制御(KPC)」である。

 これは、コーナリング中に0.3G程度のGがかかると、リヤの内輪側だけブレーキを少し効かせるという仕組み。ロードスターのリヤサスは「アンチジオメトリーサスペンション」という構造で、コーナリング中は内側の後輪が浮き上がろうとするのだが、その際に「車両姿勢安定化制御」が作動することでボディのリヤが内輪側も少し下がって、接地感をアップ。

 その結果、コーナーでのロールを抑えることができ、後ろ足が生き物のように動いて「人馬一体」の走りをさらに増しているというわけだ。

 2019年5月からロードスターの主査となった齋藤茂樹さん(下記写真左)は、着任後に初めて手掛けたプロジェクトがこの「990S」となるそうだ。

「ロードスターの本質は軽さですので、あらためて軽さを突き詰めて、さらにピュアな走りの楽しさを追求しました。“S”にはリヤのスタビもLSDもありませんが、オープンデフならではのコーナー進入時の自然なフィールを大事にしてチューニングしています。そして街なかで心地よく走れるようにダンパーの減衰は限界まで下げて柔らかくした一方、ワインディングでも走りやすいように“車両姿勢安定化制御”を導入しました」

 また、プロジェクトマネージャーの山口宗則さん(上記写真右)はこう語る。

「“S”グレードはエントリーグレードのように思われがちですが、もっとも軽くて初代NAに近く、ウデのある人が乗ると一番気持ちよく走れます。開発陣としては“S”が大好きで、“S”を主役に立たせるようなクルマを作りたいと思いました。リヤスタビのない“S”のような軽い仕様は日本でしか販売していませんので、ぜひ日本のオーナーさんたちに一番ピュアな設定のNDを味わってほしいです」

シンプルな装備に込められた「走り」への情熱

「990S」のルックスにおける特徴は、展示車だった「クリスタルホワイトパールマイカ」のボディの頭上をシックに飾るネイビーのソフトトップ(幌)。NDロードスターとしては初採用の「990S」専用カラーで、ほかのボディカラーでも存在感を引き立ててくれそうだ

 ライトウェイトを至上命題としているため、「990S」はベースとなった「S」同様、インフォテインメントの「マツダコネクト」もナビも付かない。

 潔いにも程があるインテリアだが、エアコンのルーバーはさりげなく幌と同系のブルーとしている。

 また、フロアマットも「990S」に合わせた新デザイン。こちらはディーラーオプション扱いで、ほかのNDロードスターでも手に入れることが可能だ。

 えてして「走り」スペシャルというと、上級グレードにハイテク装備をマシマシで搭載したマシンになりがちだ。そんななか、「引き算の美学」で軽量化を徹底し、「走りの楽しさ」を追求した「990S」には、30年以上にわたりライトウェイト・スポーツカー「ロードスター」を育ててきたマツダの矜持が感じられる。

「990S」の価格は未発表だが、ベースの「S」が約260万円であることを考えると、300万円以内に収まってくれると期待したいところ。ただ、すでにディーラーに行けば価格もわかって予約もできるとの情報も入ってきているので、気になる方はお近くのマツダディーラーに聞いてみると良いだろう。

文:Auto Messe Web 『Auto Messe Web編集部』
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みんなのコメント

8件
  • ドライビングの「練習機」として考えるならそこまでの電子制御は無くて良いんじゃない?それと1.5でハイオク仕様にする為に鍛造ピストンとか金かけるよりレギュラー仕様で良くないか?
  • 他所のメーカーのブレーキを使った姿勢制御は
    ブレーキを摘んだり離したりが走りの邪魔!なんて言っているレーサーもいたが
    ロードスターのはどうなるのかな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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