現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > “気分がアガる”セダン──新型アウディS3セダン試乗記

ここから本文です

“気分がアガる”セダン──新型アウディS3セダン試乗記

掲載 22
“気分がアガる”セダン──新型アウディS3セダン試乗記

アウディの新型「S3セダン」に小川フミオが試乗した。今や希少なコンパクト高性能セダンとは?

ちょうどいいサイズのスポーツ・セダン

29歳、フェラーリを買う──Vol.130 愛車遍歴~BMW編

大きすぎないサイズのセダンで、ただし、乗って楽しいものが欲しい……そう思っているひとは少なくないのでは。お勧めの1台は、アウディの新型「S3セダン」だ。310psのパワフルなエンジンに、4輪駆動システムの組合せで、“気分がアガる”のは間違いない。

いまのS3シリーズ(セダンとハッチゲートをそなえたスポーツバックの2モデル)の発売は、ベースモデルのA3とおなじく2021年の5月だった。私は新型A3に乗ったとき、そのスムーズな駆動系に感心した。今回、S3セダンでは、ダイレクト感のあるスポーティな操縦感覚がつよく印象に残った。

S3セダンは、1984cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンを搭載する。けっこう高圧の1.8バールの過給圧をもつターボチャージャーがインタークーラーとのセットでそなわる。最高出力は228kW(310ps)、最大トルクは400Nm。数値から期待できるとおりの加速性を味わえる。

そもそもSモデルとは、ベースモデルをスポーティに仕上げたもの。S3セダンは、140kWのA3 40TFSIクワトロがベースなので、ツインクラッチ式の7段「Sトロニック」変速機や、前後サスペンションは共用。そのうえで、上記のとおりパワフルなエンジンを搭載し、車高を15mm低く設定している。

エクステリアとインテリアも独自のデザイン要素が加えられた。ボンネットの先端には、「往年のAudi quattroを彷彿とさせる」とアウディがみずから述べる3本のスリットが設けられた。

シングルフレームグリルの内部はハニカムパターンとなり、フロントバンパーは大型化している。大きなエアインテークをもつフロントバンパーと、リアディフューザー、さらに、左右4本出しのテールパイプがアグレッシブな印象で眼をひく。

インテリアでは、黒を基調にステッチが入ったスポーツシートを採用。「プレミアムスポーツの雰囲気を強調」したとアウディではする。

ダッシュボード上面にはレースカーのように反射の少ない人工スウェードが貼られ、そこのステッチの飾りがスポーティな気分を高めてくれる。

希有な存在

乗り出してすぐ気がつくのは、いさましい排気音だ。つぎに、路面のインフォメーションが逐一手のひらにつたわってくるステアリングである。もうすこしインシュレーションを効かせて、手のひらが感じる振動を抑えてもいいのでは? などと私は思ったものの、走らせているうちに、このダイレクト感も悪くないと考えるようになった。

私が評価するダイレクト感とは、アクセルペダルへの反応の速さと、トルクがたっぷりあるよく回るエンジンと、車線変更時やコーナリング時の俊敏な車体の動きだ。ドライブモードセレクター(ダンピングコントロールサスペンションとセットで11万円のオプション)は「オート」が快適であるものの、「ダイナミック」に切り替えると、S3セダンのスポーティな持ち味が“全開”になる。

高めのエンジン回転が維持され、すこし操舵感が重めになるものの、おもしろいようにくいくいと車体が反応するステアリングなど、このあと、さらにスポーティな「RS3」もこれから日本に上陸すると思うが、S3セダンでもじゅうぶん楽しいドライブが味わえるのだ。

室内には、排気音をふくめたエンジン音やロードノイズがそれなりに入ってくるとはいえ、うまく”丸めて”あって、耳に痛く感じる要素はない。私には印象がいい仕上げだと思えた。オーディオも再生領域が広くて、交響曲もジャズカルテットもラップも楽しめるはず。

全長は4505mmと、日本の路上であつかいやすいサイズにとどまっている。室内は後席にも175cmのひとが2人並んで座っていられる。

パッケージングは上手で、加えて、トランク容量は425リッターあるので、こちらも実用的だ。

S3セダンの価格は661万円。価格からすると、内装の仕上げがややシンプルでありすぎる気がしないでもない。ただし、12.3インチのバーチャルコックピットプラスが標準装備で、そのうえドアの建て付けにはじまり、各部の仕上げは質感が高く、操作類の扱いやすさなど、メリットは多い。

そもそも、コンパクトなサイズで、運転が楽しいセダンという存在じたいが希有である。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
メルセデス、ラスベガス初日の好調は「なんでか分からない」予選に向けて”ダスト乞い”?
motorsport.com 日本版
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
Moto2チャンピオンに輝いた小椋藍、日本人初となる『トライアンフトリプルトロフィー』を受賞
AUTOSPORT web
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
フィアット新型「600e」と暮らしてみたら「500L」との2台体制を夢見てしまい…ファミリーカーとしてオススメの1台です【週刊チンクエチェントVol.47】
Auto Messe Web
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
なんとも物騒な「煤殺し」ってなんだ!? トラックドライバー御用達アイテムの正体とは
WEB CARTOP
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
東京海上日動、顧客連絡先不明の代理店を新たに2社確認 合計124社に
日刊自動車新聞
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
WRC最終戦「ラリージャパン2024」開幕! 日本勢の「TGRチーム」活躍に期待! 会場はすごい熱気に! 高橋プレジデントや太田実行委員長が語る! 今大会の「見どころ」は?
くるまのニュース
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
アストンマーティン、技術責任者ファロウズ更迭は今季の不振が理由と説明「彼は2023年のマシン開発に大きな影響を与えたが……」
motorsport.com 日本版
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
ブルーインパルスがラリージャパン2024開幕を祝う航空ショー。6機が豊田スタジアム上空で華麗なスモーク
AUTOSPORT web
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
[15秒でニュース]首都高速八重洲線通行止め…10カ年計画の新環状線プロジェクト
レスポンス
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
GMのF1計画に新たな動き。アンドレッティの設備引き継ぎ、2026年からキャデラックブランドで参戦か?
motorsport.com 日本版
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
約148万円! スバル新型「軽ワゴン」発表! “水平対向”じゃないエンジン&スライドドア搭載! ”大開口“実現の「シフォン」が販売店でも話題に
くるまのニュース
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
アウディ Q6 e-tronの中国専用「ロング版」はただ長いだけじゃない…広州モーターショー2024
レスポンス

みんなのコメント

22件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

332.0468.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.045.0万円

中古車を検索
A3の車買取相場を調べる

アウディ A3の中古車

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

332.0468.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.045.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村