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F1へのV10エンジン早期回帰案は却下。FIAが目指すは長期的持続可能性「どんなロードマップが決まっても、チームやメーカーを支える」

掲載 更新 6
F1へのV10エンジン早期回帰案は却下。FIAが目指すは長期的持続可能性「どんなロードマップが決まっても、チームやメーカーを支える」

 FIAは、バーレーンGPの際にF1参戦中のメーカーなどを招いて会議を行ない、F1テクノロジーの将来の方向性について議論を行なった。そこで話し合われた詳細を、FIAが明らかにした。

 FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長は会議の冒頭、この会議の目的について「F1の長期的な持続可能性と、F1のビジネスを保護するための費用対効果の高いソリューションを求めること」と強調した。

■レッドブルのホーナー代表も、V10エンジンのF1早期導入には反対「決まっているレギュレーションに基づき、インフラを構築しているんだ」

 F1は2026年から新レギュレーションが導入される予定。その中心はパワーユニット(PU)の変更であり、エンジンはV6ターボと現在と同じであるものの、それに組み合わされる回生システムが変更され、MGU-H(熱エネルギー回生システム)が排除され、MGU-K(運動エネルギー回生システム)で使われるエネルギー量が格段に上昇……モーターとエンジンの出力比が均等になる。また使われる燃料も、持続可能燃料のみに制限される。

 この新レギュレーション下のPU開発を各PUメーカーが進めている段階ではあるが、詳細に関する調整が今も引き続き行なわれている。

 ただこのPUに関しては、開発コストが高く、F1の魅力とも言える音が小さいなどの理由から、推進に消極的な意見もあった。そこでスレイエム会長は今年、持続可能燃料が使えるならば、開発コストが低く、音も良い自然吸気V10エンジンへの回帰することもできるという案を提唱。それを推す声が日に日に強くなっていた。

 ただ、電動要素を完全に排除することについては、PUメーカーを中心に反対する声も上がっていた。そして、今回の会議が開かれることになったわけだ。

 今回の会議では、2026年のレギュレーションに加えて、将来の様々なオプションとタイムラインが議論されたという。そして実際に話し合われた議題のひとつに、持続可能燃料を備えた自然級気エンジンの採用があったことも明らかになった。

 FIAが声明で発表した今回の議題は、以下の通りである。

・F1パワートレインの研究開発コストを削減すること

・世界経済の変動に対する回復力の構築

・F1のパワーユニットの複雑さを削減する

・持続可能性、安全性、パフォーマンス、市販車との関連性、音、視聴者の魅力に対する重量削減に関する考慮事項

 そして次のような結論に至ったと、FIAは明らかにした。

・全ての関係者は、2026年レギュレーションにコミットしており、エキサイティングなレースにな ることを楽しみにしている

・全ての関係者は、F1の将来の技術的方向性に関する議論を継続することに同意した

・電動化のレベルは、常に将来の考慮する事項の一部である

・持続可能燃料の使用は必須である

・より幅広いコスト削減の一環として、電力ユニットに関連するファイナンシャルレギュレーションの調整を考慮する

・これらのレギュレーションの監視が優先事項になる

 この議論は、今後も続けられる見通しである。FIAはV10エンジンへの回帰を推進したものの、どんなロードマップが決定されたとしても、開発コストを抑え、環境対策を考慮し、F1とファンの最前の利益のために行動するF1とPUメーカーを支援すると、声明を締めくくった。

文:motorsport.com 日本版 田中 健一

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みんなのコメント

6件
  • haj********
    「F1は走る実験室」と言われているけど、「でもコストは下げたい」と言うのは矛盾しているよなぁ。
  • jb2********
    内燃機関にせよモーターにせよ、超高回転のギリッギリの音が聴きたいなぁとは思う。むしろF1の最大の魅力はエンジン音だったんじゃないかなと。
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