■コレクターズアイテム化必至の超ハイパフォーマンスカー
イギリス・アストンマーティンは2023年7月11日(現地時間)、同社の創業110周年を記念した「Valour(ヴァラー)」を発表しました。
最高出力715psの5.2リッター V型12気筒ツインターボエンジンと特注の6速MTを組み合わせた、限定生産の最上級FRスポーツカーです。
【画像】最後のV12スポーツカー!? アストンマーティン「Valour(ヴァラー)」を写真で見る(22枚)
創業110周年にちなみ、新型ヴァラーは限定110台のみが生産されます。
アストンマーティンによると、1970年代の「V8 ヴァンテージ」や、「DBS」をベースに1977年と1979年にル・マン24時間レースに出場したレーシングマシン「RHAM/1」などをインスパイアしたといいます。
アストンマーティンの車両パフォーマンス担当ディレクター、サイモン・ニュートン氏は次のように話します。
「過去の象徴的なマッスルカーにインスピレーションを得て、私たちはヴァラーに豊富なパワーとトルクを与え、同時に最新のテクノロジーとエンジニアリングを使用してそのパフォーマンスをより活用しやすく楽しいものにしました」
新型ヴァラーのフロントに搭載されるのは、最高出力715ps、最大トルク753Nmを発揮する5.2リッター V型12気筒 ツインターボチャージャー付きエンジン。これに初めて特注の6速MTが組み合わされました。
足元には、21インチ軽量鍛造ハニカムアルミホイールと、フロント275/35R21、リア325/30R21サイズのミシュラン製専用パイロットスポーツ S5タイヤが備わります。
さらに、ばね下重量を23kg軽減させ、最大800度の温度でもフェードに耐える設計だというカーボンセラミック製ブレーキが搭載されています。
軽量なカーボンファイバーで構成された新型ヴァラーの外装デザインは、アストンマーティンの最新デザイン言語と、往年のV8 ヴァンテージの融合したものだといいます。
最も印象的なのは、クラシカルな丸目のLEDヘッドランプと、その上をまゆ毛のようにつなげるボンネット形状です。
貝殻のような形状のボンネットには、馬蹄形のエアベントと左右のNASAダクトが備わり、複数の大きな開口部を持つフロントグリルとV型12気筒ツインターボエンジンの冷却を担うとともに、独自の凄味を与えています。
ボディサイドや後方の各部にもエアロパーツが効果的に配置され、高速走行時の空気の流れをコントロールします。
またリアエンドも特徴的です。
F1マシンの技術を投入したハイパーカー「Valkyrie(ヴァルキリー)」を思わせるLEDテールランプのシンプルな6分割形状や、レトロなダックテールのスポイラー、そしてセンター部に3本出しされたマフラーを中心にした左右のディフューザーなど、見どころの多いデザインです。
室内は2人乗りで、シンプルかつレーシーな仕立てが特徴。
軽量パフォーマンスシートのシート地は、ウールのツイードで、1959年にル・マン24時間レースで優勝した「DBR1」にインスパイアされたものです。
室内の中心で最も象徴的なのが6速MTのギアレバーです。ギアノブには機械加工されたアルミニウム、チタン、カーボンファイバー、またはクルミ材が選択可能となっています。
ボディカラーは21色から選ぶことができますが、さらにユーザーの好みに応じ、内外装の仕様選択によるオーダーメイドも可能となっています。
※ ※ ※
新型ヴァラーは、2023年第3四半期に生産を開始し、2023年第4四半期に最初の納車が開始する予定です。
アストンマーティンでは今後、電動パワートレインのスポーツカーに注力すると宣言していることから、新型ヴァラーは純ガソリンエンジン最後のハイパフォーマンスモデルとして、貴重なコレクターズアイテムとなる1台となりそうです。
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