今や貴重な正統派ジャパニーズネイキッドのCB1300シリーズが30周年を迎える。これを記念した特別仕様が登場予定だ。さらにCBファン歓喜の「スペンサーカラー」も追加される見込み! 生産終了が噂されていたが、これでテコ入れを図り、今後もCBは存続するようだ。
文/ベストカー編集部
新型CB1300は30周年モデルだけじゃない!? 現行型初となる栄光のスペンサーカラーでテコ入れか!?
30周年記念車はシンボルの白×赤にゴールドで豪華絢爛
威風堂々という言葉がこれほど似合うモデルもない。――並列4気筒エンジンに、丸眼ヘッドライト、2眼の砲弾メーター、リヤ2本ショックという伝統的な和製ネイキッドを体現したモデルこそCB1300シリーズだ。
初代であるCB1000スーパーフォア(SF)は、1992年11月24日に発売。30周年が近づく9月6日、ホンダがSNSでCB1300スーパーフォアSP/スーパーボルドールSP 30th Anniversaryの写真を公開した。
ベースは、前後オーリンズ製サスとブレンボ製フロントブレーキキャリパーを奢るSP。車体色は「PROJECT BIG1」を標榜した初代CB1000SFを連想させる白×赤に、ゴールドのラインをあしらったカラーや金ホイールを施す。
詳細な情報は未公表だが、燃料タンク上部に専用ロゴを採用する模様。正式発表は10月下旬、12月半ばに発売されると予想される。価格は現行SP仕様の193万6000円(SF)、204万6000円(SB)から2万円程度の値上げで収まる見込みだ。
期間限定で予約販売すると思われ、受付は10月下旬から1月上旬頃までになるようだ。2021年にCB1100EX/RSファイナルエディションの受注が早々に打ち切られた例もあり、欲しい人は早めに動きたい。
なお現行型SPに存在するパールホークアイスブルーは継続になり、キャンディクロモスフィアレッドは廃止になるだろう。
CB1300スーパーフォアSP 30thAnniversary。現行「パールサンビームホワイト」に似ているが、青の部分がなく、各所にゴールドをあしらう。フレーム色は従来のソリッドに対し、メタリックになるようだ
むしろ注目はコッチ? 通常モデルに久々の“スペンサーカラー”投入か
スタンダード仕様の2023年型に関するアナウンスはないが、情報筋によると「デジタルシルバーメタリックを採用する」らしい。
この車体色は2007年に発売されたCB750スペシャルエディションと同じカラー名。銀×青ラインのいわゆる「スペンサーカラー」となる可能性が高い。
1980年代バイクファンには説明不要だろうが、スペンサーカラーとは、伝説的ライダーのフレディ・スペンサーが1982年のデイトナ100マイルで優勝した北米版CB750Fレーサーの車体色。銀をベースに、タンクからテールカウルにかけてネイビー×ブルーのストライプが配置される。
後にスペンサーがWGP500と250のダブルタイトルを獲得したこともあり、80年代カスタムシーンなどで絶大な人気を誇った。
CBファン垂涎の伝統カラーながら、現行の3世代目CB1300に採用されるのは意外にも初めてだ(2018年型に近いカラーは存在する。画像ギャラリー参照)。もしかすると30周年記念車を上回る人気になる?
通常モデルの車体色はスペンサーカラーのみとなり、ホイールやスイングアームはツヤ消しブラックで引き締める模様。現行のシルバーと白×赤は廃盤になるようだ。
予想発売時期は30周年モデルが出た後となる1月下旬頃。2021年型でスロットルバイワイヤなどを採用し、既に排ガス対応を果たしており、価格は据え置きとなるだろう。
2007年型CB750スペシャルエディションに設定された「デジタルシルバーメタリック」。リリースにもフレディ・スペンサーをイメージしたカラーとの記述がある
「記念車がファイナル」とはならず、ジャパンCBとして走り続ける!
当webでも報じたとおりCB1300シリーズは「30周年記念車がファイナルになる」との噂があったが、どうやら殿堂入りは回避されたようだ。
その理由は、次世代のCBとして企画された「CB-Fコンセプト」がお蔵入りしたからではないか、と推察される。
1980年代のCB900F/CB750Fをモチーフにしたネオクラシックバイクとして2020年に披露されたモデルがCB-Fコンセプトだ。ベース車は水冷直4を搭載する現行のCB1000Rで、日本専売であるCB1300シリーズの後継機として企画。車重266kgで巨体のCB1300とは異なる軽快なキャラクターを指向し、グローバル化による海外の需要も狙った。
2020年春にホンダが発表したCB-Fコンセプト。「ジャパンCB」を掲げ、欧米でも知名度の高いCB900F/CB750Fのフォルムをオマージュ。栄光のスペンサーカラーも与えた
しかし当時の取材では、アジアからの反響はあったものの、欧米からの支持は決して大きくなかった。また、CB-Fコンセプトのベース車であるCB1000Rは約167万円と高額。クラシック路線のビッグバイクでベストセラーのカワサキZ900RSは143万円(2023年モデル 一定の整備費を含むカワサキケア込み)だけに、価格面も課題になったはずだ。
結局、このCB-Fコンセプトはコンセプトモデルの段階で凍結され、市販版の開発は見送られたと考えられる。その代わりに、生産終了予定だったCB1300を存続させることになったのではないだろうか。
ちなみにCB-Fコンセプトはスペンサーカラーをまとっていた。このカラーで華々しくデビューするはずだったCB-Fがお蔵入りになったことで、2023年型CB1300にスペンサーカラーが導入される……とも推測できるのだ。
――CB1300シリーズは2007年までベストセラーを重ねてきたが、近頃は販売が芳しくない。2021年にクルーズコントロールなどを採用して魅力をアップしたが、販売計画1600台に対して実績は904台(二輪車新聞推計値)に留まっている。4853台(同)のZ900RSとは5倍以上の開きがあるのだ。
そこで、30周年モデルと虎の子のスペンサーカラーでテコ入れを図る。400cc4気筒復活の噂はあるものの、同時期にデビューしたCB400SFは既に絶版が決定し、正統派CBである“BIG-1”は今やCB1300を残すのみ。ホンダを象徴するジャパンCBとして今一度盛り上がってほしいものだ!
2022年型ホンダ CB1300SF/SB主要諸元(参考)
・全長×全幅×全高:2200×795/825×1125【1135】/1205【1215】mm
・ホイールベース:1520mm
・シート高:780【790】mm
・車重:266/272kg
・エジンン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 1284cc
・最高出力:113PS/7750rpm
・最大トルク:11.4kg-m/6250rpm
・燃料タンク容量:21L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17、R=180/55ZR17
・2023年型予想価格:156万2000円【193万6000円】/167万2000円【204万6000円】
※【】内はSP仕様
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みんなのコメント
スペンサー世代に今からこれはきついんじゃないの。
歳取るほどに静かで低排気量でも十分かなと