■新型ガソリンエンジンモデルは2021年中に発売予定
独ポルシェAGは2021年5月10日、2023年に市場投入予定のミドルサイズSUV、次世代「マカン」のプロトタイプ公道テストを始めたことを発表した。
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開発中の次世代マカンは、ヴァイザッハのポルシェ開発センター性能試験場で初期テストを実施した後、はじめてポルシェ施設を出て公道テストをおこなうことになる。ポルシェAG研究開発担当取締役のミヒャエル・シュタイナー氏は「開発プロセスにおいてもっとも重要なマイルストーンとなる、現実環境でのテストが現在進行中です」とコメントする。
今後、世界中で約300万kmにもおよぶテストが実施される。
プレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)を用いた最初のポルシェモデルとなる、フル電動モデル(EV)となる次世代マカンは、2023年のデビューが予定されている。
実車を使ったテストだけでなく、デジタルを用いた開発プログラムも並行しておこなわれる。これは車両の特性、システム、およびパワーユニットを高精度で複製する計算モデルで、エアロダイナミクス、エネルギー管理、オペレーション、サウンドなど、多くの開発カテゴリーでのシミュレーションを目的とした20のデジタルプロトタイプがある。これらを用いることで、これまで発見されていなかった設計の矛盾を素早く特定して解決できるという。
エアロダイナミクス開発ディレクターであるトーマス・ヴィーガント博士は、「長い航続距離を確保するという観点から、空力抵抗を最小限に抑えることがフル電動モデルとなる次世代マカンにとって重要です。わずかな空気抵抗の増加が大きな違いを生み出す可能性があります。エンジニアたちは現在、シミュレーションを使用して、冷却エアダクトなどの細部を微調整しています。計算ではコンポーネントのさまざまな配置が考慮されるだけでなく、実際の温度差も反映されます」とコメントしている。
次世代マカンはセグメントでもっともスポーティなモデルになるように開発が進められている。「タイカン」と同様の800Vアーキテクチャを備え、長い航続距離や素早い急速充電などの目標が上げられているという。
またEV版マカンだけでなく、エンジンを搭載するもう1台の新型マカンも並行して開発中だ。
「ヨーロッパではEVの需要が増え続けていますが、変化のペースは世界中でかなり異なっています。そのため、2021年中に、エンジンを搭載した新型マカンを発売する予定です」と、シュタイナー氏は述べている。
エンジン搭載モデルの新型マカンは、将来的にはフル電動モデルとなる次世代マカンと一緒に提供される予定だという。
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