かつてマクラーレン600LT海外試乗会で開発者は小沢にこう教えてくれた。
「マクラーレンはクルマだけを売るメーカーではありません。同時に本物の体験もオーナーに提供(売る)するのです」。
シンプルだけれど美しい、メルセデスAMG初のグレードA35 4MATICに試乗
2013年から行われているマクラーレン・トラックデイ・ジャパン。今回は史上最多の107台が集結した。まさしくその通り、日本でもいよいよ味わえるチャンスが訪れた。11月3日に富士スピードウェイで行われたマクラーレン・トラックデイ・ジャパン。オーナー向けのサーキット体験イベントで、日本で行われるのは7回目。参加者はほぼみながマクラーレンオーナーで、人数は徐々に増えており、今回はスーパーシリーズの最新トップモデル、720Sを持ち込んでの参加者が多いとか。
残念ながら小沢はマクラーレン・オーナーではない。だが、今回はオーナー気分で存分に楽しむことができた。
まず体験できたのは滑りやすいウェット路面でのドリフト体験。実は720Sには、マクラーレンぐらいしか聞いたことがないバリアブル・ドリフト・コントロール(VDC)なる機能が付いている。言わばドリフト=リアの駆動タイヤの滑りを自動制御できるもので、それもドリフトアングルまで調節できるとか。
ただし、今回は残念。極低速、それも滑りやすい路面では、滑りが速すぎて制御が困難。VDCは基本もっとスピードが乗り、グリップが効くサーキットで使うものなのだ。
よって今回は人間VDC、つまり自らドリフトコントロールをする体験が出来た。しかし、これぞ本物のレーシング体験。助手席にプロドライバーを載せて、720Sに乗り、何回でもスピンできちゃうのだ。
マシンの声を感じ取れ!小沢は運転席に座り、トラクションコントロールを解除。ドキドキして順番を待つ。ご存じ720Sは、720馬力の4リッターV8ターボをミッドシップに搭載するスーパースポーツ。ナンバーこそ付いてるがパワー、ボディ剛性共にレーシングカーみたいなもので、同時にウェット路面とはいえ、それなりにグリップするし、スピンした時の衝撃はそれなり。覚悟してウェット路に出た。
マクラーレンの公式イベントとして初めて Senna GTR、720S GT3、570S GT4の3台が集結。デモンストレーションランを行った。まずは教官に教えられるがまま、ステアリングを一定に切り、アクセルを開け、ある程度スピードが乗った頃に一旦アクセルを閉じて、適度なタイミングでアクセルを開ける。こう見えてレース経験がある小沢だ。ある程度、ドリフトコントロールには自信があったが、どうにもタイミングが悪いのと、アクセルを強く踏みすぎてしまい、ドリフトどころかアッという間にリアが滑ってスピン!
サーキットを埋め尽くしたマクラーレンたち。こうしたレアなシーンを見ることとが出来るのも自動車ビッグイベントの醍醐味だろう。すぐさま教官は言う。「進入スピードが速すぎる」「それとアクセルをオフしてからもう少し待ってください」。なるほど。自分のイメージよりタイヤはもっと早くブレイクするのか! フロント荷重のかかり方もゆっくりかかるようだ。
どうにも感覚と合わないが、言われた通りに「スピード足らない!」というくらいゆっくりなスピードで、少し待ってからアクセルを踏むと、おお! まずは半周のドリフトコントロール成功。途中からはかつての経験を思いだして、カウンターステアも当てられた。
そう、スーパースポーツでも結構低いスピードでタイヤが滑りだすし、よくよく見ているとフロントがググっと路面に食いつくのが分かる。教官は言う。
「もっと感じてください。自分の過去のイメージ以上に、クルマの反応をよく見ていればいつステアリングを切り、アクセルを踏むべきか分かります」
おお、まさにスターウォーズでいうフォース!? ではないが、答えは既に目の前にあるようだ。ただ、その情報を正確に小沢がツカミ切れてなかっただけなのだ。
そして4~5回のチャレンジ後、とうとう一周ドリフトコントロールが出来た。まずはこれくらいでヨシ。けん玉みたいなもので、この辺りは徐々に覚えるしかない。
マクラーレンはコスパがいい!?いよいよ午後のメインコース試乗。乗ったクルマは570馬力の570Sだ。そしてこれまた走行メニューがイカしてる。初心者向けの、先導付きでスピードを思うように出せないクラスもあるが、エキスパート向けで、先導車のない自分の好きなスピードで好きに走れるクラスまであるのだ。
小沢は両方を体験したが楽しかった。なんせマクラーレンの中ではベーシックな570Sだが、570馬力のカーボンモノコックのミッドシップマシンである。借り物なのでそれほどの限界チャレンジはできなかったものの、それでもやっぱりマクラーレンは面白い。
スピードもさることながら、クルマが限界を教えてくれるのだ。ボディ全体、腰で感じる部分もあるが、なによりステアリングフィールだ。知る人ぞ知る事実だが、マクラーレンは決して4WDスポーツを作らない。それはフロント駆動にするとフィールが鈍くなることを知っているからだ。よってその分ステアリングはとにかくヴィヴィッド。ヤバい時はふとフィールが軽くなってそれを教えてくれる。
ってな具合に楽しかった今回のトラックデイだが、それ以上に印象に残ったのは現在マクラーレン・セナの購入を考えている、あるスーパーカーオーナーの言葉だ。彼はポルシェ・カレラGTやエンツォ・フェラーリも所有しているそうで、どのクルマでもガンガンにサーキットを走らせるサーキットジャンキーらしく、最後にこう言い切った。
「マクラーレンはね。コスパがいいんですよ。どのクルマも値段以上に間違いない走りをしてくれますから。比べるとエンツォはコーナリングの途中でときどきGが抜けちゃいますから(笑)」
プロではない、ハイアマチュアなレーシングドライバーの意見ではあるが言葉に嘘はないだろう。
マクラーレンはスポーツカーとしての本質を決して外さない、本物のレーシングカーとして見た場合に常に安い! だからこそこういうイベントも出来るのである。
文・小沢コージ 写真・マクラーレン オートモーティブ 編集・iconic
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