現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【名車列伝】軽自動車64馬力規制のきっかけになったスズキの激速マシン

ここから本文です

【名車列伝】軽自動車64馬力規制のきっかけになったスズキの激速マシン

掲載 更新
【名車列伝】軽自動車64馬力規制のきっかけになったスズキの激速マシン

それまで50馬力だった最高出力を一気に64馬力まで引き上げた

1989年に運輸省(現・国土交通省)の要請によってスタートした馬力規制は乗用車のみならず、軽自動車、2輪車でも行われた。とくに2輪車は排気量区分ごとに定められた厳しいものだった。

【絶滅危機】昭和のクルマに欠かせなかった懐かしアイテム3選

軽自動車の64馬力という馬力規制の発端となったのは1987年2月登場のスズキの初代アルトワークス(550cc直列3気筒ツインカムターボ)。

それまで50馬力だった軽自動車の最高出力を一気に64馬力まで引き上げ、ライバルを一気に引き離した。このアルトワークス登場をきっかけに、他メーカーもそれに追従した。この状況を見かねた運輸省が「過度の馬力は違反や交通事故増加に繋がる」と判断し、普通乗用車同様に馬力規制を要請した。普通乗用車は自動車開発の妨げになると2004年に撤廃されたが、国内規格の軽自動車は今も64馬力規制が続いている。

2輪車も4輪車同様にメーカー各社がパワー競争を行ってきたことが自主馬力規制に繋がった。ただし、4輪車は普通乗用車が280馬力、軽自動車は64馬力と規制値しかなかったのに対して、2輪は排気量ごとに細分化されていた。

具体的には1989年には50cc/7.2馬力、125cc/22馬力、250cc/45馬力、400cc/59馬力、750cc/77馬力、1000cc以上が100馬力などと設定。1992年には人気の高い250ccと400ccクラスが40馬力、53馬力へとさらに引き下げ。それまで10%以内は認められていた測定誤差も撤廃されるなど厳しくなった。

これは空前規模の2輪車ブームに冷や水をかけることとなり、人気は下火へと向かっていったが、1996年に大型2輪免許の教習所取得が可能となったことで、バイクブームが再燃。規制を受けない輸入仕様を購入するといういびつな販売経路などが起こったことや、交通事故死者数が減少したことから、2007年7月に馬力規制を撤廃された。

ちなみに現在2輪車でもっとも高いスペックを誇るのは市販車がカワサキのZX-14R(1400cc)の200馬力/16.6kg−m。

公道走行不可モデルまで範囲を広げるとカワサキのH2R(1000cc×スーパーチャージャー)がなんと310馬力/16.8kgmという圧倒的なスペックをたたき出している。

(文:GT-R magazine編集部 山崎真一)

こんな記事も読まれています

[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
[300馬力超]爆速の軽自動車が誕生!! マツダの軽「シャンテ」にロータリー搭載が最高だった
ベストカーWeb
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(2)
AUTOSPORT web
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
2024年F1第6戦マイアミGP予選トップ10ドライバーコメント(1)
AUTOSPORT web
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
イケイケなフィアット「パンダ」も大雨には勝てず…イタリアの最新道路事情を私的にレポートします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
佐藤凛太郎インタビュー:「父と同じ道を進みたい」琢磨の息子がPONOS RACINGからFIA-F4デビュー
AUTOSPORT web
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
小さな「万能SUV」がマイチェン 熟成のフォルクスワーゲンTクロスへ試乗 95psでも魅力的
AUTOCAR JAPAN
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
なぜホンダ「N-BOX」が日本一売れているクルマなのか? Z世代が試乗してわかった軽の枠を超えた快適性と便利さとは
Auto Messe Web
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
アロンソのペナルティに関する再審査請求をスチュワードが却下。アストンマーティンF1の新証拠には重要性が認められず
AUTOSPORT web
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
6.5リッターV12搭載のフェラーリ新型モデル『12チリンドリ』登場。スパイダーも同時デビュー
AUTOSPORT web
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
ベースは極上2002 クーペ BMWガルミッシュ(2) 現代のカロッツエリアが見事に再現
AUTOCAR JAPAN
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
BMWガルミッシュ(1) 巨匠ガンディーニによる先取り3シリーズ 同意を得ず「密かに」製作!
AUTOCAR JAPAN
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
充電環境もプレミアムブランドにふさわしく
グーネット
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
ルクレール予選2番手「マシンは良い状態で、大きな修正は必要なかった。明日は優勝を狙う」フェラーリ/F1第6戦
AUTOSPORT web
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
GW明けだけど渋滞あり! 中央道の東京区間で交通規制 NEXCO中日本が迂回呼び掛け
乗りものニュース
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
「信号待ち」はフットブレーキを踏む? それともギアを「Pレンジ」に入れる? どっちがクルマに優しく安全なのか
くるまのニュース
プラモ作りにデコチャリからデコトラ運転手という王道コース! 一時落ち着くもSNSを通じてデコトラ熱が再燃したアラフィフの日常
プラモ作りにデコチャリからデコトラ運転手という王道コース! 一時落ち着くもSNSを通じてデコトラ熱が再燃したアラフィフの日常
WEB CARTOP
“63”だからこそ得られる快感──新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペ試乗記
“63”だからこそ得られる快感──新型メルセデスAMG GLE63 S 4MATIC+クーペ試乗記
GQ JAPAN
MotoGPの新レギュレーションが発表。2027年からエンジンが850cc化、エアロダイナミクスも規制強化
MotoGPの新レギュレーションが発表。2027年からエンジンが850cc化、エアロダイナミクスも規制強化
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

153.8168.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0400.0万円

中古車を検索
アルトワークスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

153.8168.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0400.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村