「えー、そこまで、何も思っていないです。まあ、契約を更新することはわかっていたので」
6月4日にレッドブルがセルジオ・ペレスとの契約を延長したことに関して質問された角田裕毅(RB)は、そう語った。その様子はレッドブルへの移籍が完全に絶たれたという感じではなかった。
角田裕毅、3基目PUでのカナダで初日8番手「ウエットでもドライでも自信がある」チームは「モナコの学習が役立っている」
「2年と言われていますが、この世界、何が起きるかわからないので、自分のパフォーマンスに集中して、彼ら(レッドブル)に納得してもらうだけです」
角田はそう言って、将来的なレッドブル昇格への道が閉ざされていないことを示唆した。
とはいえ、少なくとも2025年のレッドブルのシートに空きはない。そうなると、現時点で角田がF1にとどまるために最も可能性が高いチームは現在所属しているRBということになる。
「VCARB(ビザ・キャッシュアップRB)とは話をしています」
レッドブル・ファミリー以外のチームとは交渉していないのだろうか。
「ほかのチームも僕に関心を持ってくれていたので、話はしていました」
そう角田は語った。
現在、ドライバーズ選手権でアストンマーティンのランス・ストロールを上回る10位につけている角田には、レッドブル・ファミリー以外のチームからも興味が集まっている。ただし、F1の世界でシートを手に入れるには交渉術も大切だが、それ以上にコース上でのパフォーマンスが重要になることは角田がだれよりも理解している。
現在、角田はマイアミGPから3戦連続で入賞している。これは2021年にF1にデビューして以来、初めてのことだ。
「特にそこ(連続入賞)は意識していませんが、いい流れで来ているのはいいこと。ただ、僕は1戦1戦、気持ちをリセットして臨んでいます。特に今回のカナダGPは週末がずっと雨となる予報なので、難しくなる。それに備えるとともに、そのような状況でも自分の力を最大限発揮したい」
カナダGPは初日、角田が言っていたように雨がらみのセッションとなった。濡れた路面に足をすくわれ、マシンにダメージを与えるドライバーがいるなか、角田はフリー走行1回目は9周を走行して12番手で終え、フリー走行2回目は8番手で終えた。
「カナダGPでも、何も特別なことはない。これまでと同じようにフィードバックをしっかり行い、チームとしっかりとコミュニケーションを取りながら戦うだけです」
モントリオールの空は雲で覆われているが、角田の心は一点の曇りもない。
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後方からの坊っちゃんミサイルに注意
そんなチームに角田は昇格したいのだろうか。