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トヨタが「ドリフト練習会」を開催!? “一流ドライバー”講師による「TGRDスライドコントロールプログラム」とは

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トヨタが「ドリフト練習会」を開催!? “一流ドライバー”講師による「TGRDスライドコントロールプログラム」とは

■GR86による「ドリフト練習会」 どんなイベント?

 モータースポーツが好きな人ならば、「自分もサーキットを走ってみたい」とか、「ラリーで見る豪快なドリフトをしてみたい」「もっとクルマの運転を上手になりたい」。そう思っている人は多いはず。
 
 プロドライバーが親身になって教えてくれるプログラムは数多くあり、TOYOTA GAZOO Racingも「TOYOTA GAZOO Racing Driving experience」(以下TGRD)を全国各地のサーキットを中心に開催しています。

【画像】トヨタ開催の「ドリフト練習会」はどんなイベント!? GR86の「スライド走行」の様子を写真で見る(37枚)

 ベーシックコースではシートポジションの合わせ方から始まり、ステアリングの操作方法、フルブレーキやスラローム走行を体験します。

 アドバンスコースではブレーキングや荷重移動の反復練習。サーキットコースでは先導走行に加え、フリー走行時のライン取りなどを学ぶことができます。

 ここまでは多くのドライビングスキルを学ぶ練習会と同じですが、TGRDはなんと本格的にドリフトの基礎を教えてくれるプログラムを開催しました。

 その名も「TGRDスライドコントロールプログラム」です。自動車メーカー系のプログラムでドリフトを教えるということはなかなかできませんが、そこを打ち破るのはさすがトヨタです。

 今回のスライドコントロールプログラムは、富士スピードウェイにあるマルチパーパスコースで行われました。ドリフト大会などもおこなわれるコースで、練習にはもってこいの広場です。

 このプログラムを監修したのは、GR86の開発ドライバーも勤めている佐々木雅弘氏。今回は井口卓人氏、松井孝充氏、蒲生尚弥氏という現役ドライバー、そしてAE86と86、GR86の3台が連なってドリフトを決めるカッコいいTVCMでAE86を操った高橋滋氏といったプロドライバーが講師を勤めました。

 参加車両はGR86のMT車に限定されました。

 これはGRのクルマを購入したユーザーに、そのクルマを使ってもっと楽しんでもらいたい、「GRのクルマを買って良かった」と思ってもらいたいという思いから企画されたそうです。

 さらに、ドリフトテクニックとしてサイドブレーキやクラッチを使ったターンやカウンターステアを学ぶには最適な車両だから、ということもあります。

 実際のプログラムの中身はというと、

・STEP 1 180度ターン
・STEP 2 360度ターン
・STEP 3 90度サイドターン
・STEP 4 180度サイドターン
・STEP 5 カウンターステア

 というプログラム内容ですが、まずはドライビングポジションの合わせ方からレクチャーが始まります。

 サーキット走行でもドライビングポジションは重要ですが、スライドコントロールではステアリング操作はもちろん、サイドブレーキ操作もおこなうこともあり、ドライビングポジションは非常に重要です。

 ブレーキやクラッチペダルを踏み切ってもシートバックから肩が浮かない、ステアリング操作がしやすい角度などが講師から教わります。

■未経験者でも「ドリフト」できる? 本格的なレッスンの全貌は

 そしてトレーニングが始まります。まずは180度ターンから。

 ステアリングを左右どちらかに目一杯切った状態から、エンジン回転数は6000回転を目安に上げて、クラッチを繋いでホイールスピンをさせてくるっと回る。

 この動作も通常運転ではおこなわないことなので、最初はおっかなびっくりだったり、うまくホイールスピンをさせることができませんが、何回もやっていると徐々にホイールスピンができるようになります。

 段々と慣れてくると180度ターンができるようになり、そのままアクセルを踏んでいれば360度ターンもできるようになっていきます。

 次のトレーニングはサイドブレーキを使って90度ターンです。

少し距離をとって速度を上げつつ、クラッチを切る→思い切りサイドブレーキを引く→ハンドルを切る。この動作を連続して瞬時に行うと90度ターンができるようになります。

 ここで重要なのがしっかり横に90度回ったときにクルマを止めることを意識することです。

 サイドブレーキを使って曲がることは簡単にできても、止めるということができずにダラダラと動いてしまいがちですが、しっかり止まることを意識してサイドブレーキをガツっと引くことを意識します。安全のためにもしっかりと止まれるということが重要です。

 90度サイドターンができると今度はその勢いを生かして180度ターンもできるようになります。

 この90度サイドターンと180度サイドターンは何度も何度も時間をかけて練習します。もちろん左右両方できるように、向きを変えて練習をおこないました。

 ここまでのトレーニングをじっくり何度も繰り返すことによって、クルマが横を向くことにも感覚的に慣れていき、ステアリング操作も自然とカウンターステアを少しずつ当てられるようになっていきます。

 最後はカウンターステアの練習です。6000回転をキープしながらアクセルコントロールだけでその場を周りながらカウンターステアを当てていく練習をおこないます。

 180度や360度ターンでクルマが回ることを経験しているので、クルマの向きを気にしながらカウンターステアを当てられるようになっていきます。

 講師が一人一人に対して適切なアドバイスを送ってくれるのと、「今のは良かった」「その調子で!」と励ましてくれるのも練習にも身が入ります。

 最初は180度ターンもできなかった参加者が、最後にはしっかりカウンターステアをあてながら回転できるようになっています。1日でここまで上達するものか。と見ていて驚きを隠せません。

 最後はプロドライバー同士の華麗なドリフト走行のデモランを見て終了です。何台ものクルマが連なってドリフトをしている姿はカッコいいですね。

■GR86を思い切り楽しめるプログラム 参加者や講師陣はどう感じた?

 プロドライバーがマンツーマンで講師を務める「TGRDスライドコントロールプログラム」。

 参加した方にお話をお伺いしました。

 赤いGR86オーナーの長沢忍さんは、以下のように話します。

「22年間セリカに乗っていたのだけど、GR86が出て試乗をしてみたら思いのほか気にいってGR86を購入しました。

GR86はトルクもあって走りやすいし、FRの良さを体感できるので乗っていて楽しいです」

 長沢さんは「走行会に参加したことや仲間内でのジムカーナなどをしていた」と話すので、今回のサイドターンも簡単にできるかと思い聞いてみると、「FF車はサイドを使わないので結構難しかったです」とのこと。

 今回は、せっかくGR86を購入したので、走行会など参加してみたいと探していたところ、今回のスライドコントロールを見つけたそうです。今後もTGRDに参加していきたいと、参加に前向きな様子です。

 続いて、白いGR86オーナーの星野竜太郎さんに話を伺いました。

「ZC31のスイフトスポーツ(2代目)に乗っていたのですが、エンジンがブローしてしまい、次のクルマを探していて、スポーツカーを見ているなかで、たまたまGR86を代車で乗ったときに、これいいなと感じました」と、代車で乗ったことがきっかけで購入したそうです。

「スイフトでグリップ走行を楽しみながらサーキットも行っていたのですが、そのときにステリング操作に癖がついてしまったようで、今回FRでドリフトするのにその癖の修正を教えてもらいました。プロドライバーに教えてもらえて良かったです」

 その人の癖を見抜き修正してもらえるのもTGRDの良さですね。

「今後はマフラーをワンオフで作ってもらって、フルバケのシートを入れてカスタムしながら、ドリフトをもっと練習して上手になりたいです」と目をキラキラさせながら語ってくれました。

 昔から国産スポーツ車を乗り継いできたという赤GR86オーナーの小寺祥一さんはこのように話します。

「若い頃に乗っていたTE71時代が最後のFR車だったかな、その後AE92に乗ってFF車になったからね。今回のGR86が久しぶりのFR車だよ」と昔を振り返りながら語ってくれました。

 現在所有のGR86については、「ちょっと車高を落としてマフラーを変えたくらいだけど、乗っていて楽しいクルマだよね。カスタマイズもこれくらいにしてあとはファンドライブを楽しみたい」と、GR86の本来の楽しさを求めていくようです。

 講師陣の井口卓人選手、松井孝充選手、蒲生尚弥選手の3人は、あまりドリフトのイメージがなさそうですが、井口選手は昔ドリフトの大会に参加していたことがあったそうです。なので、この日も華麗なドリフトを見せていました。

 松井選手と蒲生選手は「じつは隠れて隙をみつけて結構練習しています」と照れ笑いで「コソ練」していることを語ってくれましたが、そこはプロドライバー、かなりのドリフトを見せてくれました。

 講師陣に今回のスライドコントロールプログラムの感想をお伺いしました。

「初めてドリフトをしてみる方が多く、1日やっているとだんだん上達していくのを見て、ターンがうまくできて笑顔になってくれると、教えている側も嬉しいです」「Don’t think FEELの気持ちで楽しんで!」と笑顔で楽しさを語ってくれます。

「GR86は以前の86に比べて排気量も上がったことでパワーとトルクも上がっているので、ドリフトしやすいクルマに仕上がっています。操作もしやすくて走りやすい良いクルマです」

 またドライビングテクニックとしても有効なことを次のように教えてくれました。

 ドリフトの操作を覚えることで、サーキット走行をしたときや、一般道での危険回避やリカバリーにも役立ちます。そういった意味でもドリフトの基礎のドライビングテクニックを経験しておくのは、いろいろな場面に役立ちます」

 2023年もTGRDではスライドコントロールプログラムを開催予定だというので、気になった方はTGRDのHPをこまめにチェックしてみましょう。

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みんなのコメント

11件
  • ドリフトとスライドコントロールは似て非なる事。
    出来ない(しない)より出来た方がコントロール能力は上がる。
    出来ない(しない)方のムリクリ話が悲しい…
  • これに参加するとオイルシール詰まりからのエンジンブローは保証されませんwww
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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