ルノーの5ドアハッチバック「メガーヌ」をベースにしたハイパフォーマンス・ヴァージョン「R.S.」の新型に小川フミオが試乗した。
ものすごく楽しいクルマ
自動車好きにはうれしいのが、このところ、運転がほんとうに楽しめるホットハッチ(高性能ハッチバック)が充実してきたことだ。ルノー・ジャポンが、2021年3月4日から販売開始した新しい「メガーヌR.S.」も、すばらしい内容を有する1台だ。
SUVやクーペについ眼がいきがちかもしれない。でも、ホットハッチのおもしろさも捨てがたい。日本では、トヨタ「GRヤリス」やホンダ「シビック・タイプR」、海外では、メルセデスAMG「A45 S 4MATIC+」やミニの「ジョンクーパーワークス」、それにアバルト「595」など、多種多様だ。
そうしたなかメガーヌR.S.はフランス代表として、おおいに奮闘している。ひとことでいって、ものすごく楽しい。おなじぐらいの性能ぶりを後輪駆動のクーペやセダンで味わおうと思ったら、価格はうんと高くなる。手軽にクルマを運転する楽しさを堪能できるという点で、あらゆる層のクルマ好きに勧めたい。
メガーヌR.S.は、F1を含めたモータースポーツを担当するルノースポール(英語のスポーツ)にあって、レース車両を開発するルノースポール・レーシングが培ったノウハウを活かしてクルマづくりを手がけるルノースポール・カーズ肝煎りのモデル。
現在5代目となるハッチバック、メガーヌに「R.S.」モデルが設定され、日本で販売開始されたのが2018年8月30日。「R.S.」モデルとしては3代目にあたる。今回のマイナーチェンジの眼目は、出力アップ。従来の280psから300ps(221kW)/6000rpmにパワーが向上し、最大トルクは390Nm/2400rpmから420Nm/3200rpmへと増した。
ホットハッチ好きなら、メガーヌR.S.シリーズにはさらに走りに特化したメガーヌR.S.トロフィー(MTと、6段ツインクラッチのEDCの2モデル)があるのはご存知だろう。こちらは、強化されたシャシーや、トルセンタイプのリミテッドスリップデフなどを装備。かつ、今回同時におこなわれたマイナーチェンジで、ローンチコントロールがMTモデルにも搭載された。
つい、ひとは、上を見たくなるものである。たしかに、R.S.トロフィーはレーシングカーなみのスポーツドライビングが出来るモデルだ。でも、日常的に使うのが前提ならば、今回乗ったメガーヌR.S.でも存分にスポーティなドライブを堪能できる。
スムーズなエンジンと得意のカーブ
いいところの第1点は、はじけるような加速性能だ。1798cc直列4気筒ガソリンターボ・エンジンは、応答性を上げるためセラミック製ボールベアリングを軸受けに使い、摩擦を従来の3分の1に低減したとされるターボチャージャーが備わる。発進から回転計のレッドゾーンまで、ウルトラとつけたいぐらいスムーズにまわる。
さきに数値を示したとおりで、パワーとトルクは、車重1.5tを切るこのクルマには充分。排気を中心とした乾いた快音を響かせながら、クルマが疾走していくフィールは、極上というかんじだ。エンジンパワーは”適度”で、クルマに振り回されることもない。
絶対的な速度はより大きな排気量のクルマにかなわない部分があるけれど、こちらは、エンジンをまわして走れる楽しさが身上だ。レッドゾーン近くまで引っ張ったときのパワー感には、ぞくぞくするものがある。ルノーもそう遠くない将来、電動化へ進むことを表明している。そうなると、こんなにエンジンが楽しいクルマはなくなってしまう。
このクルマの真価はカーブで発揮される。これがいいところの第2点。安定しつつ、鋭いコーナリング性能には眼をみはるばかりだ。
剛性の高いシャシーと、つねにタイヤの中心に荷重がかかるよう設計された「ダブルアクシスストラットサスペンション」と、「4コントロール」という電子制御式4輪操舵システムのおかげだ。ステアリングの正確性も特筆ものである。
先進運転支援装備も拡充!
くわえて、ルノー・スポールがカヤバと開発した「4輪HCC(ハイドローリックコンプレッションコントロール)」と名づけられたダンパーも”いい仕事”をしてくれている。
機構的には、ダンパーの筒のなかにもう1本の筒(セカンダリーダンパー)を組み込んでいるという。通常は少し硬めの乗り心地だけれど、フラットライド。同時に、路面への追従性を高めているため、タイヤのグリップをしっかり確保するというふれこみだ。
ドライブモードセレクターの「ルノー・マルチセンス」も組み込まれている。燃費重視の「Save(セーブ)」をはじめ、「スポーツ」「レース」それに各種設定を任意で組み合わせられる「マイセンス」の4つのモードから構成される。一般道でも楽しいのは「スポーツ」。パワーと操縦性をバランスさせたこのクルマの魅力がたっぷり味わえるモードだ。
人工スウェードを中央に使ってドライバーが滑らないデザインのバケットシートと、人工スウェードとスムーズレザーのコンビネーションによる操作性のいいステアリング・ホイールなど、コクピットも凝っている。これは魅力の第3点目といってよい。
それと、今回あたらしくなったメガーヌR.S.では、一般消費者にアピールするポイントの第4点目があった。
アダプティブ・クルーズ・コントロールや衝突被害軽減ブレーキが装備されたのである。前者はロング・クルーズの快適性を高めるはず。パーキングブレーキもスウィッチ・タイプに変更された。
ライバルは、シビック・タイプR(475万2000円)だろう。シビック・タイプRにはマニュアル変速機しか設定がなく、足まわりはよりスポーティに締め上げられている。なので、クルマとして比較するなら、R.S.よりスポーティなトロフィーMT(494万円)が好敵手だ。
今回のメガーヌR.S.は464万円。価格でいえば、GRヤリスのトップモデル「High Performance」(6MTで456万円)とも近い。ただし、そのままサーキットに走りに行けそうな、このGRヤリスに対し、メガーヌR.S.はすこしマイルド。毎日乗っても楽しめるのは、メガーヌR.S.だ。車体も大きすぎず、よいパートナーになってくれるクルマである。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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