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スポーツカーからセダンまで百花繚乱! 日本が誇る直列6気筒エンジン搭載車を振り返る

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スポーツカーからセダンまで百花繚乱! 日本が誇る直列6気筒エンジン搭載車を振り返る

日本初の直6エンジン搭載車は日産セドリック

 トヨタGRスープラが直列6気筒エンジンで復活し、メルセデスもマツダも直列6気筒エンジンでのクルマで勝負に出てくるのが最近のひとつの流れでしょう。世界初の直列6気筒エンジンは、現在は自動車生産国として余りメジャーではないオランダで登場したことを紹介しましたが(【100年以上の歴史を持つ名機 直6エンジンの技術と歴史を振り返る】)、今回は、日本国内における自動車用直列6気筒ガソリンエンジンの歴史を振り返ってみましょう。

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 自動車用ガソリンエンジンとあえて言うのは、産業機械や船舶・鉄道車両用にも直列6気筒エンジンがあり、また自動車用でもディーゼル直列6気筒がありました。大型トラックなど大排気量車には多気筒化が必須だったのでしょう。1957年に登場したトヨタの大型トラック用のD型エンジンなどはその好例です。写真は名古屋市にあるトヨタ産業技術記念館にて撮影したものです。直列6気筒、5890cc、110HP/2600rpm。

 ということで、自動車用の直列6気筒ガソリンエンジンに限って話を進めて行くことにします。

60年代には国産直6エンジンが相次いで登場 

 戦後に制定された道路運送車両法の車両規定が、1960年には13年ぶりに改訂されました。それまで1.5リッター以下とされていた小型自動車のエンジン排気量が2リッター以下まで、と拡大されたことで、国内メーカー各社は2リッターエンジンの開発に力を注ぐことになりました。

 一方、エンジンの排気量が2リッターを超える普通乗用車についても新たなエンジン開発を進めるメーカーも出てきました。

 そして63年2月に日産が、60年に登場した初代セドリック(30系)の追加モデルとして普通乗用車のセドリック・スペシャル(H50)を登場させましたが、これに搭載されている2.8リッターOHVのK型エンジンが、国産初の自動車用直列6気筒ガソリンエンジンとなりました。写真は、日産ヘリテイジ・コレクション(神奈川県座間市)所蔵のヘッドライトが縦4灯から横4灯に変わった後期型=1964年式のセドリック・スペシャル6です。

 それから4ヶ月後にはプリンスから、2代目グロリア(S40系)にグロリア・スーパー6が追加設定されています。こちらに搭載されていたG7型エンジンは、小型乗用車の枠に収まる2リッターの排気量でしたが、量販モデルとしては国内初のSOHC機構を採用していたことで注目を集めることになりました。写真は日産ヘリテイジ・コレクションの67年式です。

 さらに翌64年には三菱から初代デボネアが登場します。こちらもグロリアと同様に小型車枠の2リッターで、バルブドライブはプッシュロッドとロッカーアームでバルブを駆動するOHVでしたが、全車が直6のKE64型エンジンを搭載していました。初代デボネアは、マイナーチェンジを重ねながら86年まで、実に22年の長きにわたってモデルライフを全うすることになりましたが、直6エンジン自体はデビューから6年後の70年に、直6/OHCの6G34型、通称“サターン6”にコンバートされています。

 67年式の三菱デボネアと、搭載された直6のKE64型エンジンは、愛知県は岡崎市にある三菱オートギャラリー(改修前)で撮影。

 改修後の17年に訪れた際にも同一の個体が出迎えてくれました。一方珍しい4ドアオープンのデボネア・フェートンは、岡山県は倉敷市にある“まび昭和館”で撮影。

 こちらの“まび昭和館”は昨年の台風による水害で大きな被害を受けたけれど、多くの仲間の協力もあって復興が進み、先ごろ営業が再開された、とのことです。

レース用エンジンをストリート仕様に変更

 2リッタークラスのベストセラーとなっていたクラウンのトヨタですが、直6モデルでは日産やプリンス、さらには三菱にも後れをとる格好となってしまいました。特に日産に対しては、直6の第二世代となるL型の投入にも先を越されてしまいました。しかし乾坤一擲、そんな後れを跳ね返すような魅力的な直6モデルが68年にトヨタにも投入されました。

 それがクラウン用に開発された直6SOHCのM型エンジンをベースに、ヤマハ発動機で開発されたツインカムヘッドを組み込んだ3M型を搭載したトヨタ2000GTです。

 全長=4175mm、全幅=1600mmと、初代のマツダ・ロードスターと比べても全長が少し長く、全幅が少し狭い程度のスリークなボディは、今から考えれば驚くほどコンパクトに仕上がっていました。しかし、小学生の小生にとっては、とても大きなクルマに映っていました。写真は、愛知県の長久手市にあるトヨタ博物館で撮影。

 一方、第1回日本GPでメーカー間の紳士協定をなんとも正直に守って惨敗していたプリンスは、第2回日本GPに向けて必勝態勢を敷くことになりました。

 TVIクラス(2000cc以下ツーリングカー)のグロリアとTVクラス(同1500cc以下)のスカイラインに加えて、GTIIクラス(2000cc以下のスポーツカー)にも参戦することになりスカイラインのノーズを伸ばしてグロリア用の直6エンジンを搭載したスカイラインGTを開発。ホモロゲーション(車両公認)を受けるために100台が生産されています。

 そしてこのスカイラインは、多くの国民が注目する日本GPでポルシェのレース用スポーツカーの904とバトルしたことで一挙に知名度が高まることになりました。

 プリンスはさらに翌65年の日本GP用にレース用スポーツカーのR380を開発しましたが、65年の日本GPは開催されませんでした。そこで最高速度記録の挑戦会を実施、アクシデントで世界記録には届きませんでしたが6つの国内記録を更新しています。

 R380に搭載されていたGR8型エンジンは、グロリアやスカイラインGT用の2リッター直6SOHCエンジンをベースにツインカム24バルブヘッドを組み込んだ純レース用エンジンで、気筒あたり4バルブは国産初のメカニズムでした。

 66年の8月にプリンスは日産に吸収合併されましたが、R380はプリンスR380からニッサンR380へと名を変えて活動を継続。そして69年にはR380直系の市販モデルが登場することになりました。

 それが前年の68年10月にフルモデルチェンジを受けて3代目に進化したスカイラインのトップモデル、2000GT-Rです。エンジン形式はS20を名乗っていますが、ツインカム24バルブのヘッドなど、R380のGR8型と基本設計は同じ。まさに市販車の皮を被ったレーシングマシンでした。

 65年式のスカイライン2000GTと66年式のプリンスR380、そして69年式のスカイライン2000GT-Rの3台はともに、座間にある日産ヘリテイジ・コレクションで撮影。

 この後、70年代になると各メーカーは公害対策に追われ、なかなか魅力的な直6エンジン搭載車は現れてきませんでしたが、公害対策が一段落した後は、再び、魅力的な直6エンジン搭載車が登場してきます。

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