モビリティリゾートもてぎで行なわれたスーパーGT第8戦。第5戦鈴鹿の延期により、最終戦ではなくシリーズ7戦目としての開催となったが、これを制したのは36号車au TOM'S GR Supraで、2年連続のシリーズタイトルを大きく手繰り寄せた。
まさに圧巻のパフォーマンスだった。ポイントリーダーでハーフウエイトのもてぎ戦に乗り込んだ36号車は、GT500の車両で最も重い53kgのサクセスウエイトを搭載しており(実際には36kgの車載ウエイトと燃料流量1段階ダウン)、ドライバーたちも厳しい戦いになることを予想していたが、予選ではQ2での山下健太の好アタックもあり3番グリッドを確保。決勝レースでは坪井翔が前を行くホンダ勢の2台を早々に攻略すると、以降は独走状態となった。
■ポールスタートの64号車Modulo伊沢、厳しいレースに終わるも前を向く「ネガティブな気持ちはあまりない」
最終的に、2位以下に20秒の大差をつけてチェッカーを受けた36号車。今季2勝目を挙げたことで、ランキング2番手に18点差をつけて最終戦に臨む。
この好結果には、ドライバーのふたりも逆に心配になってしまうほどだという。記者会見では「こんなに上出来で良いのかと思うくらい」と坪井が語ると、山下も「こんなにうまくいって大丈夫なのかなという思い」と同意する。
その後速さと強さの秘訣について質問が飛ぶと、坪井は「山下選手が速いですから(笑)」と笑顔を見せ、こう続けた。
「いや本当に、昨日の雨の予選で(山下が好タイムをマークして)3番グリッドを獲得できたから、優勝に繋がっています。それに36号車は決勝に強いクルマづくりを心がけていますし、タイヤ選択も失敗しません。ピット作業もめちゃくちゃ速いですから、後ろにいてもピットで前に出ることができます」
「それぞれがそれぞれの仕事をしっかりできていて、再現性があるので、お互いに『自分が頑張らなきゃ』みたいな変なプレッシャーを感じずに走れています。そこが強みなのかなと」
続いて山下は、次のように語った。
「基本的には同じですが、みんなひとりひとりが100%以上の仕事をしているというのが、強みだと思います」
「100%すべてが揃っているチームは実はあまり少ない印象を持っています。36号車は欠点がないところも強さだなと思います」
大きなリードを持って最終戦に臨む坪井と山下だが、ふたりとも優勝を目指す意識で戦うという。坪井は「チャンピオンはもちろん意識しますが、目先のレースをしっかり勝てるようにしたい」と語り、山下は「最後勝って終われるのがベストなので、シーズン3勝目を狙いたい」と意気込んだ。
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