1922年、イギリスにサイドカーを生産するスワロー・サイドカー・カンパニーが誕生した。ウイリアム・ライオンズとウイリアム・ウォームの両氏によって設立されたこのメーカーは、後にスワロー・コーチビルディング・カンパニーやSSカーズ、そしてジャガー、ジャガー・ランドローバーと社名を変更し、現在へと至っている。
その歴史はまもなく一世紀を迎えるが、この間に誕生したモデルにどれも特別な魅力を感じるのは、創始者であるウイリアム・ライオンズが、自動車の美しさに強く拘ったためである。
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2018年は、そのジャガーにとって特別な年だった。それは1968年以来、8世代にわたって生産が続けられてきたXJシリーズが、生誕50周年を迎えたためで、それを記念してジャガーは10月初旬のパリ・モーターショーで、歴代XJシリーズのディスプレイを行うことを早々に発表していた。はたしてパリ・モーターショーのジャガー・ブースは、どれほどに華やかで、また価値ある空間になるのか。ショーの開幕が近づくにつれて楽しみは増していったが、よもや自分自身に、そのブース設営を手伝うという、名誉な仕事が舞い込むことになろうとは。事情を理解するまでには正直かなりの時間が必要だった。
その名誉な仕事とは、1968年に誕生した初代XJ、すなわちXJのシリーズ1から、最新モデルのX351に至る8世代のXJのフルラインナップを、同じように世界各国から招集されたメディアや、いわゆるインフルエンサーのドライブでパリまで自走で運ぶというものだった。
イギリスとフランスの間に横たわる英仏海峡はカーフェリーを使うものの、走行距離は800kmを大きく超える。インフルエンサーの中には、無一文からファッション・デザイナーの道を駆け上がり、ジャガーはもちろん、ポルシェの熱狂的なコレクターともなったマグナス・ウォーカー氏の姿もあった。独特な風貌でも知られる氏のサクセスストーリーは多くの者の夢でもある。
スタート地点は、歴代のXJが生産されたジャガーのキャッスル・ブロムウィッチ工場。ここからまずは足慣らしとばかりに、コヴェントリー工場内にある、ジャガー・ランドローバー・クラッシック・ワークスのファクトリーを訪ねる。
時間としてはわずかに30分ほどの滞在だったが、54基のワーキングベイをフルに活用してレストアやメンテナンス作業が進められる光景は、まさに圧巻だった。ガレージに保管されている完成車などをじっくりと見学していけば、時間を忘れて軽く一日はここで休日を楽しむこともできそうだ。
パリまでのドライブツアーは、ふたつのコンボイに分かれて行われた。我々のグループに与えられたXJは、「ディムラー・ダブルシックス」(1973年・シリーズ1)、「ジャガーXJクーペ」(1978年・シリーズ2)、「ジャガー・ソブリン4.2」(1987年・シリーズ3)、「ディムラー3.6」(1988年・XJ40)、「ジャガー・XJ8」(2001年・X308)、「ディムラー・スーパーV8」(2008年・X350)、そして現行モデルのX351から史上最速のXJとして名高い、「XJ575 SWB」とXJ生誕50周年を記念した特別仕様車の「XJ50」というラインナップだった。
どれもそれぞれの時代を象徴するXJとして強く印象に残るモデルばかりだが、とりわけウイリアム・ライオンズの、美しさがライバルに対してジャガーの大きなアドバンテージになるのだ、という強い意志は、氏が存命だった時代、すなわちXJ40までの時代も、それ以後の時代もまったく変わらないことを、改めて知ることになった。
今回ドライブしたモデルで、とりわけ印象的だったのは、やはりシリーズ1と、シリーズ2クーペだった。いずれもエンジンルームにはスムーズなフィーリングに終始する5343ccのV型12気筒エンジンが搭載され、ほとんどストレスを感じることなく、イギリスのモーターウェイや、フランスのオートルートを、時には流れをリードして走ることも可能だった。
サスペンションの動きも乗り心地を重視しつつもスポーティな一面を常に感じさせ、したがってイギリスのB級国道のような狭く、タイトなワインディングが続く道でもリラックスして走りを楽しめる。シリーズ2のクーペは、当時から2ドアリムジンと呼ばれていたこともあり、その外観からも想像できるように、後席でもその居住性は十分に満足できるものだった。1855台というわずかな生産台数を考えれば、今後クラッシック・ジャガーとしての価値はさらに高まるだろう。
ルートの途中には、グッドウッドやル・マンなど、ジャガーのモータースポーツ・ヒストリーを語るには欠かせないヒストリックな場所も含まれていた。すべてのXJが無事にパリ市内に用意されたホテルへと到着したのは、モーターショー前日の夕刻で、この日に行われたディナーでは、長年ジャガーのデザイン部門を率いてきたイアン・カラム氏がスピーチの檀上に立ち、我々メディアにどのXJが最も魅力的なデザインであったかを質問した。
最も多くの支持を集めたのはシリーズ1、すなわち初代XJだったのだが、カラム氏はそれとは違う答えがあるとコメント。その答えとは、次世代のXJであると宣言してみせたのだ。
ジャガーXJが次世代モデルへとフルモデルチェンジされる日は近い。我々はどれほど魅力的な姿へと変貌したXJを見ることができるのだろうか。期待は大いに高まる。
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