プラス500ccの排気量がもたらす圧倒的なトルクフィール!
街乗りから楽しめるRB26DETT改3.1L仕様!
RB26DETTを3.1Lまで排気量アップ! どこから踏んでも鬼トルクが湧き上がるフルチューンBNR34登場!
RB26DETTと言えば、チューニングの手法は多くあるし、パワーだって上は1000psオーバーまでの目指せる最高峰のチューニングベース。
しかし、ショートストロークのエンジン特性からくる低速トルクの細さは、ストリートでは欠点として指摘される場合も多い。ハイチューンのGT-Rは街乗りが楽しくなくなくなる、なんて言われることも少なくない。
そこで、チューニングパーツメーカー各社が取り組んだチューニングの方向のひとつが、低速トルクを損なわない、あるいは向上させるためのチューニング。もちろん排気量の拡大もそのひとつ。というわけで、特にステージを限定しないストリート仕様として、屈指のパワーチューナー「ザウルス」が作り上げた1台がこのBNR34。
コンセプトは通勤や移動も楽しく行えるGT-R。そのために、まず選んだエンジン仕様がOS技研の3.0Lキット。これにより、パワーバンドを従来のチューニングより1000rpmも低回転により、乗りやすく・フレキシブルなエンジンに仕上げることに成功した。ちなみに、このエンジンはベースのRB30キットから、さらにボアが広げられて排気量は3.1Lとなっている。
タービンは、純正のごとくにまわってしまうGT2530を純正のレイアウトで装着していた時期もあるが、パワーチューンを趣味とする(!?)林代表には物足りなかったらしく、ミドルクラスのシングルタービンT78-29Dへと変更。F-CON Vプロ制御で675psと、耐久性をある程度確保できる範囲での高出力化を果たしている。また、ピックアップを向上させるため圧縮比はやや高めの9.0:1としているのも特徴だ。
もちろん、その他のパートのチューニングも徹底されている。冷却系では、ARCのサイドフロータイプのラジエターおよび3層インタークーラーを導入し、オイルクーラーはトラスト製をフェンダー内に設置する。
サスペンションはオーリンズの別タンク式で、車両の性格に合わせ幅広いステージに対応する減衰セッティングとしている。ドラッグレースやサーキットに傾倒する車両より、マイルドで安定する傾向といっていいだろう。もちろん、乗り心地も優先されている。
エクステリアは、ワンオフのローマウントウイングでストリート感を演出。カーボンのサイドステップはザウルスのオリジナルだ。ニスモのフロントバンパーやテールランプなども含め、ストリート仕様としてさりげなく要所のみドレスアップしているのが印象的。
ホイールはアドバンRS、タイヤは前後とも275/30-19。ブレーキは前後とも大型のブレンボとし、パワーアップ&タイヤのキャパシティ向上にあわせ制動性能も高められている。
ところで、OS技研のRB30キットはピストン・コンロッド・クランクを変更するだけの単純なキットではない特徴を持つ。というのは、RB26ベースでのボア&ストローク拡大の限界は通常2.8L程度までが限界だからだ。
そこで、OS技研ではさらにストローク量を拡大するために(73.7mm→86mm)、シリンダーブロックとエンジンの間にスペーサーを挟み込み、スリーブを打ち込む方式を採用した。これによりピストンの首振り量も許容範囲内に収めながら、排気量を3.0L(86φ×86mm=2970cc)まで拡大することに成功している。
なお、スペーサーと共に組み込まれるスリーブは、オープンデッキとされ強度だけでなく放熱性能も高められている。この車両はトルクを求めたストリート仕様に使っているが、ハイパワーチューンへの対応も十分可能なキャパシティなのである。
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