商用ワンボックスから乗用へ
ホンダの「ステップワゴン」が誕生したのは1996年5月のことであった。
【画像】新型まもなく【歴代ステップワゴンと新型を見る】 全58枚
振り返ってみれば1990年代は「ミニバンが認められた時代」といえる。
それ以前の箱型でスライドドアを備えた多人数乗れるクルマはミニバンではなく、「ワンボックス」と呼ぶ商用車のイメージが強かったのだ。
ところが1990年代に入って、1990年にトヨタの「エスティマ」とマツダ「MPV」、1991年に日産「バネット・セレナ」といった、乗用車テイストの強い、いわゆる「ミニバン」が登場。
それぞれにヒットしたことで、にわかにワンボックス・ブームが到来する。
ホンダも、そうした流れに乗ろうとしたが、背の高い箱型の車形を作る生産設備がなく、苦肉の策として1994年に「オデッセイ」を投入。
このモデルが存外のヒット作になる。
そして背が低く、普通のドアだけど、3列シートで7人乗れるという新たなジャンルを生み出すこととなったのだ。
そうした「オデッセイ」のヒットのかげで、ホンダは誰もが納得できる「ミニバン」を開発。
そして1996年に満を持して投入したのが「ステップワゴン」であったのだ。
初代は異例の大ヒット
1996年に登場した初代「ステップワゴン」の特徴は「FF 1.5BOX」であり「5ナンバーで最大クラスの室内空間」を備えていたこと。
また、シンプルですっきりとした直線基調のデザインも印象的であった。
「FF 1.5BOX」とは、運転席の前にエンジンを備えたボンネットがあり、後ろにハッチバック車のように箱型のボディを持つスタイルだ。
これは、エンジンを運転席下などに納め、真四角の箱型のボディを持つ、商用ワンボックスとはまったく異なるスタイルであったのだ。
こうした商用ワンボックスとは異なるスタイルと、シンプルでクリーンなイメージのデザインは、初代「ステップワゴン」の大きな魅力となったのだ。
また、価格はエントリーの5人乗りで150万円台から、8人乗りでも約180万台から220万円台であった。
また、2Lエンジンを搭載し、4WDモデルも用意されていた。
そんな初代「ステップワゴン」は、発売翌年となる1997年に約11万台が販売され、年間販売ランキングでは5位に躍り出る。
そして1998年は6位、1999年には3位を獲得するほどのヒットモデルとなった。
これは当然、当時のホンダ車としては最高の数字だ。
大きくなった2代目、小さくなった3代目
1996年登場の初代から、わずか5年後となる2001年4月に、ホンダは第2世代の新型「ステップワゴン」を投入する。
第2世代モデルはエンジンを収納するボンネットを短くして、その分、室内空間を拡大。
フルフラットモードなど多彩なレイアウトを可能とする3列シートも採用した。
そんな第2世代の「ステップワゴン」は、2001年に約11万台を売り、年間販売ランキング5位を獲得。初代と同様の勢いを見せた。
ところが2002年は11位、2003年は13位、2004年は20位とズルズル順位を落としてしまった。
この不振の理由としては、トヨタから2000年に新型「エスティマ」、2001年に「ノア」と「ヴォクシー」という強力なライバルが投入されたことが考えられる。
そして2005年5月にホンダは、第3世代となる新型「ステップワゴン」を投入。
第2世代の5年ぶりよりも、さらに短い4年目でのフルモデルチェンジを実施した。
この第3世代は新しい低床プラットフォームを採用することで、従来同等の室内空間を保ったまま、クルマの全高を75mm下げ、全長も45mm短縮。
小さくすることで取り扱いの良さを図ったのだ。
そして、3代目「ステップワゴン」は、2005年に約9万2000台を売り、販売ランキング7位、翌2006年に6位を獲得するものの、2007年は15位、2008年は20位と順位を落とす。
ちなみに2005年に日産から新型「セレナ」、2006年にはトヨタの新型「エスティマ」というライバルも登場している。
5代目で「わくわくゲート」登場
第4世代の「ステップワゴン」の登場は2009年10月。
先代モデルはボディを小さくしたが、今度の新型では全高45mm、全長50mm拡大。ボディを再び大きくしたのだ。
また、先代の後期に追加されたカスタムバージョンの「ステップワゴン・スパーダ」も最初からラインナップに用意されていたのもの特徴だ。
この第4世代モデルは、登場翌年の2010年に年間販売ランキング7位、2011年に11位、2012年に9位、2013年に10位となった。
2代目や3代目よりも息の長い売れ方をしたのだ。
そして2015年4月に現在まで続く、第5世代の「ステップワゴン」が登場する。
このモデルの特徴は、テールゲートに採用された「わくわくゲート」にある。
「わくわくゲート」とは、従来のテールゲートと同じように上下に開くだけでなく、ゲートの半分だけを横にも開閉できるようにしたものだ。
床下収納可能な3列シートとあわせることで、テールゲートからの乗降や、荷室への荷物の積み下ろしを容易にすることができる。
また、1.5Lのターボエンジンを搭載したのもトピックとなる。
ところが、この第5世代モデルの売れ行きは芳しいものではなかった。
発売翌年となる2016年の年間15位を最上位として、2017年には23位まで落下。
販売台数も年間5万台程度で推移し、2020年は約3万4000台にまで減ってしまっているのだ。まさに苦戦といったところだ。
厳しいミニバン界 新型はどうなる?
1996年の初代から、2015年登場の現行まで、5つの世代を重ねてきた「ステップワゴン」。
その売れ行きは、初代が最も勢いがよく、そして大きかった。そして第2世代、第3世代と代を重ねるにつれて、売れる量は減ってきた。
こうした厳しい数字の理由は、数多のライバルの登場、ミニバンブームの沈静化などが理由として挙げられる。
しかし、ミニバンのニーズが消えてなくなったわけではない。
ただ、競争が激しいというだけだ。
ホンダ全体として、日本市場における登録車と軽自動車の販売比率が、このところ徐々に軽自動車に傾いている。
軽自動車である「Nボックス」が大ヒットしていることで、全体の数字は維持できているものの、収益率の高い登録車の販売増大はホンダにとっても、強い願いのはず。
だからこそ、次世代の「ステップワゴン」にかける周囲の期待は大きいのではないだろうか。
第6世代となる新型「ステップワゴン」がどんな姿で現れるかに注目したい。
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みんなのコメント
他社じゃそんな失敗は殆ど無いでしょ
ステップワゴンはデザインとエンジンチョイスで失敗したものね、あと割高感のある強気な価格
新型がそんなミスをどう噛み砕いて糧にし登場するか楽しみです