独メルセデス・ベンツは9月10日、フランクフルトモーターショー(9月10日~22日開催)に出展するコンセプトカー「ヴィジョンEQS」を公開した。
メルセデスのEV専門ブランド「EQ」とフラッグシップセダンを示す「S」を組み合わせたモデルネームからうかがえるとおり、ヴィションEQSは将来のラグジュアリーサルーン像を体現したEVコンセプト。
官能的なデザインを目指したというエクステリアは、メルセデスらしい高級感とEQブランドの先進性を両立したもので、シルバーとブラックに塗り分けられたボディの境界にはブルーのライトベルトが入れられている。また、ヘッドライトは2つのホログラフィックモジュールによる「デジタルライト」となるほか、フロントグリルは188個のLED、リアエンドは229個のスリーポインテッドスターによって光輝く演出が加えられる。
高級ヨットからインスピレーションを得たというインテリアは、ブランドとして初めてダッシュボード全面をフロントトリムと融合。ボートのデッキのように乗員を包み込むデザインは、前後方向に空間的な拡がりを感じさせる贅沢なしつらえとなっている。シート表皮などには、あえて本革ではなく、人工素材のマイクロファイバーが用いられ、ルーフライナーも海洋プラスチックを含んだテキスタイルとなるなど、斬新なマテリアルが採用されていることも注目だ。
駆動方式は前後車軸にモーターを組み込んだAWDとなり、469馬力/760Nmの出力により0-100km/h4.5秒の俊足を発揮。一方、フロア下に格納される100kWhバッテリーにより、航続距離は700km(WLTP基準)に達し、350kWの急速充電を使えば20分で80%までチャージ可能とされる。また、将来的に完全な自動運転へ対応するセンサーシステムを内蔵する一方で、オーナーがステアリングを握る際には運転を楽しめるハンドリング性能が追求されている。
このヴィジョンEQSが示唆する大型サルーンは、2021年にデビューとも言われている。EV版Sクラスといった趣の高級サルーンがどのようなかたちで実用化されるのか。今から登場が楽しみだ。
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