9月22日、BMWの日本法人は、日本市場専用の特別限定モデル「X7西陣エディション」を発表した。
プラス430万円
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3台限定で販売されるX7西陣エディションは、3列シートの大型SUV「X7 xDrive40d Pure Excellence」をもとに、“光と色彩のうつろい”をコンセンプトに、内外装を特別に仕立てたモデルである。
その名の通り、内装には西陣織を使うのが大きな特徴だ。西陣織とは、京都(西陣)で生産される先染(さきぞめ)の紋織物の総称であり、1976(昭和51)年2月26日付で国の伝統的工芸品に指定されている。
注目点を挙げていくと、まず、フロント・センター・アームレストは、1889年に京都で創業した「加納幸」が手がけた西陣織を使う。太平の世にあらわれるという美しくめでたい雲である「卿雲(けいうん)」をイメージした白い立体模様が美しい。
次に、インパネまわりのトリムで、これは、ウッドパネルのうえに金銀の装飾を施した特別なものだ。
ボディカラーは、オーダーメイドを請け負うドイツBMW本社の子会社であるBMW Individualが手がけたパープルの「アメトリン」。塗料には、アルミ・フレークやマイカといった複数の顔料を使う。見る角度によっては、濃紺にも見えるから面白い。
シートも、BMW Individualが仕立てたアイボイリー・ホワイトのフルレザー。南ドイツの高地で育てられた最上級の牛革を丹念に鞣したメリノ・レザーを使う。ルーフライニングは、人工皮革の「アルカンターラ」だ。
搭載する2992cc直列6気筒DOHCディーゼルターボ(340ps/4400rpm、700Nm/1750~2250rpm)+モーター(8kW/53Nm)のパワーユニットや4輪アダプティブ・エア・サスペンションなどに変更はない。
X7西陣エディションの価格は、もとのPure Excellenceより430万円高い1680万円。3台限定で、BMWオンライン・ストアで9月22日(水)午前11時から受注を開始する。
3台限定のワケ
BMWの日本法人は、これまでも京都とゆかりある限定車を2台、企画・販売した。第1弾の「8シリーズ・グランクーペ京都エディション」は、センターコンソール・トリムに漆塗りを施し、そこに金粉・銀粉、貝片などを蒔き付けた「漆塗り蒔絵螺鈿(らでん)細工」を取り入れた。価格は2150万円で、限定3台だった。
第2弾の「7シリーズ PURE METAL EDITION」は、インテリア・トリムに、人間国宝(重要無形文化財保持者)の奥山峰石氏作の非常に凝った銀板を使用。開花した桜が描かれた専用の純銀製ワインカップなども付いて、価格は2650万円。2台限定で販売された。いずれも早々に完売したという。
今回、“日本の名匠”とのコラボレーションモデル初のSUVとして企画されたX7西陣エディションについて、担当したBMWブランド・マネジメント・ディビジョン本部長の遠藤克之輔氏と同プロダクト・マーケティング プロダクト・マネジャーの御舘康成氏に、話を訊いた。
――西陣エディション開発のきっかけを教えてください。
御舘 BMWのクラフツマンシップや歴史との親和性を考えた結果、西陣織を選びました。ベースのX7は、BMWのラインナップで室内が1番広く、そして広大な面積が特徴のガラス製パノラマルーフを持ちます。太陽光が降り注ぐ車内は明るく、まるで、大型ボートに乗って海をクルージングしていかるかのごとくです。その魅力を、日本の伝統工芸によって強調するとしたら、なにがふさわしいか? と考えた時、光によって表情を変える西陣織が適していると思いました。
――ベース車両にX7を選んだ理由は?
御舘 室内が1番広く、そしてラグジュアリーだからです。「X5」や「X6」は、スポーティなイメージが強く、少し違うのでは? と、思った次第です。
――シート表皮を西陣織にするなど、もっと大胆なカスタマイズは検討したのでしょうか?
御舘 シート表皮を西陣織にしたい、といった個人的な思いはありました。ただし、採用するのであれば、クリアしなければない要件が自動車用シートとしての品質と難燃性です。シート全面に採用するのは、とくに品質要件で難しいのが実情です。
――これまで販売された“日本の名匠”とのコラボレーションモデルの評判や売れ行きを教えてください。
遠藤 好調で、すべて完売しました。8シリーズ グランクーペと7シリーズは、ともに既存のBMWオウナー様が購入しました。
――いずれも限定台数が極めて少ないですが、追加生産の要望もありましたか?
遠藤 ありました。販売終了後「似たようなクルマをつくれないか?」といった相談も受けました。
――ほかのドイツ・ブランドで、“日本の名匠”とのコラボレーションは前例がほとんどありません。なぜ、BMWは実現できたのでしょうか。
御舘 BMWの日本法人は今年40周年を迎えましたが、われわれはただのインポーダーであるとは思っていません。なぜなら、日本のユーザーに合った商品開発をおこなっているからです。日本の道路事情を考慮し全幅を抑えるべくドアハンドルの形状を変更したり、ヨーロッパにはないハンズ・オフ運転支援機能を搭載したりするなど、多岐にわたります。単に、“ドイツでつくられたものをどうぞ”ではなく、どうしたら日本のお客様にご満足いただけるか? それを常に考えているからこそ実現したと思います。また、ビスポーク・サービスである「BMW Individual」を長年提供してきた実績があるのも、理由であると考えます。
――BMWオンライン・ストア限定で販売されますね。
遠藤 希少価値を高めたいのでオンライン・ストア限定にしました。オンラインであれば、全国各地の人が公平に購入出来るのも美点ですし、多くのユーザーにリーチ出来ます。
――オンライン・ストアでのセールス状況はいかがでしょうか?
遠藤 BMW Japan設立40周年記念車や、さまざまなアクセサリーをつけた限定モデルをオンラインで販売しています。これまでの累計で約20種類ありますが、どれも販売は好調です。
――オンライン・ストアの課題は?
遠藤 ユーザーに実車を見てもらうにはどうすべきか? 購入はしたけれども、ボディカラーの違いを確認したいといった要望にどう答えていくか? そうしたことは課題のひとつです。ウェブ上でのデジタル・ショールームの拡充も、解決策のひとつです。
――西陣織などの特別な内装トリムは、新車保証に含まれるのでしょうか?
御舘 含まれません。破損などがあった場合、おなじものがもう1回作れるという保証は出来ません。ただし、耐久性には十分配慮していますし、希望があれば標準仕様のトリムに戻せます。
――限定台数はどうして3台なのでしょうか?
御舘 非常に手間と時間がかかるので、継続的につくるのが難しく、3台に絞っています。個人的な思いとしては、量産化出来ないものだろうか、とは考えています。
――ドイツ本社や諸外国からの感想はありましたか?
御舘 8シリーズ・グランクーペ京都エディションのときは、タイなどのプロダクト・マネジャーから「どのようにして制作したのか?」といった質問がありました。 ドイツ本国からは、素晴らしい取り組みということで、非常に好意的なフィードバックがありました。
文・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
そして海外の富裕層ほど日本の伝統工芸品の価値を認めているから、そこに商機ありとBMWが目を付けたんだと思う。