マツダとして初のコンパクトクロスオーバー市場に投入したCX-3が、2015年2月27日に発売された。早速試乗の機会に恵まれ、実車に触れてきたので、まずはその詳細をレポートしよう。<レポート:高橋 明/Akira Takahashi>
CX-3はマツダにとって新しいユーザー獲得のための商品という位置付けになるだろう。デミオをベースにサイズアップしB、Cセグメントサイズとし、ライバルはニッサン・ジューク、ホンダ・ヴェゼル、プジョー2008、ルノー・キャプチャーあたりになる。ボディサイズは全長4275mm×全幅1765mm×全高1550mm、ホイールベース2570mm。搭載するパワーユニットは1.5Lのディーゼルターボのみで、ガソリンやハイブリッドはない。燃費はFFモデルの6MTでJC08モード25.0L/L、ATが23.2km/L。AWDの6MTは23.4km/L、ATが21.0km/Lとなっている。
価格は標準車のXDグレードFFモデルで237万6000円、トップグレードのXDツーリングLパッケージのAWDで302万4000円となっている。月販目標は3000台を計画。製造は国内の広島だけで実施される。
日本国内ではハイブリッドばかりが売れ、HEV一辺倒だ。そんな中、ディーゼル一本で発売してきた。アクセラではハイブリッドを発売するも、ボリュームゾーンはディーゼルだ、という結果があり、マツダはディーゼルでのイメージ戦略もうまくいっているということだろう。
エクステリアデザインはこれまでの流れで「魂動」デザインになっている。デザイン本部チーフデザイナーの松田陽一氏によれば、CX-3は「クルマのかっこいい」に立ち返り、美しさの本質を最先端のスタイルで描き直したという。人間で例えるならプロポーションがいいのが「かっこいいクルマ」であると。八頭身で脚が長く顔が小さい、クルマでも表現していこう!ということだ。
プロポーションの基本はロングノーズ、ショートキャビンでオーバーハングを短くしフェンダーピークをAピラーの根元に持っていく工夫をし、ロングノーズの美しさを強調。ボンネットからルーフにかけて斜め上に流れる力をC、Dピラーからテールで受け止め、力を貯める。先端から後端にかけて斜めの軸を通し、その軸と並行に細部をレイアウトすることで前傾姿勢を強調し、今にも走りだしそうな力強いデザインにしている。
ヘッドライトやテールランプ、シグネチャーウイング、ホイールアーチなどの細部の完成度を高めることで、当初の狙いであるプロポーションの美しさを際立たせ、圧倒的完成度で表現されている。反面、インテリアではエクステリアの研ぎ澄まされた力感のあるデザインと同様とはあまり感じられず、ややソフトなイメージだと思う。女性のターゲットユーザーも多く視野に入れているためか、ダッシュボードの高さも低めで前方の見切りに配慮が見られる。
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