車のニュース [2024.06.14 UP]
所有車なしの自動車評論家が買うクルマ【池田直渡の5分でわかるクルマ経済】
文●池田直渡 写真●マツダ
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「池田さんってクルマ何乗っているんですか?」
なんかスゴいの持っているんだろうと期待に満ちた目がこちらを見る。がしかし、筆者はもう10年ぐらいクルマを持っていない。その頃、貧乏で維持できなくなったからだ。
まあ原稿書きで稼げるようになるのは大変で、ここ2~3年でようやく少しは余裕ができたけれど、「貧乏に懲りてなますを吹く」みたいな腰の引け方で、何となくまだ「クルマを買うのは時期尚早」という警戒感はある。何せ仕事をいただく立場、発注がなければたちまち失業者である。
実はつい最近有料note“池田直渡の「ぜんぶクルマが教えてくれる」”を始めたのだが、本当にみなみなさまのおかげさまで、これが出足から好調。「あれ、これならクルマが買えるかも」という気分にようやくなった。という雑談を担当編集にしたら、「あ、それ次の原稿で書いてください」。ということで、池田はいったい何を買うかというお話が今回のテーマである。
いきなり結論を書いてしまおう。マツダ・ロードスターRFを買おうと思う。ただし、有料noteの売り上げがちゃんと立ったらである。
マツダ ロードスター RFは、オープン時にはリヤルーフだけが残ることで、開放感と安心感を両立している
筆者だけでなく、結構な数の人がそうだと思うのだが、ロードスターというクルマはいつの日か買いたいクルマリストに入っていると思う。しかしながら、なかなか「今でしょ!」にならない。という先延ばしを長年にわたって繰り返している内に、気づけば年が明けると還暦である。「あれ、もうそろそろ買わないと自分の人生にロードスターはなかったことになるのではないか」とそう思った。
けれども、年中仕事で忙しい。人が羨むようなワインディングには確かにしょっちゅう出かけるが、それはプライベートじゃない。取材である。あるいは鈴鹿まで来いとか、蓼科だとか、御殿場だとか袖ヶ浦だとか、そういう所に出かけて1日仕事をして、東京まで帰ってくる。元気な時には楽しいクルマが、疲れた体で夕方の上り渋滞はちょっとキツい。しかも大抵は帰るとそのまま原稿だ。
個人的には軽くて小さくて、キュンキュン曲がるライトウエイトスポーツが好みなくせに、現実の用途は高速道路でバーンと距離を走る使い方ばかりなのだ。伊豆方面の試乗会で990Sに乗った時「あ、こりゃダメだ。欲しい」と降参した。好みには本当にバッチリ。けれども自分のクルマの使い道とあまりに合わない。
ロードスター 990Sは、2021年12月の商品改良で販売された特別仕様車で「軽いことによる楽しさ」を追求した
けれども、このままだとロードスターには一生縁がないかもと思ったら、焦る気持ちが湧いてきた。こりゃどこかで何か折り合いをつけないとダメだと。仕事のアシで高速を移動することとワインディングで楽しいこと。筆者にとってそのバランスポイントとなるのは、多分、ロードスターの中で最もGT性の高いRFだ。
2023年の10月にビッグマイナーチェンジをして、マツダの人が「マイナス1.5way」と呼ぶ新たなデフを得て、明らかに良い意味でリヤのスタビリティが高まった。ワインディングが安全で楽しい。と同時に高速道路ロングドライブのニーズを満たすADASも装備された。レーダークルコンが付いたのはデカい。
2023年の改良は、先進安全技術やマツダコネクトに加え、デザインにも手が加えられた大規模なものとなった
そうだ。あの試乗会で、多分「これなら取材のアシとして、そして曲がるスポーツカーとして両立して使えるんじゃないか」と、朧げにそう思った。その記憶がむくむくと頭をもたげてきた。
6MTでレーダークルコン。ゴー&ストップの渋滞になったらただのMTだ。でももうその時には我慢する。2.0のトルクでクラッチミートが楽なんだと自分に言い聞かそう。少なくとも普通に流れている時効いてくれるだけでも速度計に神経を尖らせなくて良い分だいぶ助かる。そりゃエアボリュームのあるSUVなら広いし安楽だし、人も乗れるし、荷物も積める。それはそれでニーズを満たせて、しかもいいクルマでもある。だがしかし、それが自分の人生になかったとしても、後悔にまでは至らない。
ということで、いやもちろん無理にとは言わないけれど、月額1100円でnoteの有料会員になっていただけると、池田はRFが買えるかもしれない。ご無理のない範囲でお願いしたい。で、担当編集に、ちょっとnoteのリンク張ってくれないかと聞いたら「そしたら『グーネット』アプリの宣伝もしといてください。池田さんの記事も読めるお役立ちアプリです」とのこと、なので「グーネット」アプリの方もよろしくお願いします。
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みんなのコメント
悲しいなぁ。