現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「エレノア」じゃない本物の「マスタング」のスペシャルモデル3選

ここから本文です

「エレノア」じゃない本物の「マスタング」のスペシャルモデル3選

掲載 更新 3
「エレノア」じゃない本物の「マスタング」のスペシャルモデル3選

■シェルビーが手掛けた究極の「マスタング」

 日本のカーマニアの間でも、いつの時代もアメリカ車の人気は衰えることはない。かつては「外車」といえば、大きく強力な、まさにアメリカそのものを象徴するかのような憧れの存在であった。

ホンダが新型「S660」を世界初公開!

 現在もとくに高性能なV型8気筒エンジンを、アメリカ車としては比較的コンパクトなボディに搭載するスペシャリティカー、あるいはマッスルカーと呼ばれるジャンルのモデルには、マニアからの熱い視線が集まっている。

 そこで今回VAGUEでは、最近開催されたオークション・シーンから、興味深いスペシャリティカーを紹介しよう。

●1968 シェルビー「GT500ファストバック」

 まずはアメリカ車のファンには究極のブランドともいえるシェルビー・アメリカンが、1960年代に築いた栄光の歴史のほぼ最後に生産した1968年式の「GT500」だ。

 1967年に「427コブラ」の生産を終了し、「GT350/GT500」のみに生産を集中していたシェルビーだが、その人気は高く、シェルビーでは連日、両車の生産に追われる日々が続いた。

 シェルビーにモータースポーツ活動を委託していたフォードにとって、もはやその目的は完全に達成され、ここにモータースポーツとシェルビーの関係は、完全に途切れることになったのである。

 とはいえGT500は、高性能なスペシャリティカーとして非常に魅力的な存在だった。搭載される428立法インチ=7リッターエンジンの最高出力はほぼ400psで、ミッションは4速MT。インテリアでは黒いビニールの高級バケットシートなど、さまざまなオプションが認められる。

 長いエンジンフードラインやエアインテーク、ルーバー冷却ベントなどからなる新しいフロントマスクや、追加されたリアスポイラーなどによって、エクステリアも実に美しいフォルムが完成した。

 ソリッドゴールドのペイントもコンディションは良好で、過去の所有者リストとメンテナンスレポートも一部期間を除いて揃っている。

 その人気を背景に、入札が繰り返された結果、最終的な落札価格は11万5500ドル(邦貨換算約1200万円)。この落札価格は、人気は衰えていないことの証明にほかならない。

■フォード純正のマッスル「マスタング」とは

 続いて1969年式のフォード「マスタングBOSS 302」を紹介しよう。前年までのマスタングと比較して、ボディはさらに大型化され、実用性を高めたのは1969年式の大きな特長のひとつだが、それによってエンジンルームのサイズもまた拡大されたことも忘れてはならない事実である。

 なぜならそれによって、より大型の高性能エンジンを搭載することが可能になったからだ。

●1969 フォード「マスタング BOSS 302」

 フォードがマスタングのセールスのために、モータースポーツをシェルビーに依頼したことはすでに触れたとおりだが、この新型ともいえる1969年式のマスタングにはフォード自身が高性能エンジンを搭載することができた。いわゆるBOSS 302とBOSS 429の2タイプのエンジンである。

 価格は結果的にシェルビーGT350よりリーズナブルなものになったので、セールス面では特にBOSS 302は人気を集めることになった。ちなみにこのBOSS 302の5リッターエンジンは、当時のトランザムレースに参戦していたマシン直系のパワーユニットである。

 RMサザビーズの調べによれば、1969年に生産されたBOSS 302はわずかに1628台。出品車はわずかに1万2500マイル(約2万km)を走行したのみのモデルで、290psのエンジンには、オプションの4速クロスミッションが組み合わされている。

 注目の落札価格は7万7000ドル(邦貨換算約810万円)。そのコンディションを考えれば、価値ある買い物といえるかもしれない。

●1970 フォード「マスタング BOSS 302」

 そして最後に紹介するのは、翌1970年のマスタングBOSS 302だ。モデルとしての内容は、すでに解説した1969年式のBOSS 302と同様である。ただし、4灯ヘッドライトから2灯ヘッドライトにするなどマイナーチェンジが施されている。

 落札価格を決定するのはコンディションによるところが大きいが、こちらもまずまずの状態。マイナーチェンジ前のフェイスのほうが人気が高いのか、こちらは意外に入札が伸びずに、6万500ドル(邦貨換算約635万円)での落札となってしまった。

 ただし、そろそろ貴重な存在になってきたBOSS 302を入手するには良い機会だったといえるだろう。

 もしかするとアメリカン・マッスルのブームは、またこの日本にも訪れるのかもしれない。

関連タグ

こんな記事も読まれています

新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
新型3列シート電動SUV『アイオニック9』正式発表、充電中は4人が広々休憩も…ロサンゼルスモーターショー2024
レスポンス
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
全国に「警察軽トラ」配備へ なぜ? 警察庁初の取り組み、理由は? ダイハツ製61台を24年度中に導入! 各都道府県警察で運用
くるまのニュース
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
転倒時にバイクを守る! エンジンガードは装着した方がいいのか?
バイクのニュース
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
『ランクル40 / 70』にもピッタリ! トーヨータイヤ『OPEN COUNTRY A/T III』がラインアップ拡充
レスポンス
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
寒いとバカっ速! ラスベガスで完勝ワンツーのメルセデス、懸念のグレイニングも一切出ず「不思議だね」とウルフ代表
motorsport.com 日本版
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
夢だけで終わらせたくない「マイ・バイクガレージ」 たぐちかつみ・マイガレージ回顧録 VOL.01
バイクのニュース
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
約99万円! トヨタ新型「“軽”セダン」発表! 全長3.4m級ボディで4人乗れる! 安全性向上&寒さ対策UPの「ピクシス エポック」どんな人が買う?
くるまのニュース
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
「(次期)セリカ、作ります!」ラリージャパン会場でトヨタ中嶋副社長が明言!! 開発開始を宣言、次期86も「出す」
ベストカーWeb
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
スズキ・フロンクスが月販目標の9倍も受注! 絶好調な理由は小さくて安いのに感じられる「高級感」!!
WEB CARTOP
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
車載電池のノースボルト、米国で破産法を申請 事業継続にめど
日刊自動車新聞
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
【初試乗!】さらにスポーティになった「メルセデスAMG GT 63 PRO」はポルシェとのGT対決に終止符を打てるか!?
AutoBild Japan
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
レクサス新型「FF最大・最上級セダン」世界初公開に大反響! めちゃ“斬新グリル”&一文字ライト採用! “6年ぶり”に内外装刷新の「ES」中国に登場!
くるまのニュース
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
20年前の個体なのに走行距離301キロ!? 555台の限定車 BMWアルピナ「ロードスターV8」がオークションに登場 極上車の気になる予想価格とは
VAGUE
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
完璧なシーズンでも届かない、王者の背中。ノリス「たとえミスがなかったとしてもタイトルを手にできたかどうか……」
motorsport.com 日本版
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
苦手な「前向き駐車」なぜコンビニで推奨されるのか? 「もちろんやってる」「出る時が怖い…」賛否あり!? バック駐車じゃない理由への反響は?
くるまのニュース
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
今でも現役! いろんなバイクに採用されています。「SOHC」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
ダイハツ『タフト』安全性能向上で仕様変更、138万6000円から
レスポンス
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
BMW 2シリーズクーペ【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

3件
  • エレノア
    表題のそれもトップにありながら本文中で一度も出て来ないのは奇異に感じる。
  • やはりGT500が一番いいな。
    憧れのマスタングといえばやはりこれ。
    1200万か。意外と安く感じる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

465.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.81439.6万円

中古車を検索
マスタング クーペの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

465.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

44.81439.6万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村