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新型 アウディRS3 サルーンへ試乗 モデルチェンジ 5気筒ターボで400馬力

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新型 アウディRS3 サルーンへ試乗 モデルチェンジ 5気筒ターボで400馬力

英国や日本により妥当なサイズとパワー

今や、BMW M3やメルセデスAMG C63といったDセグメントの高性能モデルは、英国では8万ポンド(約1232万円)に迫ろうとしている。代を重ねる毎にボディは大きくなり、公道では解き放つことが難しいほどパワフルにもなった。

<span>【画像】最新RS3 サルーンとスポーツバック ドイツの競合モデルと比較 全113枚</span>

そんな成長するモデルをよそ目に、1サイズ小さいCセグメントに属するアウディRS3がモデルチェンジした。ボディサイズやパワー、スピードは、英国や日本のように混雑した島国にとって、より妥当なものだといえると思う。

新しいRS3は、ハッチバックもイイ。だが、サルーンなら特別な印象が強まる。実際、販売台数を見ても2:1で、意外とサルーンの支持率は高い。

うれしいことに、アウディは直列5気筒ターボエンジンを最新のRS3にも残してくれた。恐らく財務部門などは、4気筒を強く押したことだろう。この個性的なユニットは、RS3とTT RSにしか搭載されていないのだから。

アウディのエンジニアは、そのせめぎ合いに勝ったようだ。最新のRS3では最高出力400ps、最大トルク50.9kg-mを発揮してくれる。

ハッチバックでもサルーンでも、数字は変わらず、先代よりトルクが2.0kg-mほど上昇している。ボディの違いで、動的能力にも目立った差はない。両車とも0-100km/h加速は3.8秒でこなし、従来から0.3秒縮めている。

RSトルクスプリッターとアウディが名付けた、トルクベクタリングも特長。リアタイヤ左右の一方へ、必要ならリアアスクルに割り振られるすべてのトルクを伝達できるシステムで、別名ドリフト・モードとも呼ばれる新機能だ。

ハッチバックより実用性は上

サスペンションまわりも進化した。先代からフロントトレッドは33mm広げられ、ネガティブ・キャンバーが強められている。新しくなったアダプティブダンパーは、5000ポンド(約77万円)超のオプションだ。

今回の試乗車には、ほかにセラミックブレーキとRS3スポーツ・エグゾーストシステムも装備。最高速度のリミッターは解除され、289km/hまで届く設定になっていた。通常は249km/hに制限される。

ハッチバックとサルーンで明確に違う点は、いわずもがなボディ形状。サルーンはハッチバックのRS3と比較して、153mm全長が長く、24mm全高が低い。リアシートの頭上空間も少し狭くなっている。

身長が180cm以上あるような大人の場合、リアシートは少し窮屈かもしれない。ホイールベースは同値だから、足元空間は同等に広い。

RS3 サルーンの荷室容量は、321Lある。ハッチバックより広く、リアシートを常時使う前提なら実用性はサルーンの方が上。後ろが長いから、追突時などの安全面でも優れるといえる。

英国で用意されるトリムグレードは、4段階。ベースグレードのRSとフォアシュプルング、カーボンブラックのほかに、ローンチエディションが選べる。試乗車もローンチエディションだったが、こちらは既に完売したという。

基本情報はこのくらいにして、ステアリングホイールを握ってみよう。アウディの技術者は、これまでのRSモデル共通の癖といえた、アンダーステアを見事になだめることに成功したようだ。

遥かにシャープになったレスポンス

直列5気筒ターボエンジンは、フロントの車軸より前に載っている。しかし、反応は遥かにシャープだ。

タイトコーナーを勢いよく旋回させるには、しっかりフロントタイヤを路面に食いつかせる必要はある。一部の高性能モデルのように、アクセルペダルの踏み加減で、コーナリングラインを調整することも難しい。

しかし、間違いなく従来のRS3より自在感は高められている。グリップ力は非常に高く、コーナーの出口でパワーをかけていくと、リアタイヤがむずがる様子も感取できる。そこで活きてくるのが、感触を良くしたステアリング。

コミュニケーション力はベストとまではいえないにしろ、重たいだけのような印象は改善された。クイックで漸進的になってもいる。シャシーからのフィードバックを身体で感じ取れば、より訴求力のあるドライング体験を楽しむことができる。

ドライブモードには7段階がある。筆者はオートかRSトルクリアが、頻繁に選ばれるであろうモードになると予想する。切り替えは、12.3インチのタッチモニターかステアリングホイールのボタンで簡単に行える。

市街地や高速道路では、オート・モードがとても文明化された振る舞いを見せる。オプションのアダプティブ・ダンパーの乗り心地は硬いものの、厳しい振動が伝わってくるほどではない。

そこからRSトルクリア・モードへ切り替えれば、すべてが鋭く変化。エグゾーストノートは遥かにアグレッシブになり、RS3は水を得た魚のように走る。

意欲的に回り額面通り強力な5気筒ターボ

そして、素晴らしい5気筒ターボエンジンが光り出す。こんなユニットが消えてしまった世界は、きっと寂しい場所になってしまうのではないだろうか。

個性的なサウンドに加えて意欲的に回転し、額面通りパワフル。アウディ自慢の四輪駆動システム、クワトロの力も借れば、湿った郊外の道をこれほど容易に駆け抜けることができるモデルは、そう多くはないはずだ。

英国や日本に適したボディサイズを持つ、実用性に優れたRS3 サルーンだが、価格がお財布のサイズにピッタリかどうかは別問題。英国価格は、5万1900ポンド(約799万円)からに設定された。

RSダイナミック・パッケージは5500ポンド(約84万円)のオプションで、印象的なボディカラーで決めるには575ポンド(約9万円)が別途必要になる。結果、試乗車の英国価格は5万7975ポンド(約892万円)に膨らんでいた。

新しいアウディRS3は、懐に余裕のあるドライバーなら一考する価値は間違いなくある。RSダイナミック・パッケージの内容も素晴らしい。進化を遂げ一層速くなったRS3に、更なる優れた操縦性を加えてくれる。

ハッチバックを選ぶべきか、サルーンを選ぶべきか。これは好みによるところが大きそうだ。ドライビング体験に実感できるような違いはない。筆者なら特別感のより高い、サルーンを選ぶだろう。

アウディRS3 サルーン・ローンチエディション(英国仕様)のスペック

英国価格:5万7975ポンド(約892万円/試乗車)
全長:4542mm
全幅:1851mm
全高:1412mm
最高速度:249km/h(リミッター)
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:11.1km/L
CO2排出量:204g/km
車両重量:1575kg
パワートレイン:直列5気筒2480ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:400ps/5600-7000rpm
最大トルク:50.9kg-m/2250-5600rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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